沖縄のカタブイとは何か?ゲリラ豪雨・夕立・通り雨・スコールとの違い|2022 旅行記11

沖縄県

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今回は「2022年 与路島・請島旅行記」その11をお届けします。

★前回の記事は こちら ★

ゲリラ豪雨?夕立?通り雨?スコール?

2022年8月14日、奄美大島からフェリー波之上に乗船し、沖縄・那覇へ向けて移動中です。

奄美大島から那覇までの所要時間は約13時間。自分の座席で横になってダラダラしたり、たまにデッキに出たりしながら過ごします。

9時過ぎ、徳之島・亀徳新港に到着。青空にモクモクとした雲も広がっている一方で、雨が降った様子はありません。

次の寄港地、沖永良部島・伊延港もいい天気。奄美大島で降っていた大雨は何だったのでしょうか。局地的に降る短時間の降水といえば、現在は「ゲリラ豪雨」が有名です。他にも「通り雨」や「天気雨」「夕立」「スコール」などがあります。

ゲリラ豪雨と夕立

tenki.jpによると、ゲリラ豪雨は積乱雲によってもたらされる、局地的に短時間で降る激しい豪雨のこと。

沖永良部島にて

特に夏は太陽の強い光によって、地表付近の空気が急激に暖められて上昇気流が発生しやすく、大気の状態が不安定となります。夕立もまた同じ仕組みで発生しますが、何が違うのでしょう。東海テレビ『スイッチ!』のお天気キャスター・吉田ジョージ氏の解説によると以下の通り。

  • ゲリラ豪雨 → マスコミ用語
  • 夕立 → 夏の季語

気象庁では「局地的大雨」や「集中豪雨」というワードを用いるそうです。こうした降水は規模が小さく、突発的かつ散発的に起こるため、事前に予測することが難しいとされています。

■ 参考:1

にわか雨と通り雨

13時40分 与論島入港

また、積乱雲になったものの、雲がそれほど成長しなかった場合、雨は急に降り出し、短時間で止みます。こうした雨が「にわか雨」です。一方、気象庁によると、にわか雨は積乱雲から発生する雨ではなく、「降水が地域的に散発する一過性の雨」とされています。

■ 参考:2

船から見えた与論島

気象庁による「局地的大雨」と「集中豪雨」の定義は以下の通り。

  • 局地的大雨:急に強く降り、数十分の短時間に狭い範囲に数十mm程度の雨量をもたらす雨
  • 集中豪雨:同じような場所で数時間にわたり強く降り、100mmから数百mmの雨量をもたらす雨

局地的大雨とにわか雨の違いは、短時間の降水量が数十mmに達するかどうかと言えるでしょう。

与論島のサンゴの海とフェリー波之上

一方、気象庁の用語で通り雨は「しぐれ」といい、「大陸からの寒気が日本海や東シナ海の海面で暖められて発生した対流雲が次々に通るために晴れや曇りが繰り返し、断続的に雨や雪の降る状態」と定義されています。つまり、通り雨は冬の降ったり止んだりする雨ということです。

■ 参考:冬の日本海側で雷が多い理由

天気雨とスコール

与論島の海

天気雨は「空は晴れているのに雨が降っている気象現象」で、地域によっては『狐の嫁入り』と呼ばれることもあります。学研キッズネットによると、天気雨が降る理由は大きく分けて3つあるそうです。

  • 雨が地面に落ちてくるまでの間に雲が消えた(雲が風に流された)
  • 雨粒が強い風に流されて降ってくる
  • 小さな雲が雨を降らせた

■ 参考:3

船から見えた沖縄の島々

一方、防災ニッポンによると、スコールの国際的な本来の定義は、急に吹き出す強い風のこと。この強い風と同時に、一時的な強い雨が降るため、日本では熱帯地方特有の短時間の激しい雨という意味で使われることが多いようです。また、局地的大雨が「冷たい雨」であるのに対し、スコールは「暖かい雨」です。

沖縄のカタブイとは何か

フェリー波之上は14時過ぎに鹿児島県最南端の島・与論島を出港。

しばらくすると沖縄本島の最北部が見えてきました。次の寄港地は沖縄北部・本部港です。

本部半島までやって来ると、天気雨が降って来ました。沖縄では、局地的かつ短時間の激しい雨がよく降ります。これは沖縄で古くから「片降り(カタブイ)」と呼ばれる雨で、ある地域で雨が降っているのに、すぐ近くが晴れていることも多いことが由来です。

船のすぐ横に虹が架かりました

カタブイの正体は「不安定性降水」。つまり、局地的な大雨と同じ仕組みで発生する雨です。ただ、沖縄の場合、上昇した空気を補うように周辺の海から暖かく湿った空気が流れ込むため、高度が低い場所で雲が発生しやすいと考えられます。

■ 参考:4

■ 参考:5

また、ネット上で根拠となる情報は見つけられませんでしたが、恐らくカタブイの多くは「暖かい雨」です。前回の記事でご紹介した通り、海上の空気はサイズの大きな塩の粒子を含んでいるため、雲粒が大きくなり氷晶となる高度へ達する前に落下します。

16時40分、本部港に到着すると、青空に空に架かった二重の虹を見ることが出来ました。沖縄では、朝や夕方によく虹を見ることが出来ますが、恐らくカタブイの多さが影響していると思われます。

そして19時、フェリー波之上は沖縄・那覇港へ到着しました。この日は那覇で1泊。

翌日は朝7時前の飛行機に搭乗。青空が見えている一方で、窓に水滴が付き、滑走路が濡れているのは、朝からカタブイがあったためです。積乱雲による一時的な大雨は午後に降ると紹介されることが多いですが、カタブイは朝から降ります。

離陸した飛行機からは、モクモクとした積雲を見ることが出来ました。目には見えませんが、何らかの条件で上昇気流が発生しているのでしょう。

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今回はここまで。本日もありがとうございました。

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