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今回は「2022年 夏 宮城県の島旅」旅行記その3をお届けします。
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日本三景・松島にある浦戸小中学校
2022年7月16日、浦戸諸島(宮城県)のひとつ・寒風沢島を歩いています。
塩竈市立浦戸第一小学校にやって来ました。この学校は2003年に廃校。現在、島の子供たちは野々島にある浦戸小中学校に通っています。
とは言っても、2020年の国勢調査によると、浦戸4島に住む小中学校年代の子供は1人だけ。その子は桂島に住んでいるようなので、寒風沢島から浦戸小中学校に通っている子供はいません。
錆び付いたポストと、「1974年12月建立」と刻まれた百周年記念の石碑が置かれていました。ということは、学校の設立は1874年(明治7年)。塩竈市立第一小学校のホームページによると、明治時代の浦戸諸島には5つの小学校があったようです。
浦戸第一小学校が廃校になった当時、在籍していた3名の生徒は桂島の浦戸第二小学校へ通うことになりましたが、第二小学校の生徒も20名程度。生徒数の増加も見込めないことから、2005年に第二小学校は野々島の浦戸中学校へ併設され、2015年から小中一貫校となりました。日本三景・松島に公立の小中一貫校があることは全く知られていません。
廃校となった浦戸第一小学校の施設は大規模な改修が行われ、寒風沢島ステイステーションとしてリニューアルオープン。塩竈市のホームページでは、浦戸諸島の浅海漁業(のりやかきの養殖漁業等)や農業の後継者、将来の島づくりの担い手を育成することを目的とした施設と紹介されています。
また、島体験や研修活動等での短期間の利用、島の方々の交流の場所としても利用することが出来るようですが、旅行者も宿として利用出来るのでしょうか。
無料の渡し船で寒風沢島から野々島へ
続いては、寒風沢島から野々島にある浦戸小中学校へ行ってみます。
寒風沢島と野々島の間は直線で200m。GoogleMapには道のようなものも書かれていますが、実際には島と島を繋ぐ道はありません。
ここで利用するのは渡し船です!
渡し船で到着する場所から、定期船が出る野々島桟橋までの距離は1.2km。ちょうど野々島を東から西へ横断して歩く形になるので、効率よく巡ることが出来るのです。
そして、この渡し船は無料。平日は7時30分から16時30分、土日祝日は8時30分から16時30分まで運航しており、パンフレットに記載されている携帯に電話をすると船が来てくれる仕組みです。
この時は偶然出港の準備をしていた渡し船が居たので、声をかけて便乗。荒天時などは運航を見合わせるということですが、当日の運航情報は発信されていないので、事前に確認はしていました。
小さな漁船の船首部分に乗せてもらうような感じで、野々島には乗船からほんの数分で到着。他にも浦戸諸島では寒風沢島~朴島間・野々島桟橋~石浜桟橋間で無料渡船が運航されています。
■ 参考:無料渡船について
児童も教職員も船で通う
野々島渡船場にあった年季の入った看板には、現在地のすぐそばに「浦戸中学校」と書かれています。2005年に浦戸第二小学校が浦戸中学校へ併設されたのを機に、小中学校ともに宮城県で初めて、学区外からの転入を認める小規模特認校制度を導入しました。
その結果、島の人口減少に反して浦戸小中学校の児童生徒数は増加。令和6年は小中合わせた児童数は40名。浦戸小中学校のホームページを見ても、在籍している児童生徒はほぼ全員島外から通学しているそうです。
■ 参考:1
子供たちはマリンゲート塩釜を7時15分に出港する船で教職員と一緒に登校。およそ30分の乗船時間で勉強する船勉(ふなべん)も習慣化しているとか。そして、野々島桟橋到着後は、島の東にあるこの学校まで約1.2km歩いて通学。それでも遠方から島の学校へ通う理由のひとつには「浦戸探求科」という、この学校独自の授業もあるようです。
■ 参考:2
浦戸科は総合学習と特別学習および生活科の一部内容を再編した教科。島の砂浜でアサリを採取したり、海で夏にはカヌーを体験したり、冬にはカキむきやのりすきをしたりと、地域の資源を活用した学びの場が提供されています。
これらの体験の先生となるのは島の皆さん。通称「学校支援隊」と呼ばれており、浦戸科は島の皆さんの生きがいにもなっているようです。
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今回はここまで。本日もありがとうございました。
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