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今回は【2020年→2021年 年末年始の旅】旅行記その8をお届けします。
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抜海駅から歩いて抜海漁港へ
旭川から宗谷本線に乗車し、終点・稚内の2つ手前「抜海駅(稚内市)」で列車を降りました。
ネット上の噂によると、駅から2.5kmほど歩いた先にある抜海漁港で、冬の時期、越冬で訪れているゴマフアザラシの大群を見ることが出来るようです。

抜海駅は2021年春で廃止になる予定でしたが、町内会が声を上げ、何とか存続が決まりました。アザラシがいるのは冬の時期だけ。路線バスはなく、駅前にタクシーがいるわけでもありません。雪道を運転出来れば、抜海漁港まで車で行くことも出来ますが、そうでない場合、抜海駅が無くなると、野生のアザラシを見に行くのは困難になります。

抜海駅や宗谷本線はいつ廃止になってしまうか分かりません。「駅から雪道を歩いて、アザラシを見に行った」ということも、きっと貴重な体験になるはず。

スマホを確認するために手袋を外すと、手がビリビリと痛くなるような寒さ。そして、歩きながら恐れていたのが、「ホワイトアウト」という地吹雪で前が見えなくなる現象です。

抜海駅到着前、入念に天気予報を確認し、天候が急変する可能性が低かったので、駅から歩いてアザラシを見に行くことに決めました。海は荒れて、刺すように冷たい風が吹いていますが、雲の切れ間から青空も見えています。

ホワイトアウトに遭遇すると、方向感覚が失われるため、事故や寒さなどで死に至る可能性もあります。たかが2.5kmですが、されど2.5kmです。道道106号線を歩きます。

歩いている人は誰もおらず、歩道の除雪はされていません。ただ、車はたまに通るので、雪の上を普通のスニーカーで歩いていたら、足の感覚はあっという間に無くなりました。

こちらは抜海小中学校。1899年に開校した学校で、ドラマのロケにも使われたことがあるそうです。外観は綺麗ですが、2007年から閉校となっています。
野生のゴマフアザラシがいる抜海港

駅から20分ほど歩いて、抜海の集落に入りました。

知る人ぞ知る宿「ばっかす」もここにありますが、コンビニや商店、カフェなどはありません。

抜海漁港に到着。漁港は結構広く、さらに相手は野生の生き物。果たして見つけることは出来るのでしょうか。

漁港の入口から海沿いまでは道なき道を歩きます。雪の上に足跡があったので、「ここは歩いても大丈夫」と分かりましたが、もしこの足跡が無かったら、これ以上先へ行くのは諦めていたと思います。

それでも膝くらいまで埋まる雪道を抜けて、海沿いに出ました。

オホーツク海の荒波の向こうに見えているのは稚内半島。先端にはノシャップ岬があるります。写真をよく見ると、なかなかの波の高さ。そしてまだ、アザラシの姿はありません。
アザラシの場所はグーグルマップに
「漁港のどこにアザラシがいるのか」について、ヒントはGoogleMapにあります。
抜海漁港の先端に「ゴマフアザラシの越冬」と書かれたポイントと、そこまでの道もあるので、まずはこのポイントを目指してみることに。

こちらのQRコードを読み込むと、GoogleMapで現在地から抜海漁港のアザラシポイントまでの経路が表示されるようになっています。
越冬するアザラシの大群

そのポイントまでやってきましたが、アザラシらしき生き物は見当たりません。と、思ったら、対岸の岩場(写真・中央右)が何だか動いているような気がします。

カメラをズームして確認すると、やっぱりアザラシでした。

噂通り大群で、皆さん同じ色でじっとしているため、知らなければ「岩場」にしか見えません(笑)

抜海港には毎年冬、越冬のためにゴマフアザラシたちがやってきます。

以前は「アザラシ観察小屋」も設置されていたそうですが、現在は閉鎖されています。

海に浮かんでこちらを見つめてくるアザラシ。

観光として見物する分には可愛らしいですが、サケやタコなどを食べてしまい、周辺地域では漁業に影響を与える「害獣」となっています。

こちらは北海道庁から出ている海獣類による漁業被害状況をまとめた表。年間を通して、抜海漁港に定着している個体もいるそうで、追い出しなどの対策も取られています。
とりあえず、今回は見ることが出来てよかったです。手袋をしていても、ポケットから手を出していられるのは30秒が限界だったので、10分程度で退散。
1人で歩いて行くのは結構危険です。風にあおられて海に落ちる可能性もあります。天気予報のチェック(晴れるか、雪雲がないか、風向きはどうかなど)は入念に行う必要があります。

しかし、私の本当の戦いはここからでした。こちらは抜海駅の時刻表。私は11時49分の稚内行に乗ってきました。この日のうちに旭川へ戻りますが、次の汽車は18時過ぎまでありません。周辺には時間をつぶせるようなお店もなく、6時間近く、この小さな無人駅で凍えながら待つのも辛いです。さて、どうしましょう。
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今回はここまで。本日もありがとうございました。
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