欠航しない定期船・おがさわら丸!台風でも小笠原諸島へ向けて出港?他の船と比較してみた

船旅

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台風が発生すると、島旅好きの私は離島に向かう船の運航状況が気になってしまいます。各島に向かう定期船が欠航する中で、異質な存在がおがさわら丸です。

船の運航状況を比較

気象庁より

2019年8月4日、フィリピン東方海上で台風9号が発生。その2日後、8月6日にはマリアナ諸島で台風10号が発生しました。2019年8月7日の天気図を見ると、確かに日本の南には2つの台風があります。果たしてこの時、離島へ向かう船の運航状況はどのようになっているでしょうか。

フェリーだいとう

まずは、沖縄・那覇から約15時間かけて、南大東島と北大東島へ向かうフェリーだいとう

この船はよく欠航するので、「今回はどれくらいの期間欠航するかな」と思い、確認するとなんと11日間欠航になっていました。

■ 参考:フェリーだいとうの運航状況

ちなみに、フェリーだいとうの欠航率が高い理由はこちら。南大東島と北大東島では、岸壁から離れた場所に船が接岸します。ここからどうやって島に上陸するかというと…

この動画の通り。乗客はこのカゴに乗せられ、クレーンに吊るされて上陸します。波や風があると危険なので、島に上陸することが出来ないのです。

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ただし、南大東島と北大東島は、船が欠航しても飛行機があります。台風が発生すると、まず影響を受けるのは海。飛行機は台風が上陸する直前まで飛ぶことが多いです。

■ 参考:2017年 大東島旅行記

フェリーとしま

日本には船でしか行けない島の方が多いです。そうした島々の中でも、特にアクセス難易度が高いと言われているのが鹿児島県・トカラ列島

新しくなったフェリーとしま2

途中7つの有人島(=十島村=トカラ列島)を経由しながら、 鹿児島本土と奄美大島の間を基本的に週2便、約16時間かけてフェリーとしまが運航しています。こちらもまた欠航することが多い船です。

やはりこちらも欠航。以前にトカラ列島を旅したとき、島の方から「船が1か月くらい来ないこともあったから、食料はいつも備蓄している」という話も聞きました。

■ 参考:2016年 トカラ列島旅行記

結局この時、フェリーとしまは13日間欠航していたようです。島旅には、フェリーが欠航し、島から出られなくリスクも伴います。

あおがしま丸

東京都青ヶ島村も、アクセス難易度が高いことで知られています。青ヶ島までは、八丈島から出ている定期船「あおがしま丸」に乗船し、3時間ほどかかります。

当然のことながらあおがしま丸も欠航。運航実績は公表されていませんが、ネットではよく就航率50%と紹介されており、島へ行ったはいいものの、帰れなくなる可能性が高い船です。

■ 参考:あおがしま丸の運行状況

あおがしま丸が欠航しやすい理由がこちら。青ヶ島の港は、青海原に1本の桟橋が突き出ているだけなので、この桟橋に海流や波が直撃するのです。

■ 参考:2016年 青ヶ島旅行記

台風でも小笠原諸島へ向けて出港?

本土から離れた島へ向かう定期船たちが軒並み欠航している中、唯一運航していた船が小笠原諸島・父島へ向かうおがさわら丸。東京・竹芝桟橋から約1000km離れた父島まで、片道24時間かけて向かう船です。

8月6日東京発のおがさわら丸は、687名もの乗客を乗せて、台風の海へ向かって出港しました。父島に到着するのは24時間後の8月7日11時。そして15時には、東京に向けて折り返し出港します。

ちなみに8月8日9時の波予報はこんな感じ。中央やや右下にある、小さな2つの島が小笠原諸島の父島と母島です。おがさわら丸が東京に帰ってくるのは8月8日の15時過ぎで、9時頃はもう伊豆諸島まで来ているはず。

ぎりぎり台風の波を回避出来ると判断し、通常運航となったのでしょう(相当揺れるはずですが…)。これはおがさわら丸にあるあるのこと。台風が来ても欠航しない船、それが「おがさわら丸」なのです。

この次の便はさすがに欠航となりました。つまり、8月6日の便で小笠原へ行った皆さんは、滞在時間4時間で引き返す決断をした人を除いて、島に閉じ込められたということです。

2022年度 実績(観光局Facebookと小笠原海運Twitterより作成)

ただし2019年度、おがさわら丸が欠航したのはこの1回を含めて2回だけ。そして2022年度は1度も欠航がありませんでした。おがさわら丸が航行するのは太平洋。瀬戸内海の島などとは訳が違います。これはもう『日本一欠航しない定期船』と言えるでしょう。

ちなみに、私が初めて小笠原へ行ったときも、おがさわら丸は台風の海に向かっての航海でした。欠航しない代わりに、大荒れの海を行くことになるのでかなり揺れます。私は横になって寝ていても気持ち悪いほど、ひどい船酔いに苦しめられました。

■ 参考:2016年 初めての小笠原諸島旅行記

欠航しない定期船・おがさわら丸

おがさわら丸が台風でも欠航しない一番の理由は「父島・二見港の地形」にあります。

こちらが二見港。3方向を丘に囲まれた湾になっているため、波の影響を受けにくく、航路上で激しい波に襲われても、父島には接岸することが出来るのです。

台風で出港が早まり、夜に父島を出港するおがさわら丸

観光客だけでなく、島へ物資を運ぶ唯一の交通手段でもあります。そのため欠航ではなく、出港が早まったり、延期になったりすることもあります。

おがさわら丸が揺れるのは、夏の台風だけではありません。冬の爆弾低気圧もあります。22年度は1度だけ東京出港が延期となりましたが、これは夏ではなく12月23日のことでした。そしてこの写真も冬。4時間遅れで竹芝桟橋に到着したおがさわら丸です。

★参考:冬の伊豆諸島近海は荒れることが多い

台風でも出港するおがさわら丸ですが、逆におがさわら丸が欠航したら、本当に強い台風だということです。ぜひ皆さん参考にしてみてください。

■ 参考:おがさわら丸の運行状況

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今回はここまで。本日もありがとうございました。

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