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今回は「2024年 長崎&佐賀旅行記」その1をお届けします。
炭鉱で繁栄した有人島・池島(長崎県)に上陸
2024年5月4日の朝5時前、京成成田駅にやって来ました。この日の目的地は池島(長崎市)です。

5時02分発の京成線「成田空港行」に乗車。今回は早朝の飛行機に乗るため、成田駅近くのホテル(ミートイン成田)に前泊していました。
飛行機&特急&新幹線で長崎へ

空港第2ビル駅で列車を降りた後、第3ターミナルまで徒歩で移動。利用する飛行機は6時20分発のジェットスター「福岡行」。料金は1人7,140円でした。宿泊費は1人5,220円かかりましたが、ゴールデンウイーク期間中としては比較的安く移動できたと思います。なお、この便は東京都内から公共交通機関で当日朝に向かっても間に合わないため、千葉~成田エリアでの前泊が必要です。
■参考:成田空港は野宿も可能

福岡空港には8時15分に到着。定刻よりも10分早着となりました。空港からは地下鉄で博多駅に移動(所要時間5分)し、8時54分発の特急リレーかもめ13号に乗車。

駅の電光掲示板には「長崎行」と表示されていましたが、この特急列車は「武雄温泉行(佐賀県)」。武雄温泉駅で長崎行きの新幹線に乗り換えが必要なので、少々紛らわしいです。

ただ、切符には「新幹線自由席特急券 博多→長崎」と書かれているので、この特急列車も新幹線という扱いになるのでしょう。博多駅から長崎駅までの所要時間は約1時間40分、料金は5,528円。車内はそれほど混雑しておらず、発車直前の乗車でも、普通に座ることが出来ました。

こちらは車窓からの景色。「まだ5月なのに田んぼの稲が黄金色になっている…?」と思ったら、これは米ではなく麦でした。

佐賀平野では、以下のサイクルで米と麦の二毛作が行われており、佐賀県は日本一の耕地利用率を誇っています。
- 6月中下旬:田植え
- 9月下旬~10月下旬:稲刈り
- 11月中旬:小麦の種まき
- 11月下旬~12月上旬:大麦の種まき
- 翌年5月中下旬には大麦の収穫期
- 翌年5月下旬~6月中旬:小麦の収穫期
■参考:1

10時、武雄温泉駅に到着。長崎行きの西九州新幹線は隣のホームに停車しているので、乗り換えは楽です。

ということで、西九州新幹線かもめ13号に乗車。全長は約66kmで「日本一短い新幹線」とも呼ばれています。

一方で、建設費や維持費の負担をめぐって佐賀県とJR九州、長崎県の間で協議が難航しており、博多駅ー武雄温泉駅間の開通はいまだ見通しが立っていません。

引き続き自由席には座れたものの、特急リレーかもめに比べると乗車率はやや高めです。

列車は嬉野温泉駅、新大村駅、諫早駅に順に停車し、約30分で終点・長崎駅へ到着。全体の6割ほどがトンネル区間のため、車窓の景色はあまり楽しめません。
長崎駅から路線バスで神浦港へ
時刻は10時半になりました。目指している池島は、長崎市外海地区の沖合7kmに浮かぶ小さな島です。
長崎駅から池島行きの船が出ている神浦港までは路線バスで移動します。

11時06分発のさいかい交通「大瀬戸・板の浦行」に乗車したかったのですが、次々とバスがやって来るため、かなり難易度が高いです。バス停に止まるバスが渋滞しているため、時間通りにも来ません。

次々と到着するバスの行き先を必死に見分け、約10分遅れてやって来た目的の便に乗ることができました。神浦港までは1時間15分のバスの旅です。

こちらは長崎市の平和公園。長崎駅前の様子からも分かる通り、長崎市内の路線バスは複雑ですが、ジョルダンやGoogleMapの経路検索には対応しているので助かります。

12時半前、「神浦郵便局前」でバスを降りました。長崎駅前からここまでの料金は1,000円。途中で乗り換えが必要な便もあるようですが、私が利用した便はここまで1本で来ることができました。

それにしても、バスが古いのか、サスペンションが壊れているのか、運転が荒いのか、道が悪いのか分かりませんが、長崎駅前からここまでのバスは揺れに揺れたので、乗り物酔いをする人は酔い止め必須でしょう。

そして、海の向こうに見えている小さくもごつごつとした島が池島です。2001年に閉山した九州最後の炭鉱の島で、島内には現在も廃墟となった炭鉱関連施設が残り、炭鉱体験ツアー(2027年3月末で終了予定)も行われています。

こちらは神浦川。1990年度に環境庁が行った水質調査で、日本一の清流の一つに選定されたこともあるそうです。

バス停から10分ほど歩いて池島行きのフェリーが出る神浦港の待合室に到着。最近は池島の名前も知られるようになり、同じ長崎市の軍艦島同様、観光客で賑わっていると思っていましたが、そうではなさそうです。
■参考:軍艦島旅行記

乗船券はこちらの窓口で購入するようですが、まだフェリーの出港まで1時間近くあるため開いていません。

天気もいいので、港周辺を少々散策してみることに。こちらは漁協の直売所。長崎県の海は8区に分けられ、長崎市の西側~時津町~西海市は西彼海区と呼ばれています。

水槽の中から好きな魚を選んで購入するスタイルです。長崎県の魚種は250種以上で全国1位を誇り、こうした場所にも珍しい魚がいるのでしょう。

伊勢エビも大漁です。

港のそばにあったそとめベーカリーというパン屋さんで昼食をいただくことに。神浦港周辺で唯一の飲食店で、近くにはコンビニや商店もありません。

店内はこんな感じ。店内で飲食することができてコーヒーもあります。

港の待合室でゲットした池島ウォークマップを眺めながら、しばしのんびりと。GoogleMapによると、島の東側に位置する港から、歩いて行くことの出来る最西端までの距離は約2.2kmしかありません。そんな池島が軍艦島と大きく異なる点は有人島であるということです。
実はアクセスがいい?神浦港から船で池島へ
軍艦島は無人島であるため、定期船はなく、上陸にはツアー参加が必須ですが、これから私が乗船する船は定期船。予約は不要で、料金も470円(当時は420円でした)しかかかりません。

13時半頃、港に戻って来ると窓口が開いている…? 釣銭受け皿(正式名称:カルトン)が置かれている場所が少しだけ開いており、お相手の顔は見えない状態でやり取りします。

乗船券には「上陸券」がセットで付いていました。定期船は西海沿岸商船株式会社によって運航されていますが、船会社のホームページはありません(2025年10月現在)。こうしたところからも、池島は観光地されていない島であることが伺えます。

小さな待合室には、外海地区の人口と世帯数が書かれたボードがありました。このボードによると、2024年4月1日現在、池島には98人・74世帯が暮らしているようです。

こちらが神浦港と池島を結ぶフェリーかしま。1日2便運航されているフェリーに加えて、神浦港と池島の間では地域交通船「進栄丸」という漁船も運航されています。進栄丸の料金は370円とフェリーよりも安いです。

フェリーかしまのファンネルマークは「マルエー」。鹿児島県の船会社を彷彿させます。

船内はこんな感じ。この便の乗客はほとんどいませんでした。

13時46分、神浦港を出港。なぜ13時45分や14時など区切りのいい時間ではなく、46分発なのかは謎です。池島までは26分間の船旅となります。

見えている島は「松島(西海市)」という離島。なお、池島行きの船は神浦港だけでなく、松島の対岸に位置する「瀬戸港」からも出ており、この航路は1日5便運航されています。

さらに火曜日と金曜日には佐世保港と池島を結ぶ高速船の運航もあるため、池島と長崎本土を結ぶ船(フェリー&地域交通船&高速船)は1日に最大13便となるので、この便数だけを見るとアクセスのいい島です。

長崎市のホームページをもとに、池島の船の時刻表(火・金)をまとめるとこんな感じ。これだけ船の便数が多いのは、やはり炭鉱で繁栄した時代の名残なのでしょうか。一方で、本土側の神浦港・瀬戸港までが少々遠いので、知名度の割に観光客がそれほど多くないと考えられます。

池島は長崎本土に近く、さらに西側には五島列島の島々もあるため、海は穏やかです。船は全く揺れず、池島に到着しました。

時刻は14時10分。帰りは17時発の瀬戸行きのフェリーに乗船するため、それまで約3時間、池島を歩いて観光します。
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今回はここまで。本日もありがとうございました。
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