日帰り不可!宿無し!欠航多し!フェリーせとなみで奄美の秘境 与路島・請島へ|2022 旅行記4

船旅

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今回は「2022年 与路島・請島旅行記」その4をお届けします。

★前回の記事は こちら ★

奄美大島・古仁屋港から与路島へ

2022年8月12日の9時半過ぎ、鹿児島からフェリーきかいに乗船し、奄美大島南部に位置する古仁屋港にやって来ました。

この日の目的地は奄美群島のひとつで、奄美大島の南方に浮かぶ「与路島」。鹿児島から約16時間も船に揺られてきましたが、ここから先も船での移動です。

こちらが古仁屋ー請島ー与路島を結ぶフェリーせとなみ。船の出港は14時半なので、それまでは港周辺で時間を潰します。

こちらは港に置かれていたマグロのモニュメント。古仁屋港がある瀬戸内町は、大島海峡を利用した養殖が盛んで、特に養殖クロマグロは日本でも有数の産地となっているそうです。

マグロは港に併設されている「せとうち海の駅」で食べることが出来るようですが…

この日はお休みでした。

私が訪れる与路島と請島、また加計呂麻島も瀬戸内町に属する島で、各島へ渡る船のチケット売り場もこの海の駅に入っています。

こちらは海の駅に入っていたコミュニティーFM放送局「せとうちラジオ放送(愛称:せとラジ)」。施設内は冷房も効いて、Wi-Fiも繋がりますが、せっかくなのでもう少し外を歩いてみます。

こちらは海の駅の玄関にあるお魚プール。海水が循環されており、小さな熱帯魚が泳いでいます。どう見ても足湯ですが、恐らく観賞用なので、足を入れるのはNGでしょう。

それにしても綺麗な海です。

港を歩いているだけでも、水中を泳ぐ魚の姿がよく見えます。

こちらは古仁屋港から出ている水中観光船「せと」。この船はマルエーグループのカケロマリゾートが運営しており、よく見ると船体に「マルエー」のマークが描かれています。

古仁屋港から少し歩いてやって来たのは国道58号線。ここまでが国道58号線の奄美大島区間で、ここから先は沖縄本島の奥集落まで海上区間となります。

■ 参考:沖縄の国道58号線を歩く旅

こちらが交差点周辺の様子。

パチンコ店からは昭和の雰囲気が感じられます。これから渡る与路島と請島も昭和、もしかしたらそれよりも前の時代の名残が残された島です。

この日は与路島で野宿をするため、古仁屋のファミマで食料を調達。

与路島と請島の情報は調べてもあまり出てこないので、島内に商店や自動販売機があるのかも分かりません。ファミマの隣にあるスーパーにも立ち寄り、食料と水分を追加で調達。

自由に使えるテーブルとイスがありました

あとは海の駅で乗船時間を待つことにします。

フェリーせとなみ乗船!

フェリーせとなみの乗船券をゲット。古仁屋港から与路島までの運賃は片道1,030円です。

船の2階に掛けられたタラップから乗船。潮が引いて、岸壁からは船の1階部分が見えなくなっています。

小さな船で船内の旅客スペースは基本的にこの広間とお手洗いのみ。枕と毛布は備え付けのものがあります。

広間には島へ運ばれる荷物も置かれていました。

この冷蔵庫は恐らく島民の方向けのもの。奄美大島で生鮮品を購入した際に利用するのでしょう。

デッキも広くはありません。

一応、操舵室の前方も開放されていましたが、安全運航のために立ち入るべきではないでしょう。

14時30分、奄美大島・古仁屋港を出港しました。与路島までは約1時間40分の船旅です。

乗船の際に航路の維持改善に向けた利用者アンケートが配布されました。このアンケートの結果をまとめた報告書(与路~古仁屋航路改善計画策定 調査報告書)の情報をもとに、ここからは船旅の様子をお届けします。

与路島と請島が奄美群島の秘境である理由

与路島と請島は上陸難易度が高い島として知られています。いわば「秘境中の秘境」とも言えるでしょう。

コロナ前から与路島と請島を訪れる観光客は年間1,300人程度。この船にも観光客らしき人は私以外に乗っていませんでした。

瀬戸内町観光振興計画 2018年度~2022年度より

一方、与路島・請島と同じ瀬戸内町内にあり、古仁屋港から船で行くことが出来る加計呂麻島には年間4万人以上の観光客が訪れています。

大島海峡を行くフェリーせとなみ

海の美しさや自然の多さは与路島と請島も負けていません。観光の視点からみた加計呂麻島との大きな違いは「船」と「宿泊場所」です。

■ 参考:2016年 加計呂麻島旅行記

日帰りが難しい

古仁屋ー加計呂麻島を結ぶ定期船は1日7便あるため、加計呂麻島は日帰りで観光をすることが出来ます。

2025年1月現在(2024年4月改正)

一方、こちらがフェリーせとなみの時刻表。毎日運航はありますが、1日で与路島と請島の両島に上陸することは出来ません。古仁屋からの所要時間も加計呂麻島は20分~25分、与路島・請島はその倍近くかかります。

奄美大島と加計呂麻島の間を通る大島海峡。地形が似ているため、この島は奄美大島なのか加計呂麻島なのか忘れてしまいました…

今回の私の計画は以下の通り。

  • 8月12日[金]:14時30分 古仁屋発→16時10分 与路島着(1泊)
  • 8月13日[土]:7時00分 与路島発→7時35分 請島(池地)着
  • 8月13日[土]:15時25分 請島(請安室)発→18時00分 古仁屋着

年末年始やゴールデンウイークは特別ダイヤになるようですが、この日(お盆)は通常運航でした。

宿の数が少ない上に予約も取れない

灯台を発見

日帰りが難しければ島に泊まる必要があります。しかし、与路島も請島も宿の数が少ないことに加えて、宿の予約がなかなか取れません

奄美大島南端部・蘇刈

瀬戸内町のホームページによると、与路島と請島を合わせて宿泊施設は5軒(加計呂麻島は30軒以上)。その全てに電話をしましたが、お盆休みだったり、何度かかけても繋がらなかったりで、結局予約は取れず。

請島・池地集落にて

両島ともキャンプ場は無く、請島はキャンプNGが明記されていたので、与路島で野宿をするに至りました。恐らく他の時期も、こうした小さな島は工事関係者の長期滞在などが入っているのが一般的。一人旅の観光客が宿の予約を取るのは難しいと思われます。

加計呂麻島最東端部

古仁屋を拠点にして両島に日帰りで訪れる場合、請島上陸の難易度はそれほど高くありませんが、与路島は水曜日と日曜日のみ上陸可能。しかし、滞在時間は3時間20分しかありません。

欠航も多い

日帰りも島での宿泊も難しいことに加えて、定期船の欠航も多いようです。

平成29年度~令和 4年度の平均就航率は86.6%。数字上はそれほど低い印象を受けませんが、報告書の中でも「欠航が多い」という意見は多く寄せられています。その背景には天候だけでなく、船の古さもあるようです。

現在のフェリーせとなみは2003年に就航した三代目の船。すでに耐用年数は過ぎており、故障による代船運航が頻発しています。

フェリーせとなみは鹿児島県からの航路補助金で運航されている赤字路線ですが、運航にかかる経費は年々増加。これもまた船の修繕費(と船員費)の増加によるものと報告されています。

島民向けのアンケート結果によると、半数以上の方は「船内環境が快適でない」と回答。これも船が小さい&古いがゆえの結果でしょう。2024年夏に瀬戸内町から新造船建造に係る公募型プロポーザルの結果が発表されているので、新しい船の就航が期待されます。

請島・与路島に到着

大島海峡を抜けて外洋へ出ると、船が少し揺れてきました。進行方向右手に見えているのは、加計呂麻島東端部です。

加計呂麻島の「徳浜」を通過すると…

請島(右)と木山島(左)が見えてきました。無人島・木山島は、潮が引いたときに歩いて渡ることが出来るようです。

そして、島が近づくと海の色が変わりました。

15時25分、請島・請安室港に到着。乗船客はおらず、数名の下船が終了次第出港しました。

それから20分後、請島・池地港に到着。

こちらがこの日の目的地・与路島です。

加計呂麻島と請島・与路島の間の海峡を航行すること約30分…

再び海の色が変わり、与路島の港内に入りました。

16時10分、奄美群島の秘境・与路島に到着。ここから翌朝7時の船まで約15時間の滞在です。

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今回はここまで。本日もありがとうございました。

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