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今回は、2018年11月「立山黒部アルペンルート」旅行記その2をお届けします。
★前回の記事★
黒部ダムを歩いて黒部湖へ
長野駅から、立山黒部アルペンルートを経由し、富山駅を目指します。

黒部ダム駅から、ダムを歩いて黒部湖駅へ。

ダムの下をのぞき込むと、ちょうど山の斜面に影が映っていました。

黒部ダムの中心までやって来ました。
ここからさらに乗り物を乗り継いで、標高2450mの「室堂」まで登ります。
黒部ダムは、山岳観光ルートの中で、黒部ダム駅から黒部湖駅を繋ぐ連絡通路としても機能しているのです。

黒部湖駅の手前に、「しらとり」という名が書かれた、1隻の船が置かれていました。
黒部湖によって分断された、赤牛岳の登山道を繋ぐ渡し船。6月から10月の間、平の小屋~針ノ木谷間を無料で運航しています。
黒部湖には遊覧船もあり、いずれも日本で一番高い場所を航行する船となるでしょう。

黒部湖駅に到着。
それぞれの乗り物は、乗り換えの移動時間も含めて、接続がうまくいくようダイヤが組まれているので、時間を意識しながらの観光となります。
富山まで1日で抜けることを考えると、各ポイントでゆっくりしている時間は、意外と少ないです。

黒部ダムの気温は6度。
標高が上がるにつれて、気温は下がり、雪の量も増えていきます。
黒部湖からケーブルカーで黒部平へ
続いての乗り物はこちら。

ケーブルカーです。
豪雪と自然景観保護のため、次の黒部平駅までは、全区間が地下となっています。
全区間地下を走るケーブルカーは、日本でここだけ。

変わった形の車両です。
1969年の開業から50年以上、ずっと同じ車両が使われています。

車内は、階段に座席が設置されているような作りとなっています。
黒部湖駅から黒部平駅までの標高差は約400m、勾配は最大で31度にもなるそうです。
急勾配をゆっくりと登ります。
運転は黒部平で行われているため、この車両に運転士は常務していません。
また、途中では、ケーブルカー同士のすれ違いもあります。

約10分で黒部平駅に到着。
標高は1828mとなり、いよいよ雪景色に変わりました。

こちらは、乗り換えの駅としての要素が強いようで、散策出来る範囲も広くありません。
小さな庭園と高山植物観察園がある程度です。

それでも、立山連峰の山々が目の前に迫る景色は、見ごたえがあります。

長野駅から特急バス・トロリーバス・ケーブルカーと、乗り物を乗り継いできましたが、ここから室堂まで、あと2つの乗り物を利用します。
黒部平からロープウェイで大観峰へ

続いてはロープウェイです。

黒部平と大観峰の標高差は約450m。
距離にすると約1.7kmを、7分ほどで登ります。

眼下には、先ほど通ってきた「黒部湖」も見えています。

デジカメの機能を使って、ミニチュアモードで撮影。
まるで、絵にかいたような景色です。

ロープウェイから360度の絶景。
個人的には、アルペンルートのコースの中で、この区間が最も印象に残っています。
本場のアルプスに行ったことはありませんが、「アルプス」と聞いて想像する、その通りの景色が広がっていました。

しかも、このロープウェイ、途中に支柱が1本もないので、山がより近くに感じられます。

黒部平側に設置された85tの重りと、大観峰側に設置されたモーターで運行されており、こうした「ワンスパン方式」 のロープウェイでは、日本一の運行距離となっています。
乗り物を乗り継ぎながら移動すると聞くと、「難しそう」と思ってしまうものですが、立山黒部アルペンルートは、最初にスルー乗車券を買ってしまえば、後は案内看板に沿って歩くだけ。
これほど簡単に、標高2000mを超える、山の大自然を味わえるのは、素晴らしいことです。
大観峰からロープウェイで室堂へ

大観峰に到着すると、いよいよ標高は2000mを超え、外の気温も-3.7度まで下がっています。

窓の雪山が目の前に見えています。
こちらも、黒部平同様、乗り換えのための駅という要素が強く、しかも山の断崖に位置しているため、建物の屋上以外、外に出ることは出来ません。
ここでの乗り換え時間は10分だったので、今回は屋上にも出ませんでした。

次に目指すのは、いよいよアルペンルートの最高地点、標高2450mの「室堂」です。

大観峰から室堂までは、日本で最後のトロリーバス運行区間となっています。
全区間トンネルのため、車窓の景色はゼロですが、途中、立山の主峰・雄山(標高3003m)の下を通過します。

約10分で室堂に到着!
画面には、気温が-7.8度と表示されており、ロープウェイから見た景色とはまるで違う様子が映し出されています。
乗り物の車内や駅施設は暖かく、また、酸素の薄さなども気にならなかったため、あまり実感がありませんでしたが…

室堂駅から、外に出るドアを開けると、そこには間違いなく銀世界が広がっていました。
そして、圧倒的に寒い。
せっかくここまで来たので、何の装備もしていませんが、少し室堂周辺を散策してみます。

富士山・白山とともに、日本三名山のひとつに数えられる立山。
ただし、「立山」という山があるのではなく、雄山・大汝山・富士ノ折立という、3つの峰の総称を立山を呼びます。

立山の最高峰・大汝山(標高3015m)は、日本で20番目に標高が高い山。
大汝山の手前にある、雄山の山頂(標高3003m)までは、室堂からの登山コースが整備されており、初心者でも、2時間ほどで山頂まで行くことが出来るそうです。

ただ、この日掲出されていた山岳情報には、「厳冬期の冬山です」と書かれていました。

また、室堂駅の周辺には、散策路も整備されています。
登山は無理なので、雪に埋もれた散策路を少しだけ歩いてみましたが、フカフカのパウダースノーで、足が雪に埋まってしまい、まともに歩くことが出来ませんでした(笑)

皆さん室堂駅のすぐ近くで、雪景色を楽しんでいるようで、雪の中を歩いている人はほとんどいませんでした。
当然寒さもあるので、私もすぐに建物の中へ避難。

室堂にはホテルもあり、そこのレストランで昼食をとることも出来ますが…
高かったです。標高もお値段も。
ちなみに長野県には、ここよりも標高が高いところに位置する「ホテル千畳敷(標高2600m)」があるそうです。

立山山頂簡易郵便局もありました。
6月下旬から11月上旬まで営業しており、アルペンルートにちなんだ切手や絵葉書の販売が行われています。
こうした郵便局は他にもあり、こちらは、富士山・白馬・乗鞍・白山に次いで、日本で5番目に標高が高い郵便局となっています。
室堂から立山経由で富山へ

室堂には1時間ほど滞在。
ここからはバスで美女平まで行き、ケーブルカーに乗り換えて立山駅まで降りるのが一般的ですが、ケーブルカーはすでに冬季休業となっていました。
そのため、今回はバス1本で立山駅へ向かいます。

よくある大きな観光バスですが、雪の山道を走るので、これもまた見応えがあります。
この時はまだ雪が少なめですが、冬の間、積雪は20mを超え、世界有数の豪雪地帯。
この雪が除雪されることで、道路の両側が雪の壁となる「雪の大谷」は、アルペンルートに春を知らせる風物詩として有名です。

標高が下がるにつれて、雪は少しずつ少なくなり、約1時間で立山駅に到着。
駅前には除雪機が置かれていますが、この時はまだ、雪が全くありませんでした。やはり、本格的な冬はこれからということでしょう。
そして、本格的な山岳観光ルートはここまで。

最初に扇沢駅で購入したスルー乗車券には、立山→富山の鉄道運賃も含まれています。
ここからは、レトロな富山地方鉄道に乗車し、富山駅を目指します。

列車の出発まで、少し時間がありましたが、立山駅に待合室が無く、とにかく寒かった…
ということで、駅の近くにある、立山砂防カルデラ博物館を見学(避難)していました。

立山から富山までは1時間ほど。
立山出発後はすぐに寝てしまい、車内のざわめきで目が覚めると、列車は富山駅に到着していました。
時刻は16時半過ぎ。
長野駅から富山駅までは、北陸新幹線で1時間ですが、今回はアルペンルートを経由したことで、8時間近くかかりました。
しかし、これほど贅沢な遠回りはありません。時間に余裕がある時は、新幹線よりも、アルペンルートがおすすめです。
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今回はここまで。本日もありがとうございました。
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