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今回は「2022年 与路島・請島旅行記」その8をお届けします。
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請島 請阿室集落を歩いて散策
2022年8月13日、奄美群島のひとつ・請島に上陸し、池地集落から請阿室集落を目指して歩いています。
ヘリポート展望台から先は下り坂。この先が請阿室集落です。
真っ赤な鳥居が現れました。こちらは「きゅらじま神社」。請阿室集落に神社が無いことから、大阪出身で鳥越電設の社長・中本守氏によって、2003年に建立された比較的新しい神社です。池地集落にも神社は無さそうでなので、請島唯一の神社となっています。
「きゅら」は奄美の方言で「美しい」の意味。太陽神・天照大神が祀られており、様々なご利益があるようです。ただ、国土地理院地図を見ると、この場所に神社の地図記号はありません。
きゅら島神社からは、海と山に囲まれた請阿室集落を見下ろすことが出来ます。令和時代の集落とは思えない景色です。
ということで、集落へと下りてきました。
時刻は10時半。船の時間まで6時間半ほどあるので、まずは集落内を散策してみます。
ここでは畜産や畑作が行われていそうな雰囲気ですが、詳細は分かりません。1980年代後半は畑のほとんどがニンニク畑だったそうです。
池地集落と同様、多くの家はコンクリートブロックに囲まれています。
こちらはハブ棒でしょうか。ここまで見て来たハブ棒は木製でしたが、アルミ製?鉄製?の棒が立て掛けられていました。
廃墟が多い
そして、請阿室集落を歩いていて目立ったのは「廃墟」です。2020年の国勢調査によると、請阿室の高齢化率は74.2%と、与路や池地よりも高い割合となっています。
かつてはここにも民家があったのでしょう。現在は草が生い茂り、崩れかけたサンゴの石垣だけが残されています。
請阿室集落に廃墟が多い明確な理由は分かりません。ただ、国勢調査の小地域区分に「与路」が登場するのは2010年から、「池地」が登場するのは2020年から。それまで与路島・請島は「請阿室」に集約されていました。
今までは請阿室が中心的な役割を果たしていたのでしょう。集落の人口も多かった分、急激な人口減少と高齢化が進んだことで、廃墟が多くなっていると考えられます。
こちらは「ひんぷん」でしょうか。ひんぷんは沖縄の古民家で見られる目隠しの塀。屋敷の内と外の仕切りとしてだけでなく、魔除けの意味もあると言われていますが、その向こうに民家はありません。
■ 参考:1
サンゴの石垣の間に置かれた「スイジガイ」も、沖縄や奄美の家々に見られるお守りです。
請阿室公民館には、奄美名物・土俵の跡らしきものが残されていました。
かつてはこうした遊具で遊ぶ子供たちもいたのでしょう。
集落を歩いている人は誰もいません。
古い家や廃墟が多い集落に、綺麗な庭付きの近代的な家がありました。こちらはノエビア請島亜熱帯植物研究所。ただ、ネットで調べても情報は出てきません。
地図に無い道を歩く
まだまだ帰りの船まで時間があるので、ここからは集落を離れて、「石川道」と書かれた道を歩いてみます。
舗装されていますが、GoogleMapにも国土地理院地図にも、石川道は表示されていないので、どこまで道が続いているのか分かりません(笑)
この辺りはかつて畑がだったのでしょう。
小さな川も流れていました。
この場所は牛舎だったのでしょうか。牛の姿は無く、軽トラックごと放置されています。
雑草に覆われたゲート(写真右)らしきものがありました。道路には側溝もあり、恐らくイノシシが集落へ入って来るのを防ぐために設置されたものです。
未舗装の山道になりました。
たまにイノシシと思われる足音と声も聞こえてくるので、警戒しながら歩きます。
周囲24.8kmの離島とは思えない山の景色です。
久しぶりに海の景色が広がりました。どうやら道は海岸へと続いているようです。
なんとここで後方から軽トラックがやって来て、私を追い越していきました。立地の割にやたら歩きやすいなと思っていたら、日常的に使われている道のようです。
木山島が見える海岸に到着
集落から歩くこと約30分、海岸に到着しました。海の向こうに見えるのは木山島(無人島)。かつては航海安全を祈願する聖地だったそうです。
干潮時は歩いて渡ることが出来ることに加えて、水もあるため、牧場(放牧)をやっていた時代もあったとのこと。これだけ海水があると上陸は難しそうです。
■ 参考:2
山道を歩いて来たので、海辺でのんびりと…したいところでしたが、日差しを遮るものが無いので、そうした時間を過ごすことは出来ず。足だけ少し海に入り、早々に引き返します。
ちなみに、海岸の場所はこんな感じ。軽トラックの方もこの海岸で何か作業をしていました。
滞在時間10時間 日帰り請島の旅
帰り道もイノシシに警戒しながら、無事集落に戻って来ました。
時刻は13時過ぎ。帰りの船までは4時間近くあります。朝から請島を歩き続けて、持参していた水分は飲み干し、さすがに喉が渇きました。
なんと…請阿室商店はお盆休み。自動販売機はありません。水分無しで真夏の島をこれ以上歩くのは危険です。
ということで、午後は港周辺でのんびり過ごし、体力を温存することにしました。
今回の滞在時間は約10時間。日帰りの島旅で、こうした時間を過ごすことが出来るのは贅沢かもしれません。
海の絶景や昔ながらの集落など、見るべきものは見たと思います。
身体が火照ってきたら足だけ海に入り、海水で顔を洗ったりしていました。
前日は与路島で海へ飛び込みましたが、ここは集落に近いので止めておきます(着替える場所が無い)。
15時半、ついにフェリーせとなみがやって来ました。しかし、この船は見送ります。
与路島で折り返し、約1時間半後に再び請阿室へやって来る船で古仁屋へと帰ります。
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今回はここまで。本日もありがとうございました。
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