宝島上陸!ひと晩で25回の地震を観測 地震が多い理由も解説|2016年 トカラ列島 旅行記4

旅の思い出

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今回は2016年「トカラ列島旅行記」その4をお届けします。

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宝島上陸!財宝伝説がある洞窟へ

悪石島を出港して約2時間、途中小宝島を経由し、宝島に到着しました。

島の名前の由来については、調べてみても分かりませんでしたが、イギリスの文豪・スティーブンソンが書いた小説「宝島」のモデルとなった島と言われています。

17世紀後半のイギリスの海賊・キャプテンキッドが財宝を隠したという伝説のある鍾乳洞(観音洞)へやってきました。

洞窟の入口に置かれている観音様は島の信仰の中心になっており、島の人々はこの観音様を「カミサマ」と呼んで崇めているそうです。

いざ鍾乳洞の中へ。奥行きは500mもあり、また岩と岩の間にハブが隠れている可能性もあるので無理は禁物。

スマホのライトで足元を照らしながら、隠された財宝を探します。国内外から多くの探検家や賞金稼ぎも、ここを訪れているそうです。私は財宝を見つけることが出来ませんでした。

宝島の土台となっているのは「琉球石灰岩」。島内では他にも鍾乳洞が点在しており、地上でも琉球石灰岩が織りなすワイルドな景観が広がっています。

トカラ列島で地震が多い理由

この日の宿「宝コーラル・ビーチ 夢ハウス」にやって来ました。

正確には宿ではなく、アイランダーの十島村ブースで紹介していただいた海の家に泊まります。コンセントや調理器具、さらに畳もありましたが、シャワーは屋外にある水シャワー。冬の夜にはなかなか厳しいものでした。

翌日の船は朝6時。さっさと寝ようとしたところ、海のほうから「ゴォォーッ」という音が聞こえた数秒後、建物がガガッと揺れました。1回の揺れは一瞬ですが、これが何度も続いたので、スマホを確認すると、Yahooニュースのトップに「トカラ列島近海で地震相次ぐ」と出ていました。

赤線が琉球海溝(wikipediaより)

トカラ列島の東には、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に潜り込むことで出来た「琉球海溝」があります。また、トカラ列島の西側では「沖縄トラフ(海底盆地)」が東西に拡大しているそうです。

ピンク色の部分が沖縄トラフ(wikipediaより)

こうした海溝とトラフの相互作用により、悪石島と小宝島の間には1000m以上の水深が生じており、トカラギャップと言われています。

出典:南日本新聞

何らかの作用によって、トカラギャップに沈降を起こす断層が生じると、それと同時に横ずれ断層型の群発地震が発生することから、トカラ列島は地震が多い地域として有名です。

悪石島には東京大学地震研究所のアンテナと、鹿児島大学の地震観測点が設置されていました。ちなみにネットでは、トカラ列島での群発地震が発生すると、日本列島で大きな地震が発生するという「トカラの法則」が噂されていますが、これに科学的根拠は無いそうです。

別の時に撮影した諏訪之瀬島

また、トカラ列島の地震は、火山噴火との関連も危惧されています。トカラ列島には口之島、中之島、諏訪之瀬島に活火山があり、悪石島も火山島です。

■ 参考:2022年 諏訪之瀬島旅行記

薩摩硫黄島(三島村)

さらに、約150km北方には「鬼界カルデラ(薩摩硫黄島)」があり、この火山で起きた約7300年前の噴火と火砕流は、南九州縄文文化を壊滅させたとも言われています

■ 参考:2017年 薩摩硫黄島旅行記

ひと晩で25回の地震を観測

このとき泊まっていたのは「海の家」ということで、もちろん海は目の前。

気象庁発表資料より

津波の可能性も考えて、避難した方がいいのか本気で迷いましたが、もう歩く気力が残っておらず、そのまま寝てしまいました。後日発表された気象庁の資料によると、2016年12月8日夜から9日未明にかけて、震度1以上の地震が25回も発生していたようです。

そして、何事もなく朝を迎えることが出来ました。 しかし、何事もなかったのは私がいるトカラ列島の話で、ソロモン諸島では12月9日2時半過ぎにM7.8の大地震が発生していたのです。

日本への津波の心配はないということでしたが、念のため東海汽船の運航状況を確認すると、その日の船は全便一時運航見合わせとなっていました。ここでなぜ、東海汽船の運航状況を確認したのかというと、当時はまだ、フェリーとしまの最新の運航状況を知る術がなかったのです。

とりあえず港へ向かうと、フェリーとしまは定刻通り、宝島にやってきました。船内のスタッフの方に「地震・津波の影響とかないんですか」と確認してみると、「え、何のことでしょうか?」というまさかのお返事。さすがは日本最後の秘境を支える強い航路です。

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今回はここまで。本日もありがとうございました。

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