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今回は「2023年 種子島旅行記」その4をお届けします。
南種子町を車で観光
2023年1月4日、レンタカーで種子島の南部・南種子町をドライブしています。

種子島宇宙センターの次にやって来たのは宝満神社。ここでは毎年4月初旬、その年の豊作を祈願する『赤米のお田植え祭り』が行われており、国の重要無形民俗文化財にも指定されています。
お田植祭りは、豊作を祈願する農耕行事で、全国各地で行われている。
日本における稲作始まりの地?

宝満神社に祀られている玉依姫命は、水田を開いて稲を作り、島の食生活を潤したそうです。島内各地で籾の付いた弥生式土器が出土していることから、種子島は「日本における稲作始まりの地」としても紹介されています。
■ 参考:1
種子島では「ガロー」と呼ばれる聖域の森が点在し、そこには神が宿るとされているそうです。南種子町は十八ガローと呼ばれるほど、聖域の森が多く鎮座しており、宝満神社のそばにある『御田の森』が最も重要な場所とされています。
■ 参考:2

御田の森の横にある田んぼは『御神田(オセマチ)』と呼ばれ、宝満神社の一部として扱われているようです。この御神田で今も栽培されているのが、稲の原種とも言われる「赤米」。赤米のお田植え祭りは、宝満神社内で行われるものではなく、御田の森と御神田で行われる一連の行事を指します。

宝満神社にはサンゴの石垣もありました。いつの時代に作られたものか分かりませんが、種子島には奄美や琉球の文化も流入していることが伺えます。
■ 参考:与路島のサンゴの石垣集落を見学

宝満神社の次に向かうのは種子島最南端・門倉岬。稲作は現在も種子島の主幹作物で、種子島全域で作付されていることもあり、道中も田んぼの景色です。ちなみに、宝満神社の御神田で栽培されている赤米は非常に珍しいもので、日本国内で在来品種とみなされる赤米は4種しかありません(総社種赤米稲・対馬種赤米稲・種子島種赤米稲・武蔵国分寺種赤米稲)。

なお、種子島で作付されている品種はほとんどコシヒカリです。南種子町は3月に田植えが始まり7月には収穫されるため、「日本一早いコシヒカリの町」としても紹介されています。
■ 参考:3
鉄砲伝来の地
そして何より、種子島と言えば「鉄砲伝来の地」として有名です。

門倉岬に向かう道の途中に「ポルトガル人上陸の地」へ向かう階段があります。

赤枠で囲ったこの道です。2025年3月現在、上陸の地はGoogleMapに登録されていません。

階段はこんな感じ。

階段の手すりは崩壊しており、GoogleMapに載っていないこともあり、ここを訪れる観光客はそれほどいないのでしょうか。

階段を下りた先に「鐡砲傳来 葡国人上陸之地」と書かれた石碑がありました。日本近海で台風に遭ったポルトガル船(南蛮船)が、この地に漂着したのは1543年8月のこと。漂着した船の船員らは、海賊ではない証として、領主・種子島時尭に火砲(鉄砲)を献上したのでした。また、この時に鉄砲の製造方法も伝授されたそうです。

ということで、種子島最南端・門倉岬に到着。
種子島最南端・門倉岬

「種子島最南端の地」と刻まれた石碑だけでなく…

1921年に作られた「鉄砲伝来紀功碑」もあります。種子島が鉄砲の伝来の地であることは有名ですが、これがヨーロッパ人の日本初上陸であり、西洋文化と日本文化が初めて接触した出来事であるという点はあまり知られていません。

この海岸沿いに、先ほどの「鐡砲傳来 葡国人上陸之地」の石碑があります。つまりこの景色が、ヨーロッパ人が初めて見た日本の景色と言えるでしょう。

門倉岬一帯は御崎神社として整備されています。鳥居の前に銃を構えた人物の像があるという、なかなか過激な配置です。

こちらが船の形をした展望台。

展望台から見た東側の景色。弧を描く海岸線の先端にあるのが宇宙センターです。また、こちらが太平洋側となります。

一方、西側には見えているのは東シナ海と屋久島の山々。

神社にはおみくじもありました。

観光客向けの「幸せの鐘」的なものも設置されています。時刻は16時。そろそろ日没で、海に沈む夕陽が見られるかもしれませんが、寄り道したい場所があるので、門倉岬の観光はここまで。
実は農業の島
1543年の鉄砲伝来と同時に、種子島にはホルスタイン系の乳牛が伝えられたとも言われています。

こちらは西之表市にある「南日本酪農協同株式会社種子島工場」。本格的な酪農は明治時代から行われており、この工場は現在、島内の生乳集約施設として稼働しているそうです。
■ 参考:4

ここまでサトウキビや安納いも、稲作、酪農と紹介してきましたが、やはり種子島では農業に従事している人が最も多いことが分かります。JAXA職員の方は公務員ではないので、恐らく「学術研究、専門・技術サービス業」に分類されるのでしょう。
お土産その1. 宇宙への始発駅 天空のパラダイス

門倉岬から南種子町の中心街にある「宇宙への始発駅 天空のパラダイス」にやって来ました。

駐車場には「宇宙ロマン街道 一号線」と書かれたロケットの模型が置かれています。

なるほど。島間港で陸揚げされたロケットは、この道を通って宇宙センターへ運ばれるようです。

南種子町漁業が管理・運営していると思われる施設ですが、宇宙センターについての展示も豊富です。

こちらは種子島宇宙センターの年表。

宇宙系のお土産や…

オリジナルの焼酎も販売されていました。

さらに、「宇宙船ストア」と書かれたお部屋にあったのは…

戦艦陸奥の舷窓?戦艦陸奥と種子島は特に関係性が無さそうなので、なぜここで展示されているのかは不明です。
お土産その2. 観光物産館 トンミー市場

続いてやって来たのは、天空のパラダイスから車で3分ほど走った場所にある観光物産館「トンミー市場」です。

ここでは安納いもをはじめ、種子島で栽培された農作物等を購入することが出来ます。

なお、奄美や沖縄からイモ類をお土産にすることは出来ませんが、種子島は問題ありません。宅配便で発送することも出来ます。

こちらは安納いもを使ったいも天。天ぷらと書かれていますが、色と形的に、恐らく安納いもが入った砂糖天ぷら(サーターアンダギー)でしょう。

JALのファーストクラスに採用されたという、安納芋のお菓子も販売されていました。

そしてもちろん宇宙グッズも。

記念撮影用の宇宙服パネルもありました(笑)
南種子町から西之表へ
最後に宝満神社からのルートはこんな感じ。

国道58号線で西之表市街地へと戻ります。

その途中にも「芋の駅 安納芋販売所」がありましたが、こちらは営業しておらず。

安納いもが入っていたと思われるケースが、壁のように積み上げられていました。

西之表市街地には18時過ぎに到着し、無事レンタカーを返却。夕食は宿に併設されているお店で海鮮丼と安納芋の焼酎を頂きました。翌日は早朝のフェリーはいびすかすに乗船し、屋久島へ向かいます。
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今回はここまで。本日もありがとうございました。
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