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今回は「2022年 トカラ列島 レントゲン便」旅行記その1をお届けします。
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レントゲン便で中之島上陸
2022年5月17日、口之島(鹿児島県十島村)から、フェリーとしま2のレントゲン便に乗船しました。
次の寄港地は中之島。
島の周囲は約32kmあり、十島村7島の中で最も面積が大きな島です。島の中北部にそびえるトカラ列島の最高峰・御岳(979m)は「トカラ富士」と呼ばれています。
口之島を出港してから約1時間45分、中之島に到着したのは7時40分頃。御岳は山頂までの登山道も整備されているようですが、停泊時間は2時間15分しかありません。
私は港から歩いて約3kmの場所にある「トカラ馬牧場」を目指すことにしました。
フェリーとしま2の船内では、この間に島民の健康診断が行われています。乗船客は必ずしも下船する必要はありませんが、ほぼ皆さん下船し、トカラ馬牧場を目指して歩く人が多かったです。
トカラ列島最大の島を歩く
「中之島」と調べると、大阪府大阪市北区にある中之島の情報ばかり出てきますが、今回私が上陸したのは鹿児島十島村の中之島。
こちらの案内板に「トカラ列島の中心的役割を担う島」と書かれている通り、中之島には十島村で唯一医師が常駐し、駐在所や商店もあります。
集落は港周辺にあり、島の人口は146人。これまで「面積、人口ともにトカラ列島最大の島」と紹介されてきた中之島ですが、2020年の国勢調査では宝島の人口が中之島を1名上回る結果となりました。
いずれにしても小さな島であることに変わりはありません。消防車も軽トラックを改造したミニサイズです。
こちらは恐らくトカラ列島原産の「トカラヤギ」。全国各地の動物園で飼育されているようですが、Wikipediaによると野生で生息しているのは中之島だけ。この子ヤギはひもが付いているので、飼育されているのでしょう。
ただ、中之島の名物はヤギではなくウマです。港からトカラ馬牧場までの道はずっと上り坂。時間は限られているので、たまに走りながら急いで向かいます。
こちらは途中にあった「与助岩」。案内板によると、与助さんは16世紀の中頃(室町時代)にトカラ列島を荒らし回っていた日向の海賊。当時の郡司(律令制のもとで地方に置かれた役人)が与助を殺害した後、その霊がこの大きな石になったという言い伝えがあるそうです。
ここからは中之島小中学校の全景を見ることが出来るようですが、草木に覆われてしまい見えません。こうしたことは最近あちこちであります(高齢化で草刈りをする人がいない)。
この先に「中之島無駐在無線中継所(電話の通信施設)」があるようですが、こちらも草に覆われて道が無くなっていました。
トカラ馬牧場を見物
港から30分ほどでトカラ馬牧場に到着。
背後に御岳がそびえる、まるでサファリパークのような景観です。
見つけました!こちらがトカラ馬。鹿児島県の天然記念物にも指定されています。
小型の日本在来馬で、もともとは喜界島が飼育の中心だったそうです。1897年にトカラ列島南端の宝島に農業用として持ち込まれた馬の子孫が、1952年になって「トカラ馬」と名付けられました。
しかし、1960年代以降は農業の機械化が進み、飼養頭数が激減。宝島に数頭を残し、残りは鹿児島本土で保護・繁殖されることとなりました。1974年、ついに宝島の馬が残り1頭となったタイミングで、この1頭と本土の馬が中之島へやって来て現在に至ります。
こうして御岳の麓で放牧されていますが、農耕用の需要はなく、トカラ馬を見るために中之島を訪れる観光客もいません。いわば、保護するためのお金だけがかかっている状況で、今後どうしていくのが課題になっているそうです(Wikipediaより)。
放牧場の向かいには十島村歴史民俗資料館がありますが、どうやら入館には予約が必要で、見学する時間もないので、港へ向けて来た道を引き返します。
島の天然温泉に浸かる
帰りは下り坂なので、それほど大変ではありません。
道路沿いには川が流れています。
この川は白っぽく濁っており、周囲には硫黄の香りが漂います。これはもしや…
わき水を見つけました。触ってみると温かく、やはりこれは温泉です!
中之島には整備された温泉が3か所あります。ここまで急いだおかげで、港に最も近い西区温泉に寄り道することが出来ました。
ミョウバン・硫黄・塩分を含んだ乳白色の天然温泉。営業時間は不明ですが、この日は東区温泉も空いていたようで、停泊時間中に両方の温泉に入ったという方々もいました。もうひとつの「くつろぎの湯」は週3日、夏は12時から営業しています。
石けんとシャンプーは備え付けのものがあります。
お湯の温度は48度とやや高め。料金は「お気持ち」ということで、足だけ浸かり、料金箱に100円を入れて出ました。
中之島上陸から1時間20分、9時に港へ戻ってきました。
フェリーとしま2は事前に公表されていた時刻表よりも約30分早く、そして船内に掲示されていた時刻表より20分遅く、9時半に中之島を出港しました。出港時間は各島到着時点で決まるようなので、乗り遅れないように注意が必要です。
続いての寄港地は諏訪之瀬島。ちょうど中之島を歩いているときに大きな噴火があり、噴煙が上がっていますが、フェリーとしま2は通常通り諏訪之瀬島に寄港するようです。
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今回はここまで。本日もありがとうございました。
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