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今回は「2025年 小笠原諸島に育休移住してみた」その5をお届けします。
★前回の記事は こちら ★
港でウミガメが見られる?
2025年4月20日、小笠原育休移住生活は7日目、二航海(ふたこうかい)に入りました。

港でおがさわら丸のお迎えをした後は、滞在中に知り合った島民の方が「タコを獲る!」というので、見学をさせてもらうため青灯台(通称:あおとう)へ。夜になると緑色の光を灯しますが、信号機の“青信号”と同じで、「青」と呼ばれています。

場所はこちら。おがさわら丸が入港する岸壁のすぐ横です。青灯台は観光客向けのパンフレットには紹介されていない島民の遊び場。
■参考:父島でおすすめのビーチ

また、おがさわら丸が出港するときに、青灯台の堤防から海へ飛び込んでお見送りをする人もいます。
■参考:盛大な父島のお見送り

何より、大型の船が入る港なのにこの海の美しさ。さらに、海に棲む生き物の姿も多く見られます。

まずはタコ。島民の方は「タコカギ」という道具を手に何度か素潜りし、わずか数分で見事に捕まえてきました。ちなみに、このタコは私が泊まっている宿に寄付され、その日の夕食で提供されることに。

我々のすぐ横で釣り上げられたのは大きなイカ。その方も自転車でふらっと現れ、わずか5分ほどでこのイカを仕留めると、自転車のかごに入れて颯爽と帰っていきました。
水中でタコやイカが見られるのでは?と思い、私も今回の滞在で初めて海へ。数分泳いでいたらサメが私の下を通過していきました。このサメはネムリブカ(ホワイトチップ)というおとなしいサメで、父島ではよく見られます。

海で泳いだ後、少し休んでいたら、海面からアオウミガメが頭を出しました。父島の周辺にはウミガメが棲みついており、5月から7月にかけては、産卵のために島の砂浜に上陸もします。
新亀シーズン
2025年4月21日、この日は朝からウミガメの解体作業に、ボランティアとして参加しました。

古くからアオウミガメが食文化の一部として受け継がれてきた小笠原。現在は東京都の管理のもと、年間135頭の捕獲が認められています。海況が落ち着く3月頃から漁が始まり、4月下旬は漁期の終盤にあたるそうです。【カメ漁の時期=新カメシーズン】といわれ、島内の飲食店では様々なカメ料理が提供されています。

ウミガメは卸先が決まってから捕獲するそうで、あらかじめ解体日が決まっているわけではありません。ウミガメを提供している飲食店など、島の方に聞くと情報が得られます。今回は宿に滞在していた方がそうした情報収集をしていて、私も参加することができました。
■参考:ウミガメの歴史と捕獲方法
小笠原諸島の伝統「ウミガメの解体」に参加
作業のお手伝いは基本的に誰でもウェルカムのようですが、撮影は禁止。ここからはAIで作成したイラストで作業の様子ご紹介します。

朝7時、指定された場所に向かうと、すでに作業は始まっており、重さ80kgもあるというアオウミガメが、まだゆっくりと呼吸をしながらタイヤの上に寝かせられていました。作業場はブロック塀に囲まれた簡素な空間です。

まず、タイヤの上で仰向けにしたカメの腹側に刃を入れ、ゆっくりと剥がしていきます。なお、アオウミガメの名前の由来は、脂が青い、あるいは緑色を帯びていることからとされますが、青色や緑色はそれほど分かりませんでした。

次に胴体と手足を切り分け、部位ごとに分解した後、それらをドラム缶で煮込み、皮を丁寧に剥ぐ流れです。最後は食べやすい大きさにぶつ切りにし、同時に取り出した内臓もそれぞれ仕分けながら処理していきます。ちなみに、解体中に強い匂いはありません。

また、解体の現場には、ウミガメの保全活動を担う小笠原海洋センターの方もいました。単なる解体作業ではなく、体内の調査も同時に行われています。甲羅の大きさや脂のつき方、内臓の状態を確認し、胃の内容物まで丁寧に記録していく。その積み重ねがあるからこそ、小笠原ではウミガメを「食べながら増やす」という仕組みが成り立っているのでしょう。「この子はプラスチックをたくさん食べているなぁ」と話していたのが印象的でした。

この日のカメは八丈島へ出荷するということで、最後は部位ごとにパッキング。基本は一頭買いになるそうで、島内の飲食店で分け合う時には、店の人たちが自ら解体を担うこともあるといいます。また、甲羅は島内の農園に運ばれて、鳥の餌や肥料になるとのことでした。

作業は朝7時に始まり、片付けまで終わったのは11時半頃。最後は「おつかめさまです!(基本的に挨拶はこれ)」の合図でカメ料理と飲み物が振舞われました。現在小笠原にいるカメ漁師は一人だけ。その方が引退したら、きっとウミガメを食べる文化は途絶えます。一生忘れない貴重な体験となりました。
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今回はここまで。本日もありがとうございました。
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