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今回は「2022年 夏 宮城県の島旅」旅行記その6をお届けします。
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北上川の舟運で繁栄した石巻の歴史
2024年7月17日、この日は宮城県石巻市の有人島「網地島(あじしま)」へ渡ります。
こちらが本土と島を結ぶ定期船「網地島ライン」。写真からも分かる通り、海ではなく川沿いに作られた中央発着所から船に乗ります。ちなみに、この川の名前は旧北上川。網地島ラインの中央発着所は幹川流路延長は249km(日本で5番目の長さ)、流域面積は10,150㎢(日本で4番目の大きさ)という、東北で最も大きな川「北上川」の河口部に位置しているのです。
1910年に発生した大洪水を機に、洪水防御を主目的とした北上川第1期改修工事が行われ、1934年に現在の北上川と旧北上川の形になりました。なお最近は、旧北上川を「北上川」、北上川を「新北上川」と呼ぶこともあるようです。
■ 参考:1
■ 参考:2
石巻が北上川の舟運とともに発展してきたことは言うまでもありません。北上川流域の新田開発を奨励するとともに、米を運ぶ水路の開削を進めたと言われるのが、江戸時代の仙台藩主・伊達政宗です。
仙台藩だけでなく、北上川上流の南部藩や一関藩で収穫された米の集積地にもなった石巻は、東廻り海運随一の拠点港として、西廻り航路拠点・酒田とともに東北経済の中心的役割を担うこととなりました。石巻港から江戸へ送られた米は「本石米」と呼ばれ、江戸で消費される米の3分の1を占めていたそうです。
■ 参考:3
■ 参考:4
1878年(明治11年)、国際交流のための近代港湾を整備するため、国家プロジェクトとして野蒜築港がスタート。野蒜築港へ至る運河や河川も整備され、1882年に北上川と野蒜港を結ぶ北上運河が完成しました。この頃、北上川では石巻~一関間で新造の洋式汽船が航行するようになり、船会社も設立されて、客や荷物の争奪が起こるような状況になっていたそうです。
■ 参考:5
宮城県の仙台湾岸には、旧北上川から松島湾を通り阿武隈川まで、外洋を通らず舟運が可能な日本一長い運河群(総延長約49km)があることはあまり知られていません。その運河群の最北にあるのが北上運河です。この大規模な水運ネットワークも野蒜築港を機に形成されたものですが、1884年に宮城県を直撃した台風で野蒜築港の突堤が崩壊。野蒜築港プロジェクトがが中止になったことに加えて、1890年に東北本線が開通し、北上川の舟運は徐々に衰退していきました。
■ 参考:6
網地島ラインに乗船
旧北上川の河口にある石巻中央発着所で網地島・長渡(ふたわたし)港までの乗船券をゲット。料金は片道1470円です。
また、網地島ラインには門脇港からも乗船することが出来ます。
しかしこの日は、前日の大雨の影響で河川にゴミが流れ込んでおり、門脇港には接岸することが出来ず。
中央発着所にもゴミが流れ着いていました。船は9時過ぎに石巻中央発着所を出港。網地島までは約1時間の船旅です。
出港からしばらく、船は旧北上川を下ります。かつて繁栄した北上川の舟運を体験できる貴重な機会です。上流からはゴミだけでなく、土砂も多く流れているようで、動画を見ると川が茶色く濁っている様子が分かります。
上流から流れてきた土砂等が石巻に溜まるのは昔からのことのようです。江戸時代末期から明治初期にかけて、北上川上流部から流れ下る土砂が堆積し、石巻港の機能が低下。舟運や灌漑用水の確保を目的とした北上川低水工事が行われています。
■ 参考:7
■ 参考:8
田代島経由で網地島へ
船の現在地を示す画面に突如、猫の画像が登場しました。これは途中で寄港する田代島が「猫の島」として有名だからでしょう。船にも猫目的と思われる観光客が多く乗っていました。
船は北上川から石巻湾へ。海上に靄がかかり、船はこまめに汽笛を鳴らしながら航行していました。晴れていれば進行方向左手に牡鹿半島が見えるはずです。
出港から約30分、田代島が見えてきました。
船はまず田代島北部に位置する大泊港に入港。
猫の島らしく、港にも猫を模した用具が置かれていました。なお、この島は猫の数が多いが故に「猫の島」と呼ばれているわけではありません。猫が神様のように大切にされているから、猫の島なのです。
■ 参考:2019年 田代島旅行記
続いて船は田代島南部に位置する仁戸田港へ。大泊港でも仁戸田港でも、やはり船から猫の姿を確認することは出来ず。
ちなみに、以前私が田代島に上陸したときは、大泊港で下船した後、仁戸田港まで歩き、仁戸田港から石巻行きの船に乗りました。上手に行程を組めば、1日で田代島と網地島の両方に上陸することも可能です。
田代島と網地島の間の距離は直線で約3km。あっという間に網地島北部・網地港に到着しました。写真中央に広がる砂浜が網地白浜海水浴場。どうやらこのビーチの美しさから、網地島は「東北のハワイ」と呼ばれているようですが、この天気だとその面影は感じられません。
私は島の南部にある長渡港までの乗船です。網地港では靄が晴れていましたが…
あっという間に島の姿が見えなくなってしまいました。船は周囲20.7kmの島の東側を南下します。
そして、網地港を出港してから約20分で長渡港に到着。
10時20分、定刻より少々遅れて網地島・長渡港に到着しました。帰りは網地港から船に乗るので、ここから歩いて網地港まで歩いて移動します。網地島での滞在時間は約3時間です。
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今回はここまで。本日もありがとうございました。
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