移動手段は徒歩と村営バス!小笠原諸島・父島をお得に楽しむ1日観光|2023 旅行記4

島旅

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今回は「2023年 小笠原諸島旅行記」その7をお届けします。

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小笠原諸島・父島を1日観光

朝食

2023年7月2日、この日は小笠原諸島・父島の民宿「シートピア」さんからスタート。1日かけて父島を観光します。まずは9時に小笠原村役場で婚姻届を提出した後、次の目的地までは徒歩で移動。

その途中にあった道路標識がこちら。通常、国道に用いられる『おにぎりの標識』に「都道」「村道」と書かれているのは、日本でここだけでしょう。

そして、父島島民に愛されるパン屋さん「ローカルベーカリー」に到着。ここでは昼食用のパンをゲット。父島で飲食店やスーパーがあるのは港周辺だけです。

ローカルベーカリーの次は『海軍墓地』。パンフレットなどで紹介されることもないため、観光で訪れる人は少ないスポットでしょう。しかし、小笠原諸島を知る上で、「戦争の歴史」を欠かすことは出来ません。

海軍とは、太平洋戦争で父島に配置された旧日本海軍のこと。父島では硫黄島のような地上戦は無かったものの、米軍による空襲は複数回行われ、多くの方が犠牲になっています(空襲による犠牲者数についての資料は見つからず)。

■ 参考:小笠原と戦争の歴史

海軍墓地にあったのは「大東亜戦争海軍戦没将兵之碑」。島内には今も自然と同化した戦跡が残されており、それらを巡るガイドツアーも人気です。父島は日本で一番『ガイド付き戦跡ツアーが盛んな場所』かもしれません。

移動手段は徒歩と村営バス

海軍墓地のそばにあるバス停「奥村」やって来ました。時刻は11時前。ここからは村営バスに乗車し、島の南部にある小港海岸へと移動します。

島内を走るバスは3路線。8時から18時まで、1時間~2時間おきに運行されており、料金は1回の乗車につき200円。バス車内で買える1日自由乗車券は500円で、扇浦線は乗降自由区間もあるため、島内観光には便利です。

定刻通り、品川ナンバーのバスがやって来ました。運転手さんの制服はアロハシャツです。

乗客は少なめ。右手に二見湾の海を見ながら父島を南下します。

15分ほどで村営バスの終点「小港海岸」に到着。

バス停からは遊歩道を15分ほど歩いて「中山峠」にやって来ました。父島を代表する絶景スポットのひとつで、眼下に見えているのが「小港海岸」です。

遊歩道はこの先も続いており、2時間ほど歩いた先に「ジョンビーチ」もありますが、今回はここで折り返し。中山峠にあるベンチに座り、昼食にローカルベーカリーのパンを食べました。

ちなみにこちらは遊歩道にあった看板。銃器によるノヤギ排除作業のため、遊歩道が通行止めになる日があるようです。

この日も海軍墓地付近でノヤギを見かけました。可愛らしい見た目で、人間を攻撃することもありませんが、島の貴重な植物を食べてしまうため、駆除の対象となっています。なお、ヤギはもともと小笠原にはおらず、戦前に人為的に持ち込まれた生き物です。

小笠原コーヒーを飲む

中山峠を下り、小港海岸から歩いてやって来たのはUSK COFFEE。ここでは小笠原で栽培された貴重なコーヒーを飲むことが出来ます。

店内はこんな感じ。7月上旬の屋外ですが、エアコンや扇風機が無くても、こうした木陰では気持ちよく過ごせます。

そして、周囲を囲む木々の中にコーヒーがありました。この果実の中にある種がコーヒー豆となります。

■ 参考:国産コーヒーの栽培について

もちろん注文するのは小笠原産のコーヒー「ボニンアイランド」。

すっきりとしていて、飲みやすい印象を受けました。ネットの口コミでは「まろやか」という表現も見られます。また、一緒に注文したのは手作りのモモタマナクッキーです。

こちらがUSK COFFEEに置かれていたモモタマナの果実。沖縄でもあちこちで見かける木ですが、初めて食べました。ほんのり甘く、他で商品化されていないのが不思議なくらい美味しかったです。

試食としていただいたモモタマナバターも美味しく、こちらはお土産用に購入しました。

そして、もうひとつUSK COFFEEで購入したお土産がこちら。モンステラの果実です。

モンステラは観葉植物や絵柄として色々な場所で見かける、南国を象徴する植物だと思います。しかし、その果実が食べられることは全く知られていません。むしろ、完熟前の果肉には毒もあるようです。

購入から約1週間後の様子

完熟するとポロポロと皮が剥がれるので、その皮に付いた果肉を冷やして食べます。どんな味がするのかも知らず、完全にネタとして購入しましたが、なんと衝撃の美味しさ。バナナの甘さがより爽やかになったような感じです。

見学無料!お得に楽しめる施設

USK COFFEEで一休みしてからは再び歩きます。次の目的地は小笠原支庁亜熱帯農業センターです。

その途中、道端にも大きなコーヒーの木々(写真左)がありました。この景色は他の国産コーヒー産地である沖縄や徳之島では見られません。

小笠原支庁亜熱帯農業センター

亜熱帯農業センターは無料で見学出来る東京都の施設。熱帯・亜熱帯作物の導入・育成と生産技術の開発等の試験研究が行われており、小笠原ならではの植物(作物)等が展示されています。

東京都の施設ということで、元東京都知事である石原氏が植樹したと思われるヤシの木がありました。なお、その後の猪瀬知事や小池知事の木々は見当たらず。

小笠原の固有種には「オガサワラ」や「ムニン」という名称が付くのが一般的です。また、分布が『父・兄・弟・母』と書かれていても、小笠原諸島に父島・兄島・弟島・母島があることを知らなければ意味が分からないでしょう。

もちろんコーヒーノキもありました。

続いてはサウナ状態になったビニールハウスの中へ。様々な種類のパッションフルーツが並んでいました。

ハウスに展示されていた小笠原における農産物総生産額(2017年度)によると、パッションフルーツの生産額が全体の半分を占めているようです。東京都のパッションフルーツ生産量も全国3位となっています。

小笠原レモンについての紹介パネルもありました。1940年にミクロネシアから八丈島へ導入され、1973年に父島へ持ち込まれた苗木がルーツとのこと。「島レモン」という愛称で親しまれています。

こちらは集落付近の空き地で育っていた島レモン。なお、果実そのものはあまり見かけず、お菓子や飲み物等に加工されて流通している印象です。

島レモンよりも見かけないのがマンゴー。「島マンゴー」というような愛称も聞いたことがなかったので、小笠原でマンゴーが生産されていることを初めて知りました。

「森のアイスクリーム」ことアテモヤもマンゴーと同様、販売されているのを見たことがありません。

一方、カカオは最近『東京カカオプロジェクト』により知名度を高めています。数量限定で「キットカット ミニ 東京カカオ」も販売されました。

ビニールハウスから再び外へ。サトウキビが展示されていました。戦前は小笠原でもサトウキビ栽培が行われており、現在もサトウキビから作られた「ラム酒」は名物です。なお、島を歩いていても、沖縄のようなサトウキビ畑を見かけることはありません。

パイナップルも露地で育っていました。商業的な生産は行われていませんが、育てようと思えば育つのでしょう。

無料の施設にも関わらず、私以外の観光客はゼロ。独り占め状態で楽しむことが出来ましたが暑い… 休憩施設や自販機は無いので、暑い日は見学に夢中になりすぎないよう注意した方がいいかもしれません。

小笠原水産センター

ということで、暑さでヘロヘロになった状態でバス停へ。農業センターから港周辺へ戻ります。

バスは定刻通りやって来ました。

そして「清瀬交差点」で降車し、続いての観光スポットは小笠原水産センター。こちらもまた東京都の施設で見学は無料。漁業活動を支援し、小笠原の産業を活性化させるための調査・研究を行っているそうです。

ウミガメを見ることが出来たり、小笠原の海を再現した水族館があったりしますが、水産センターの名物は「アカバの歯磨き」です。

この歯ブラシをアカバ(アカハタ)に近づけると…

気まぐれでアカバさんが口を開けてくれるので、歯磨きのようなことをすることが出来ます。二見港からも近いので、暇つぶしにおすすめです。

水産センターから歩き、おがさわら丸が停泊する二見港に到着。

そのまま近くのJA農産物観光直売所でお土産選び。島内に工場が無いこともあり、小笠原のお土産は少々クオリティが低いですが、ここなら島の農産物を使ったジャムやお菓子などが販売されているので安心です。コーヒーの苗木も販売されていました。

この日最後は宿で海パンに着替えて、青灯台から海へダイブ。徒歩と村営バス&無料の施設でお得に父島観光を楽しむことが出来ました。

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今回はここまで。本日もありがとうございました。

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