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今回は2016年「トカラ列島旅行記」その5をお届けします。
★前回の記事★
地震発生
半日かけて宝島を1周することが出来ました。

こちらがこの日の宿「宝コーラル・ビーチ 夢ハウス」、いや、正確には宿ではなく、使われていない海の家に泊まります。
コンセントも調理器具もあり、さらに畳もあったので、この日は畳の上で寝袋を引いて寝ました。ただ、シャワーは屋外、しかも水だったので、冬の寒い夜にはなかなか厳しいものでした。

夕食は持参していたカップラーメンと、黒糖焼酎「れんと(熱燗)」。お酒も飲んで、何より前日は持久走大会、この日は島を1周歩いたということで、もうフラフラの状態。
そして翌日の船も朝6時。

さっさと寝ようとしたところ、海のほうから「ゴォォーッ」という音が聞こえて、その数秒後、ガガッと建物が揺れました。
地震です。
1回の揺れはガガッの一瞬ですが、これが何度も続くので、スマホを確認すると、ヤフーニュースのトップに「トカラ列島近海で地震相次ぐ」と出ていました。
トカラ列島で地震が多い理由
トカラ列島周辺は地震が多い地域です。

東には、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に潜り込むことで出来た「琉球海溝」があります。

一方西側では、沖縄トラフ(海底盆地)が東西に拡大しており、こうした海溝とトラフの相互作用によって、悪石島と小宝島の間の水深は1000mを超え、トカラギャップと言われています。

何らかの作用によって、トカラギャップに沈降を起こす断層が生じると、それと同時に横ずれ断層型の群発地震が発生すると考えられています。
ちなみにネットでは、トカラ列島での群発地震が発生すると、日本列島で大きな地震が発生するという「トカラの法則」が噂されていますが、これに科学的根拠は無いそうです。

悪石島には、東京大学地震研究所のアンテナと、鹿児島大学の地震観測点も設置されていました。

また、トカラ列島の地震は、火山噴火との関連も危惧されています。トカラ列島には口之島、中之島、諏訪之瀬島に活火山があり、悪石島も火山島です。

さらに、約150km北方には、「鬼界カルデラ(薩摩硫黄島)」があり、この火山で起きた約7300年前の噴火と、そこから発生した火砕流は、南九州縄文文化を壊滅させたとも言われています
★参考:薩摩硫黄島旅行記★
ひと晩で25回の地震を観測
このとき泊まっていたのは「海の家」ということで、もちろん海は目の前。

こちらは後日発表された気象庁の資料。12月8日夜から9日未明にかけて、25回、震度1以上の地震が発生していたようです。
津波の可能性も考えて、避難した方がいいのか本気で迷いましたが、もう歩く気力が残っておらず、そのまま寝てしまいました。
疲れの影響もあり、しっかり寝て、何事もなく朝を迎えることが出来ました。
しかし、何事もなかったのは私がいる宝島の話で、ソロモン諸島では9日2時半過ぎに大地震が発生していたようです。

写真の記事では「津波の被害の心配はありません」と書かれていますが、念のため東海汽船の運航状況を確認すると、その日の船は全便一時運航見合わせとなっていました・
なぜ、東海汽船の運航状況を確認したのかというと、当時はまだ、フェリーとしまの最新の運航状況を知る術がなかったのです。
★現在は十島村ホームページで知ることが出来ます★

とりあえず港へ向かいました。そして、暗くて全く何だか分からない写真ですが、フェリーとしまは定刻通り、宝島にやってきました。

この日はお隣の小宝島に上陸します。少しずつ明るくなる空の下、静かな海を進む船に乗っていると、何だか大航海をしているような、そんな気分になってきます。

船内のスタッフの方に「地震・津波の影響とかないんですか」と確認してみると、「え、何のことでしょうか?」というまさかのお返事。
さすがは日本最後の秘境を支える航路。心配は不要でした。
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今回はここまで。本日もありがとうございました。
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