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今回は「2022年 与路島・請島旅行記」その7をお届けします。
★前回の記事は こちら ★
請島・池地集落を歩く
2022年8月13日の朝7時半過ぎ、奄美の秘境・請島に上陸しました。
請島の周囲は24.8km。島内には2つの集落(池地・請阿室)があり、両集落を繋ぐ道はありますが、島を1周する道路はありません。
15時25分に請阿室港を出港するフェリーせとなみに乗船するので、それまで約8時間、請島を歩いて観光します。
まずは島の西側にある池地集落を散策。
建物の多くはサンゴの石垣ではなく、高度経済成長期以降に作られたと思われるブロック塀に囲まれています。
一方で、人通りが少なそうな場所にサンゴの石垣がありました。与路島の石垣とは違い、草に覆われていることから復元・保存されたものではないでしょう。かなり古いものだと思われます。
ハブ棒もありました。
こちらはブロック塀とサンゴの石垣とハブ棒。請島・与路島を象徴する景色と言えるでしょう。
こちらの通りは、ブロック塀と「フクギ」が壁のような役割を果たしています。
■ 参考:渡名喜島のフクギ並木集落を歩く
与路島には観光協会がありますが、請島には無く、島についての情報は極めて少ない印象です。与路島の高齢化率が41.4%であるのに対し、請島は64.9%であることも影響しているでしょう。
なお、電波(Yモバイル)は繋がりました。
ソテツ栽培が盛ん?請島の人口と産業
1955年の請島には1,100人以上が暮らしていたようですが、2020年の国勢調査による人口は77名。そのうち池地集落には42名が暮らしてます。
こちらは島で唯一の郵便局。宿泊施設が1軒、商店も1軒あるようです。
こちらが商店でしょうか。クロネコヤマトの宅急便を発送することが出来るようです。
公民館の前には与路島同様、立派な土俵が置かれていました。
集落の狭い道を走ることが出来るように、消防車は軽トラックを改造したものです。
こちらはもともと牛舎だったのでしょう。
ここにも牛舎の跡がありました。かつては畜産が盛んだったようです。与路ー古仁屋航路改善計画策定調査報告書の中で、池地区長・請阿室区長ともに「年金生活の人がほとんど」と答えています。
こちらは集落から少し離れた場所にあったソテツ畑。
与路島や請島は昔からソテツ栽培が盛んで、お米の代わりにソテツから採れるでんぷんを材料にした「ナリがゆ」を食べていた時代もありました。瀬戸内町の「町の木」もまたソテツです。
お米が流通すると、株は韓国や中国に輸出され、ソテツの数が減少。所有者も手入れせず放置するようになりましたが、現在は伊藤忠商事が請島で栽培されたソテツの実を買い取り、世界の砂漠で使用されているそうです。
■ 参考:1
■ 参考:2
ただ、「農業、林業」に従事している方は2名だけ。与路島と同様に、請島も「教育、学習支援業」に従事している方が最も多くなっています。
その背景にあるのは池地小中学校。池地集落の外れにある請島唯一の学校です。1897年に開校し、ピーク時の1951年には児童生徒270名が在籍したそうですが、令和6年度は2名だけが通っています。
■ 参考:池地小中学校のブログ
池地集落から請阿室集落へ
池地集落の散策はここまで。
ここからは山を越えて、約3km先の請阿室集落を目指して歩きます。島内を走るバスやレンタカー、レンタサイクルなどは当然ありません。
こちらが少し離れた場所からみた池地集落。背後にそびえるのは「請島大山ミヨチョン岳(標高398m)」で、貴重な野生動植物が多いことから、事前の入山申請が必要となっています。
貴重な野生動植物のひとつが「ウケユリ」。5月下旬から6月中旬に咲く島を代表する花で、江戸時代から花の香りや美しさが評判だったようです。現在は環境省のレッドリストで絶滅の危険性が極めて高い「IA類」に分類されています。
奄美群島屈指の絶景!
道路沿いにコンクリートブロックが置かれていました。
そこからの景色がこちら。ミニ展望台のようになっており、美しい海の景色が広がっていました。
道路沿いからも、木々の切れ間から絶景を見ることが出来ます。
「クンマ海岸」という看板があったので行ってみることに。
海岸へと続く階段を降りると…
遠浅の美しい海がありました。
海で泳ぐ人や海岸で休んでいる人もいません。この絶景を独り占めしながらしばし休憩。
再び山道を歩きます。なお、与路島にも請島にも自動販売機が無いので、水分不足には十分注意しなければなりません。
こちらもまた道路沿いからの景色。
奄美群島でも屈指の絶景と言えるでしょう。
普通に歩いているだけでも絶景の連続です。
ヘリポート展望台からの景色がおすすめ
9時半過ぎ、「ヘリポート展望台」に到着しました。ここが池地集落と請阿室集落のほぼ中間地点です。
こちらがヘリポート?
ではありませんでした。この道を歩いた先に…
ヘリポートがありました。緊急時に利用されるのでしょう。
展望台があるのはさらにその先です。
個人的にはここからの景色が与路島・請島で一番綺麗だなと思います。
その景色がこちら。このスケール感は、写真ではなかなか伝わりません。
大自然に囲まれた美しい池地集落と池地港を見ることが出来ます。改めて、凄い場所に人が暮らしているんだなと実感させられます。
ヘリポート展望台には「幸福の鍵(¥200)」なるものが置かれていました。南海日日新聞の記事によると、2018年に設置された願掛けスポットのようです。
200円を入れて南京錠を取り出し…
恋や子宝の願いを込めた鍵を鎖に掛けて、叶ったら外すとのこと。なお、こうした説明文が掛かれた案内板などはありません。
請島を訪れたら、池地集落から請阿室集落まで歩くのがおすすめ。奄美大島・古仁屋からの日帰りも可能です。ここからは請阿室集落へと入っていきます。
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今回はここまで。本日もありがとうございました。
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