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今回は「粟国島旅行記」後編をお届けします。
★前回の記事★
ソテツの島 粟国島上陸
那覇から約2時間、粟国島にやってきました。しかし、滞在時間は2時間しかありません。

タラップに書かれている「むんじゅる」は「麦わら」という意味の「ムンガラ(ムウジャラ)」から派生した言葉。
「むんじゅる節」という、粟国島発祥の民謡もあるそうです。

周囲12kmの島に約700人が暮らしており、こちらのマップを見ると、島の南から放射状に街並みが広がっている様子が分かります。

こちらの看板は「粟国村役場」からの案内。
粟国村は一島一村の離島。こうした島の通例として、村で唯一の信号機は、小中学校の前に、教育用で設置されているものですが、粟国島もやはりそのようです。

港には、島の小中学校を卒業する生徒たちが描いた壁画がありました。 粟国島には高校がないため、中学卒業と同時に、島外の高校へ通う生徒がほとんどのようです。

こちらは、シタリー節の石碑。
粟国島では、高校進学だけでなく、出稼ぎなどでも島の外へ出る人が多く、安全航海を祈願するとともに、立身出世を願って歌った教訓歌として、シタリー節が歌い継がれているそうです。

前回の記事では、フェリーあぐにが「それほど揺れなかった」とご紹介しましたが、それも文明の利器で、昔はもっと過酷だったはずです。
那覇とのプロペラ機もありますが、しばらく運休しており、やはり島の人に必要なのは、まず「船」であることは間違いないでしょう。

マハナ展望台までは2.6kmと書かれていました。この距離なら30分ほどで到着することが出来るでしょう。
ノープランで行く当てもなく、島を1周する時間はないので、とりあえず、マハナ展望台を目指してみることにしました。
粟国島がソテツの島である理由

港からはしばらく登り坂。
平日のお昼ですが、車や人は一切通りません。 日帰りの島旅では、出会い・触れ合いは発生しないため、島の人の温かさよりも、「己との戦い」となる場合がほとんどです。

さすがソテツの島、赤っぽい土から、小さなソテツが生えていました。

粟国島は、数百万年前の火山活動による堆積物がベースとなってできた島であるため、サンゴで出来た沖縄の他の島とは、少し雰囲気が違います。

マハナ展望台へ行く道の途中にある、こちらの「遠見台」が海抜96mで、粟国島で一番高い場所になるそうです。

こちらは港近くの家で見つけた「トゥージ」。粟国島では水源が乏しかったため、こうした大きな石の桶に、雨水を溜めて生活していました。

水源が無いということで、粟国島ではなかなか樹木が育ちませんでしたが、琉球王国時代に植えられたソテツは、乾燥に強いため、しっかりと根付いたのでした。

ソテツの中心には実があり、この実は古くから人々に食されてきました。
しかし、毒があるため、第一次世界大戦後の食糧難で、沖縄ではソテツを食べて亡くなる人が多発。この事象は「ソテツ地獄」と言われています。

マンホールにもソテツが描かれていました。
島の西端・マハナ展望台を目指して歩く

道端に、こちらをじっと見つめるヤギがいました。沖縄の島あるあるです。
★参考:ヤギの島・波照間島★

牛さんとも目が合いました。家の横の空き地に、こうして牛がいるのは珍しいです。
★参考:牛の島・黒島★

マハナ展望台まで1.3km、ちょうど中間地点です。
よくある「島時間」とは無縁。時間的な余裕は一切ないので、淡々と歩きます。

こちらはNTT西日本粟国無線中継所。
しかし、グーグルマップでは「閉業」となっています。NTTの看板はありますが、今は機能していないようです。
ちなみに、私のソフトバンクでも、終始電波は繋がっていました。

道端の原っぱに、説明書きが書かれていました。
日露戦争期、日本海海戦に向かうロシア海軍の「バルチック艦隊」を最初に発見した日本人が、粟国島出身の奥浜さんだったという内容です。
せっかくならもっと目立つ場所に…と思いますが、なぜここに置かれているかは不明です。

粟国島パークゴルフ場がありました。

そこそこ広く、しかも綺麗に整備されています。

そして、マハナ展望台に到着しました。

展望台の駐車場には、可愛らしいお手洗いもあります。
今回私は歩いていますが、観光協会でレンタサイクルやレンタカーを借りることも出来るようです。
マハナ展望台に到着 港へ戻る
12時47分、船の出港までは残り1時間ほど。

島の西端に位置する展望台で、「マハナ」は沖縄の方言で「最も端」という意味。

展望台の周辺には草原が広がり、東シナ海の絶景を見ることが出来ます。

周囲には、風力発電のプロペラが回る「グワァン、グワァン」という音だけが響きます。

なんと、マハマ展望台にはFree Wi-Fiがありました(笑)やろうと思えば、ここでも仕事が出来てしまうのです。

「伊平屋島」「伊是名島」「伊江島」の矢印が刻まれています。

那覇までは60km離れています。天気はいいですが、さすがに沖縄本島の姿は見えませんでした。

うっすら見えているのは「久米島」でしょうか。

展望台でゆっくりしている時間はなく、急いで港へ戻りますが、せっかくなので、行きとは異なる道で戻ります。

道は整備されていますが、街灯はもちろん、電柱や電線もありません。

ガードレールもありません。夜にこの道を通るのは非常に危険と思われます。

海へ降りる階段を見つけました。
時間に余裕はありませんが、せっかくなので駆け足で階段を降ります。

到着したヤヒジャ海岸には、大変地味な景色が広がっていました。

しかし、こちらは迫力があります。
フェリーあぐにから見えていた、新島の「白ママ断層」に似た景観が広がる場所です。崖の高さは数十メートルにもなります。

ということで、写真だけ撮って、走って階段を上ります。

小走りで、なんとか船の出港までに、港へ戻ってくることが出来ました。

さらば粟国島。あっという間の2時間でした。
ちなみに、帰りも全く揺れず、快適な船旅となりました。
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今回はここまで。本日もありがとうございました。
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