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今回は、2018年12月「白川郷・五箇山」旅行記その3をお届けします。
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早朝の白川郷を散策
2018年12月1日、時刻は朝7時前。

私は、岐阜県・白川郷を歩いていました。
世界遺産に登録されていることもあり、普段は多くの観光客で賑わう場所ですが、この時間はとても静か。
本来の集落の雰囲気が感じられます。

この時間に白川郷へ着くバスは無く、集落に隣接している村営駐車場も、営業時間は8時から17時。
そのため、基本的には白川郷に宿泊しないと、早朝の集落を観光することは出来ません。

萩町城跡展望台にやってきました。
ここからは、集落全体を見渡すことが出来て、さらに無料の駐車場もあるので、この日も朝から、次々と観光客の方が訪れていました。
前日は、長野駅からアルペンルートを経由し、夕方に富山駅へ。そこからレンタカーを借りて、夜のうちに「道の駅白川郷」に到着。
今回は、道の駅に車を止めたまま、早朝の白川郷を歩いて散策します。

ということで、展望台を降りて、集落の中へと入っていきます。
白川郷と合掌造りの歴史を知る

観光向けに整備された施設もありますが、ここで生活している人もいることも忘れてはいけません。

集落の家々は、大きく傾斜した藁葺き屋根が特徴です。
仏を拝む(合掌する)時の、左右の掌を合わせた腕のかたちに似ていることから「合掌造り」と言われています。

さらに、どの家も同じ方向を向いています。
これは、屋根に積もった雪を、午前中は東側で溶かし、午後は西側で溶かすようにするという、豪雪地帯ならではの工夫です。

歩いていると、雪ではなく、雨が降ってきました。
よく、雪の白川郷もおすすめされていますが、個人的には夏がおすすめです。
雪が積もっていると、こうした道を歩くのが大変ということもありますが、積雪が高すぎて、合掌造りの屋根しか見えなくなります。
★参考:冬の白川郷 旅行記★

雪解けから夏にかけては、田んぼに水が張り、用水路には魚が泳ぎ、セミの鳴き声が響く、いわゆる「日本の原風景」が広がります。

日本の昔話に登場するような景色が、今も残されている白川郷ですが、その「昔」というのは、具体的にいつなのか…
まず、この山奥に、いつから人が定住していたのか、はっきりとしていないそうです。
源平合戦で敗れた平家の人々(落人)が、この地まで逃げ延びてきたという伝承も伝わっています。

こちらの「和田家」は、江戸時代中期に建てられたということで、この景色は、今から300年以上前と、それほど変わらないのかもしれません。
和田家は国・県指定の重要文化財に指定されており、中を見学することも出来ます。

江戸時代、徳川家光によって貨幣制度が統一され、農村では、商品作物を栽培し、現金収入を得る動きが広まりました。
一方で、周囲を山々に囲まれており、さらに雪も多いため、耕作に適した面積が少なかった白川郷。
そこで発展したのが、桑を栽培し、蚕を育て、まゆを生産する養蚕業です。

養蚕は合掌造りの屋根裏で行われ、どうやら養蚕業の規模拡大に伴って、屋根も大きくなっていったようです。
鎖国時代は生糸の輸入が出来ず、1859年の開国以降は、生糸が最大の輸出品となっていたという、日本全体の背景からも、それなりに養蚕需要があり、人々の生活を支えていたと想像されます。

また、屋根裏では、養蚕だけでなく、「焔硝 (えんしょう)」という、鉄砲に使う火薬の原料作りも行われていました。
こうした歴史を考えると、江戸時代以前の合掌造りは、これほど大きなものではなかったのかもしれません。
白川郷から五箇山へ どっちがいい?
白川郷観光で、こうした歴史が語られることは少ないです。

地理的条件と社会的背景から生まれたものが、「その地域ならでは」の観光資源となって、現代の人々の暮らしを支えていることを考えると、今後の農村産業は、どのように変化していくのか…
そんなことを考えながら、集落を歩いていました。
白川郷の次は、同じく合掌造り集落が残る「五箇山」へ移動します。

五箇山も白川郷と同じく、飛騨高地・烏帽子岳を源流とする「庄川」沿いに位置しています。

下道を走り、約40分で菅沼合掌集落の入口に到着。

しかし、集落に入ることが出来るのは9時以降(この時まだ8時過ぎ)ということで、道路沿いから写真だけ撮って次へ。
「次」というのは、相倉集落のこと。
一般的に「白川郷・五箇山」と表記されることが多いですが、五箇山はさらに、「菅沼」と「相倉」、2つの集落に分けられます。

相倉集落に到着しました。
ちなみに、白川郷は岐阜県ですが、五箇山の2集落は富山県となっています。

集落の入口に広い駐車場があるので、そこに車を停めて、まずは歩いて展望台へ。
駐車場から展望台までは、集落の中を通らないので、9時前でも行くことが出来ます。

道路沿いから見えた菅沼集落もですが、まるで映画のセットのような、白川郷よりもこじんまりとしています。
また、家の向きも、結構ばらばらです。

駐車場で9時になるのを待っていたら、「大丈夫だよ~」と声を掛けていただいたので、集落へ入ります。
やはり、規模は大きくないので、一通り見るのに、それほど時間はかかりません。

有名な分、「観光地感」はありますが、どちらかというと、白川郷の方が見応えはあります。
ただ、宿泊するなら、素朴な雰囲気の五箇山の方がいいのかなと。

白川郷と五箇山を散策しましたが、時間はまだ朝の9時。
この日はここから、能登半島をドライブします!
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今回はここまで。本日もありがとうございました。
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