揺れる?指宿枕崎線の半日旅~JR日本最南端の駅・西大山駅と終着駅・枕崎駅へ|2023 旅行記

鹿児島県

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今回は「2023年 鹿児島 指宿枕崎線の半日旅」旅行記をお届けします。

鹿児島 指宿枕崎線の半日旅

2023年1月3日の朝4時半、鹿児島中央駅にやって来ました。

この日の午前中は、日本最南端のJR線・指宿枕崎線に乗車。JR日本最南端の駅「西大山駅」とJR線の終着駅「枕崎駅」を目指す半日旅です。

まずは4時48分発の山川行に乗車。

地図を見ると、指宿枕崎線は山川駅まで薩摩半島の東側、鹿児島湾沿いを走るようですが…

外の景色は全く見えず。正月三が日の早朝ということで、乗客もほとんどいません。

夜明け前の真っ暗な中を走り、6時2分、終点の山川駅に到着。ここが日本最南端の有人駅です。

山川駅では6時11分発の枕崎行に乗り換え。

日本最南端を走る1両編成の車内には、東京モノレールの中吊り広告がありました。

山川駅を出発してから、10分ほどでJR日本最南端の駅・西大山駅に到着。まずは一旦通過し、このまま終点の枕崎駅へと向かいます。

ようやく外が明るくなってきました。列車の後方に見えているのは、薩摩半島最南端にある開聞岳(標高924m)です。

揺れることで有名な路線

動画を見ての通り、それにしてもこの列車、よく揺れます。指宿枕崎線の揺れが激しいことはネットでも有名です。果たして列車が古いのか、線路が古いのか…

https://www.digital.archives.go.jp/img/144683

指宿枕崎線は改正鉄道敷設法(1922年公布)の別表第127号で定められた「鹿児島縣鹿児島附近ヨリ指宿、枕崎ヲ経テ加世田ニ至ル鐵道」の一部にあたります。

指宿枕崎線の路線図

1930年から1934年までに鹿児島中央(旧西鹿児島)駅ー指宿駅間で国鉄指宿線が開業。指宿駅ー枕崎駅間は私鉄の鹿児島南海鉄道が建設する予定でしたが、昭和恐慌などにより頓挫。その後、1936年に国鉄指宿線が山川駅まで延伸されました。

薩摩塩屋の開業も1963年

鹿児島中央駅ー枕崎駅間が全通したのは改正鉄道敷設法の公布から41年後のこと。結局、国鉄の路線として1960年に山川駅ー西頴娃(にしえい)駅間が、1963年に西頴娃駅ー枕崎駅間が開業し、路線名が「指宿枕崎線」に改称されました。つまり、指宿枕崎線は現在のJR線の中でも比較的新しい路線なのです。

JR線の終着駅 枕崎駅

枕崎駅にて

7時25分、指宿枕崎線の終点・枕崎駅に到着しました。

枕崎駅から先に線路は無く、ここが北海道・稚内駅から続くJR線の終着駅。その距離は約3099.5kmにもなります。ただ、かつてはこの先にも線路が続いていました

枕崎駅は指宿枕崎線の全通に先立ち、1931年に南薩鉄道の駅として開業した駅です。南薩鉄道は1914年に開通した伊集院(日置市)-加世田(南さつま市)を結ぶ路線で、1931年に枕崎まで延伸されました。

1963年に指宿枕崎線が開通するまで、枕崎へ向かう鉄道は薩摩半島の西側を通っていたのです。さらに、支線として阿多駅から知覧線、加世田駅から万世線もありました。

現在のいわさきグループの創業者・岩崎與八郎氏が南薩鉄道を買収したのは1952年のこと。その後、高度経済成長とともにモータリゼーションと沿線の過疎化が進み、1962年に万世線が廃止。経営難に陥っていた南薩鉄道は、大隅地区にバス路線を持つ「三州自動車株式会社」と合併し、1964年に「鹿児島交通株式会社」が誕生しました。

枕崎名物・カツオ

しかし、その1年後、水害によって知覧線が全線不通になると、そのまま路線は廃止。1970年代には、伊集院駅ー枕崎駅間(鹿児島交通枕崎線)も利用者が激減。最終的に枕崎線は、1983年の豪雨により一部区間で壊滅的な被害を受け、翌年に全線で廃止となりました。指宿枕崎線が枕崎駅に到達したのが1963年なので、薩摩半島を1周する鉄道が走っていたのはわずか10年間です。

枕崎駅での滞在時間は10分間のみ。一旦改札を出てから、再び乗ってきた電車(7時35分発 指宿行)に乗車します。

利用者が少ない赤字路線

白沢駅の時刻表

2025年3月現在、枕崎駅から鹿児島中央駅方面に向かう列車は1日6本のみ。南薩鉄道の利用者が減少し、路線経営が難しくなっていたタイミングで完成した指宿枕崎線の枕崎駅-山川駅間。沿線地域の誘致もあったようですが、それでも鉄道の利用者が少ないことは容易に想像出来ます。

鹿児島県の資料より

2023年の枕崎駅ー山川駅ー指宿駅間の平均通過人員は1日222名と、1987年に比べて76%減少。当然赤字路線です。2024年8月には、鹿児島県とJR九州、沿線の枕崎市・南九州市・指宿市などが、今後のあり方について話し合う検討会議も行われています。

RESASより

沿線3市の人口推移グラフがこちら。2020年の国勢調査における3市合計の人口は92,124人。2030年の将来人口推計も76,983名と、思っていたよりも人口は多い印象です。車社会であるが故、鉄道の利用者は少ないのでしょう。

■ 参考:最北の路線・宗谷本線の沿線人口

途中の西頴娃駅で列車を1本追い抜きました。向かいのホームに止まっているのは、西頴娃駅始発の列車。私は西大山駅で下車し、後からやって来るこの列車に乗ります。

車窓の左手に開聞岳が見えてくると、間もなく列車はJR日本最南端の駅・西大山駅に到着します。

JR日本最南端の駅 西大山駅を観光

8時36分、西大山駅に到着。西頴娃駅から指宿行きの列車が来るまで約30分、西大山駅を観光します。

緯度は北緯31度11分。薩摩半島の最南端・長崎鼻まで約4kmという場所に位置しています。

稚内駅(最北端)・東根室駅(最東端)・佐世保駅(最西端)には訪れたことがあるので、これでJRの端の駅を制覇しました。

■ 参考:日本最東端の駅 東根室駅へ

なお、沖縄本島を走る鉄道・ゆいレールの赤嶺駅が日本最南端の駅となるため、西大山駅は「JR 日本最南端の駅」です。

■ 参考:日本最南端の駅・沖縄の赤嶺駅へ

思い出ノートがありました。ノートを開いてみると、こんなコメントが…

「車で来る人多すぎ JRにお金が入らんじゃん 景色は最高でした」

そうなんです。西大山駅は鉄道の駅でありながらも、列車の本数が少ないため、観光客が鉄道で訪れる難易度は少々高いです。

駅前?というよりも、駅のホームに無料の駐車場が併設されています。そして無人駅のため、ホームへ立ち入るための入場券はありません。

枕崎方面の景色

私がいる間にも次々と車がやって来て、皆さんこの景色を撮影していました。しかし、これだとJRにお金が落ちないのです。ちなみに、今回私は青春18きっぷを利用しています。

西大山駅はこの地域の観光資源のひとつになっているようです。駐車場に置かれていた『幸せを届ける黄色いポスト』は、まさに観光客受けを狙ったものでしょう。

こちらの鐘は「幸せの鐘」と呼ばれているそうです。

駅前には「かいもん市場 久太郎」というお店があり、ここで私がゲットしたのは…

JR日本最南端の駅到着証明書(110円)。日付入りのスタンプも押してもらえます。他にもお土産や地元の農産物、はがき等が販売されている他、電動自転車の貸し出しも行っているそうです。

西大山駅から鹿児島中央駅へ

ということで、西大山駅の観光はここまで。

先ほど西頴娃駅で追い抜かした指宿行きの列車がやって来ました。私の前で写真を撮っている方も、車でやって来た方です。

9時11分、列車は何名かの観光客の方に見送られて西大山駅を出発。

終点の指宿駅で鹿児島中央行きの快速電車に乗り換え。

朝は暗くて全く景色が見えませんでしたが、帰りは車窓から鹿児島湾と桜島の景色を楽しむことが出来ました。

10時35分、鹿児島中央駅にやって来ました。これにて指宿枕崎線の旅は終了!この日は夜の船で種子島へと渡ります。

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今回はここまで。本日もありがとうございました。

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