1周約25km 三島村黒島を車で観光する!平和公園~塩手鼻~片泊~大里|2023 旅行記3

島旅

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今回は「2023年 鹿児島県三島村 旅行記」その3をお届けします。

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1周約25km 三島村黒島を車で観光する

2023年5月3日の15時、鹿児島県三島村の黒島に上陸しました。

港までお迎えに来ていただいた大里区長の車に乗せていただき、暗くなるまで島を観光することに。時計回りで黒島を1周しました(約25km)。

黒島平和公園

まずやって来たのは、港を見下ろす場所にある黒島平和公園

1945年5月11日、鹿児島・鹿屋基地から沖縄戦へ向かう特攻機が、黒島北部の赤鼻沖に不時着。飛行機に乗っていた3人の特攻隊員全員が黒島へ泳ぎ着き、終戦までをこの島で過ごしました。

■ 参考

3人の特攻隊員のうちの1人、江名武彦さんは終戦後も頻繁に島を訪れて、島民と交流を続けていたそうです。平和公園には、江名さんが2004年に建立した、特攻平和観音像や平和の鐘が置かれています。

どうやら黒島には、他にも特攻隊の不時着があったようで、大里集落にあった碑に刻まれている「安部正也大尉」も特攻隊員の一人。1945年4月29日に知覧から出撃し黒島沖に不時着しました。安部大尉が黒島へ上陸すると、そこには同じように不時着した特攻隊員が大火傷で苦しんでいたそうです。

公園からの景色

安部大尉は島民とともに手漕ぎ舟で知覧へ戻り、5月4日に沖縄へ向けて再出撃。その途中、黒島上空を通過した際に、火傷を負っていた隊員と島民へ、薬とお礼のお菓子を投下したとされています。安部大尉は戦死しましたが、黒島で治療した特攻隊員は生き延びることが出来たそうです。

また、平和公園には戦艦大和の鎮魂碑も置かれています。戦艦大和は沖縄特攻へ向かう途中に黒島沖を通過。その後、東シナ海で米軍の攻撃を受けて、4月7日に沈没しました。

大里ふるさとセンターに置かれていた模型

戦艦大和は現在も北緯30度43分・東経128度04分、長崎県男女群島女島南方176km(種子島・西之表の西方約280km)、水深345m地点に沈んでいます。

■ 参考

黒島では毎年5月に慰霊祭が行われています。私が滞在した大里ふるさとセンターのステージにも、「三島村特攻平和祈年祭」の旗が出ていました。

塩手鼻の柱状節理

島を1周する道路はこんな感じ。非常に狭い道です。

アップダウンが激しく、海沿いは断崖絶壁が続きます。黒島には砂浜や海岸などは無いので、海水浴を楽しむことが出来ません。また、火山の島ですが、温泉も無いようです。

続いてやって来たのは、黒島の景勝地「塩手鼻」。ここは海沿いの断崖絶壁を間近に見ることが出来るスポットです。

道路(駐車場)からは、海に向かう階段が整備されています。

竹島と硫黄島は「鬼界カルデラ」の外輪山を構成していますが、黒島はそれより古い時代に出来た火山島です。

■ 参考

よく見ると、ハチの巣のような岩が点在しています。これはマグマが冷えて縮むときに生じたものです。

こうした火山性の玄武岩や安山岩に生じた、五角形や六角形の柱状の割れ目を柱状節理といいます。

柱状節理の上に人が立っているように、周辺は長い年月をかけて柱状節理が削られて出来た、なだらかな台地となっており、そこでは牛の放牧が行われているそうです。

こちらは塩手鼻の近くの景色。恐らくこうした場所で牛の放牧が行われているのでしょう。黒島の牛は自生するリュウキュウチクを食べて、足腰が強く健康な牛となるそうです。

また、塩手鼻の上には『黒島流れ慰霊の白衣観音像』があります。「黒島流れ」とは、1895年7月24日に黒島付近を通過した台風による海難のこと。この台風で多数のかつお漁船が沈没し、黒島の海岸には多くの船と遺体が打ち寄せたそうです。

■ 参考:1

その中には助かった人もいたそうで、黒島の人々が怪我の手当てや食事の世話をしました。慰霊碑は、黒島流れから90周年で建立されたそうです。

大里集落から片泊集落へ

16時半、黒島にあるもうひとつの集落・片泊にやって来ました。

こちらは片泊ヘリポート。ただ、三島村への航空路は無く、救急用に利用されるヘリポートです。

片泊港でも塩手鼻のような柱状節理が見られます。

竹島の掲示板

大里の方が人口は多いようです。

片泊集落の様子

ここからは県道221号線で、島の北部を通りながら大里へと戻ります。

海まで下りてきましたが、再び崖の上へ。

三島村のホームページによると、島の森林から出る湧き水は海岸の断崖で滝となり、海へ注いでいるそうです。しかし、島に上陸していると、そうした滝の景色は見ることが出来ません。

大里港では、港へと注ぐ川(宮向川)を見ることが出来ました。

黒島の北端にある岬・赤鼻に到着。

周辺は牧場になっているようですが、この日は牛の姿を見ることが出来ませんでした。

17時半前、大里ふるさとセンターに到着。ふるさとセンター前にある運動広場も、救急時にはヘリポートとして機能するそうです。

ちなみに、この日のコースはこんな感じ。観光はほとんど出来ない予定でしたが、区長さんのおかげで島を1周することが出来ました。

大里港周辺を歩いて散策

大里ふるさとセンターに1泊した翌日、船が大里港を出港する8時45分まで、港周辺を歩いて散策します。

こちらは平等大慧会妙塔。村のホームページでは「島民たちが生きるためにいろいろな動植物の命を絶って食してきた罪を供養するために建てられたもの」と紹介されていますが、どうやら『平等大慧会』という宗教団体の施設のようです。

続いてやって来たのは黒尾大明神社

こちらが案内板。御神体は大小13の自然石で、400年以上前から祀られているそうです。

三島村役場大里出張所にはポストがあります。どうやら簡易郵便局としても機能している施設で、ATMもあるようです。

こちらが集落の様子。

そして港に到着。フェリーみしまは定刻通りにやって来ました。

この日は黒島から竹島へ渡ります。

黒島から竹島へ

さらば黒島。

竹島までは約2時間の船旅です。

竹島到着前にこの旅で2回目の硫黄島入港

相変わらず海は茶色く…

硫黄岳から噴煙も上がっていました。

そして10時50分、フェリーみしまは定刻通りに竹島到着。空には雲がかかっていましたが、海は穏やかでした。

次にフェリーみしまが竹島にやって来るのは翌日12時30分。それまでの約25時間半、1泊2日で竹島を散策します。

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今回はここまで。本日もありがとうございました。

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