台風で条件付き運航!揺れる東海汽船・さるびあ丸乗船 日帰り神津島へ|2022 伊豆諸島旅行記3

旅の思い出

ブログをご覧いただきありがとうございます。

今回は【台風の東海汽船・さるびあ丸に乗船した】ので、その様子をお届けします。

★前回の記事は こちら

台風で欠航→条件付き運航に変更

2022年9月17日、東海汽船・橘丸で八丈島へ向かう予定でしたが、台風14号の影響で御蔵島折り返しとなり、14時半過ぎに竹芝桟橋へ戻ってきました。

台風14号は南大東島の北北東約190kmを北西に進行中ということで、伊豆諸島は雨・曇り・晴れマークが並ぶ不安定な天気予報。風速は8m~10mもあります。

海の様子はこんな感じ。17日夕方の時点で、八丈島付近はすでに4m以上の波があり、今後この赤いエリアがさらに伊豆諸島へ近づいてくる予報です。

そのため、橘丸が竹芝桟橋に到着した時点で、この日の夜に出港するさるびあ丸の利島・新島・式根島・神津島欠航の案内が掲示されていました。

それから約2時間後、運航状況に変化があったので、もう一度竹芝桟橋へやって来ました。結局、この日欠航になったのは橘丸の最終寄港地・八丈島のみ。さるびあ丸は条件付きで最終寄港地・神津島までの運航が決まりました。

ということで、神津島までの乗船券をゲット!2晩連続で台風が接近する海で過ごします。もちろんと言っては何ですが、神津島には用がありません。さるびあ丸がどれだけ揺れるのかに興味があるのです。

伊豆大島以外は条件付き運航なので、島へ接岸出来ずに戻ってくる可能性もあります。それでも乗船時には行列が出来ていました。

東海汽船・3代目さるびあ丸に乗船

船内の記念撮影スポット

私が3代目さるびあ丸に乗船するのは今回が初めてです。

1973年1月、「東京湾の女王」とも呼ばれた初代橘丸(1935年就航)が引退するのと同時に誕生したのが初代さるびあ丸。初代さるびあ丸は1992年まで運航した後、2代目がデビューし、東京ー神津島ー八丈島を結んでいました。

そして2020年6月25日、3代目さるびあ丸が就航。この船には人と人、街と街、本土と島、過去と未来を「繋ぐ」というコンセプトがあるそうです。

船をデザインしたのは2020年の東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムを手掛けた野老朝雄氏。これまで作品を通して社会や人を「つなげること」をテーマに、「紋」をつなげて「紋様」を描き続けてきたそうです。

船内の雰囲気は橘丸と似ていて、新しい船ならではの清潔感もあります。出港前にまずは船内を散策。

私が利用する2等和室へやって来ました。頭の仕切りが一人当たりのスペース。

橘丸と同様、枕が置かれているだけなので、毛布を100円で借りるのが一般的です。

こうした2等和室の区画がいくつかあります。なおこの日は運良く、私の区画は他に乗客がいなかったので、広いスペースを独り占め。

航海中もBS放送は見ることが出来ます。コンセントの数は限られているので、確実に充電したい場合は延長コードなどを持参するのがおすすめです。

また、さるびあ丸の2等には和室だけでなく、同じ運賃で「座席」もあります。フルフラットにはなりませんが、混雑している時期は和室よりも座席の方が快適だと思います。

■ 参考:夏の2代目さるびあ丸の様子

シャワーは1回100円。備え付けのものが置いてありますが、シャンプーかボディソープかは不明。タオルと石鹸類は持参した方がいいかもしれません。

船内に売店はありませんが、石鹸やタオルなどは自動販売機で購入することも出来ます。

自動販売機も充実しているのも、橘丸との共通点です。

こちらは菓子パンとおやつの自販機。

電子レンジはありませんがお湯はあるので、船内にカップ麺を持ち込んで食べることが出来ます。

船内レストランのメニューは橘丸と同じです。

通常船内レストランは、東京・竹芝桟橋を出港してから伊豆諸島の島々へ寄港し、竹芝桟橋へ戻って来るまでの間に4回営業がありますが、「海上状況により時間が変更となる」という注意書きも書かれています。果たして今回はどうでしょうか。

船内からデッキへ出て来ました。夏は東京湾納涼船としても活躍しているさるびあ丸。納涼船の時は扉が閉められたこちらのスペースで、飲食物の提供が行われているのでしょう。

夜に航行する船のデッキは明るく照らされている場合が多いですが、3代目さるびあ丸は何故か青いライトが灯されて暗めです。

最上階に至っては真っ暗。東京の夜景を際立たせるための演出でしょうか。前日の橘丸同様、船内には若い人が多く、デッキも賑やか。

出港直後は波も風もなく、雨も降っておらず、台風が接近していることは感じられません。穏やかな東京湾夜景クルーズが楽しめました。

竹芝桟橋を22時に出港し、最初の寄港地・伊豆大島には明朝6時に到着の予定。距離としては117kmなので、ノンストップで行くとそれほど時間はかかりませんが、到着が朝早くなりすぎるため、速度を落とすなどして時間調整が行われています。

リバース用紙袋

船酔いに強くなるため、いつも通り酔い止めは飲んでいません。神津島に上陸することが出来ても今回は日帰り。荒波を行く長い船旅が始まりました。

どれだけ揺れるのか?

翌朝5時45分、最初の寄港地である伊豆大島・岡田港に到着。

竹芝桟橋を出港してからここまで、船は全く揺れていません。夜もしっかり寝ることが出来ました。伊豆大島の西にある伊豆半島が台風の波をブロックしているのでしょう。

しかし、接岸すると同時に嵐がやって来ました。強い雨風が下船する人々を襲います。

嵐が止むのを待ってから、6時25分に伊豆大島を出港。この先の利島・新島・式根島・神津島は条件付き運航なので、直前まで接岸出来るかどうかは分かりません。

島の北部にある岡田港から島の西側を南下。伊豆大島は雲に包まれています。

台風の海を行くさるびあ丸の雄姿は、船内のモニターでも見ることが出来ます。海が大荒れの時は、このモニターにも荒々しい映像が映るはずですが、まだ大したことはなさそうです。

船もそれほど揺れていませんが、伊豆大島出港後の船内アナウンスで、新島&式根島の上り便(復路)とジェット船の欠航が発表されました。

続いて接岸する利島は往復とも条件付き。普段のさるびあ丸が就航する島々の中で、最も就航率が低い島ですが、果たして台風が迫る状況で、接岸することは出来るのでしょうか。

ほぼ定刻通りの7時45分、さるびあ丸はあっさりと利島に接岸しました。風は強い一方で、海が荒れている様子はありません。利島の港があるのも伊豆大島・岡田港と同じく島の北側。船の就航率は風の強さ・波の高さよりも、波風の「向き」が重要であることが分かります。

利島を出港してしばらくすると、青空が見えてきました。水平線も見えており、台風が近づいているとは思えない天気です。

こちらは新島の横に浮かぶ鵜渡根島。明治時代には人が住んでいたようですが、現在は無人島です。

そして、条件付き運航だった新島には約15分遅れで到着。相変わらず船は揺れていない気がしましたが、遅れているということは、多少なりとも影響があったのでしょうか。

新島は上り便が欠航となったため、新島から東京へ向かう方も乗船。この場合、東京まで向かう方は最終寄港地・神津島でも下船することが出来ず、竹芝桟橋に到着するまでさるびあ丸に乗りっぱなしとなります。追加料金はかかりません。

■ 参考:私も一度この乗り方を経験したことがあります

鵜渡根島

約15分停泊した後、新島を出港。これまで数多くの嵐を経験してきた東海汽船が、下り便を条件付き・上り便を欠航とする理由が分からないほど、写真で見る海は穏やかで、天気もいいです。

しかし、条件付き運航にする理由は、式根島へ接岸する時に分かりました。相変わらず写真で見る海は穏やかですが…

接岸時の様子はこんな感じ。うねりと船から生じる波が合わさって、海水が岸壁を超えてしまっています。接岸作業に従事する人にとって、かなり危険な状況です。

ポイントになるのは潮汐。式根島に到着した9時半頃は、早朝よりも潮が満ちています。そして、お昼から午後にかけてはさらに潮が高くなるため、接岸時に桟橋を襲う波も高くなり、欠航せざるを得ないのでしょう。

式根島でもさるびあ丸に乗船する人の列が出来ていましたが、皆さんの目的地はお隣の神津島ではなく東京・竹芝桟橋です。

日帰りで神津島に上陸

ここまで寄港してきた伊豆大島・利島・新島・式根島が見えています。次はいよいよ最終寄港地・神津島です。式根島接岸時には、だいぶ台風らしさが感じられましたが、相変わらず船は大した揺れではありません。

その理由のひとつがこちら。「フィンスタビライザー」の存在です。魚のひれのような金属板があるだけで、航行時の横揺れが軽減されるということで、最近の船にはほとんど付いています。

しかし、実際にフィンスタビライザーを見たのはこれが初めて。フィンスタビライザーに描かれたハートマークは「さるびあハート」と名付けられているそうです。

9時54分、間もなく神津島に到着しますが、神津島も条件付き。まだ接岸出来るかどうかは分かりません。

それにしても相変わらずいい天気。やはり、島旅や船旅をする時に確認しておくべきなのは天気予報ではなく、波・風・潮汐ということです。

この時点で約20分遅れ。神津島での停泊時間は通常30分ですが、恐らくそれよりも短くなることでしょう。

ここに来てようやく荒々しい波を見ることが出来ました。もし神津島に接岸することが出来たら、私は下船しなければなりませんが、まだ帰りの乗船券を持っていません。

そして神津島に上陸。やはり乗下船と荷役が完了次第すぐに出港するということで、島の乗船券販売窓口へダッシュ。もし乗り遅れたら、いつ帰ることが出来るか分かりません。

窓口の方の迅速な対応のおかげで、何とか乗船券をゲットし、船の出港にも間に合いました。なお、竹芝桟橋で往復の乗船券を購入することが出来なかった理由は不明です。

神津島に接岸するさるびあ丸はかなり揺れており、なかなか迫力があります。これ以上潮が満ちていたり、波があったりしたら、恐らく接岸することは出来なかったことでしょう。

10時半過ぎ、さるびあ丸は神津島を出港しました。

東京・竹芝桟橋までは約8時間半の船旅です。今度は台風から逃げる形となるので、これ以上船が揺れることはないでしょう。

上り便は式根島と新島が欠航になったため、神津島から真っすぐ利島へ向かいます。

ということで11時45分、利島まで戻ってきました。一応条件付きですが、この海の様子なら普通に接岸することが出来るでしょう。

式根島と新島を通過してきたため、通常よりも45分早く、12時ちょうどに利島へ到着しました。

お次の伊豆大島には約1時間早く到着。この日の風向きは南。追い風と追い波を受けて、通常よりもスピードが出ていたと思われます。

そして東京湾へ戻ってきました。こちらは曇っていたため、夕焼けを見ることは出来ず。

いつの間にか時間調整をしたようで、竹芝桟橋には定刻の19時に到着。3時間後には再び伊豆諸島へ向けて出港するという運航を、基本的に毎日行っているさるびあ丸ですが…

この日は伊豆大島以外欠航となっていました。また橘丸は全島欠航。神津島で船に乗り遅れていたら大変でした。これにて台風が迫る伊豆諸島への旅は終了です。

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今回はここまで。本日もありがとうございました。

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