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今回は「2023年 小笠原諸島旅行記」その1をお届けします。
2等寝台で小笠原諸島へ
2023年6月29日、東京都港区にある浜松町駅にやって来ました。
浜松町駅からは竹芝桟橋へ。最近新しく屋根付きの遊歩道が出来たので、大きな荷物を持っていても、また雨が降っていても、以前より移動が楽になりました。
今回の旅先は小笠原諸島。こちらのおがさわら丸に乗船し、父島まで24時間の船旅です。
本州や伊豆諸島はまだ梅雨の時期ですが、小笠原諸島の週間天気は晴れ。
天気図を見ても、本州よりも南は夏の太平洋高気圧に覆われており、天気も海況も良さそうです。船が揺れることもないでしょう。
■ 参考:揺れるおがさわら丸の乗船記
今回私が利用するのは2等寝台。2等和室よりも4,500円ほど料金が高く、片道38,030円がかかります(2024年7月の運賃)。なお、乗船券は事前に電話で予約し、振り込みを済ませていたので、当日のお金のやり取りはありません。ネット予約の場合は、クレジットカードを利用することも出来ます。
こちらが私に割り当てられた寝台。
中の様子はこんな感じ。薄めのマットレス・薄めの掛布団・診察室にあるような四角い枕は2等和室と同じものが使用されています。プライベートが確保されることはもちろん、コンセントとハンガーが付いているのも便利です。
■ 参考:おがさわら丸 2等和室の様子
恐らく船酔い対策で、船内は少々冷房が強め。300円で毛布を借りることも出来ます(シーツと枕カバーは備え付けあり)。
そして11時、父島行きのおがさわら丸は竹芝桟橋を出港!小笠原村のマスコットキャラクター・おがじろうもお見送りをしてくれています。
定員約890名に対して、この日の乗客は530名。6割程度の乗船率なので、船内もそれほど混んでいる感じはしませんでした。
国交省によると、東京湾とは「房総半島西側の洲埼(千葉県館山市)と三浦半島の剱埼(神奈川県三浦市)を結ぶ線より北の水域」のこと。おがさわら丸が東京湾を出るまでには約3時間かかります。
こちらは各ポイントの通過予定時刻。外洋へ出てからは伊豆諸島の島々を右手に見ながら太平洋を南下。
八丈島付近で夕陽が沈み、翌朝は太平洋上で朝陽が昇る予定です。外部デッキは22時まで開放されているので、天気がいい時は星空を楽しむことも出来ます。
おがさわら丸は最初の見どころ・レインボーブリッジの下を通過。しばし船上から東京の景色を楽しんだ後、船内を散策します。
おがさわら丸の船内
おがさわら丸は「フェリー」ではなく「旅客船」。最近の長距離フェリーの豪華な船内に比べて少々シンプルな造りです。
こちらがメインエントランスのような場所。スタッフの方がいる案内所があったり、パンフレットが置かれていたりします。そして、この写真の奥にあるのは冷蔵ロッカー。
長い船旅になるため、船内に持ち込んだ食料品やお酒はここで冷やしておくのがおすすめです(有料)。
なお、冷えたビールやチューハイは船内の自販機でも買うことが出来ます(お値段はコンビニによりも少々高め)。
また、船内売店「ショップドルフィン」では、お酒だけでなくカップ氷も販売されているので、おがさわら丸の船内で冷えたお酒を飲むのに困ることは無いでしょう。
船内売店は営業時間が長く、小笠原諸島のお土産やお菓子などの軽食だけでなく、主食級の冷凍食品も販売されているのでなかなか便利です。
電子レンジも備え付けられているので、船内売店で購入した冷凍食品や持ち込んだ食料はここで温めることが出来ます。
船内売店では御船印をゲット!支払いには交通系ICを利用することも出来ます。
船内レストランもありますがお値段は少々お高め。ビーフシチューは2,000円です。東京発父島行きの便では、昼食・夕食・朝食の営業があります。
さらに自動販売機も充実の品揃え。こちらではお菓子や菓子パンだけでなく、パックご飯とレトルトカレーも販売されています。
こちらはアイスとカップラーメンとアメニティの自販機。
給湯器も備え付けられているので、カップラーメンのお湯については心配無用です。
もちろん通常の飲み物も販売されており、料金は道端の自販機と変わりません。南の島へ向かう船ですが、夏でも『ホット』が充実しています。
24時間の船旅の様子
出港から1時間が経過。
おがさわら丸は東京湾アクアラインを通過し、現在地は川崎市の沖合。電車で浜松町駅から川崎駅までは約20分。かなりゆっくりと航行していることが分かります。
後方にうっすら見えているのは、アクアラインのトンネルを換気する施設「風の塔(川崎人工島)」。ちなみに、東京湾内~伊豆大島まではスマホの電波も繋がりますが、伊豆大島~八丈島までは接続が悪く、その後は父島が見えるまで圏外です。
横浜の市街地(神奈川県)が見えてきました。
一方こちらは東京湾の要塞「第二海堡(千葉県富津市)」。明治から大正にかけて東京を防衛するために建設された人工島です。なお、西を神奈川県、北を東京都、東を千葉県に囲まれた東京湾上に都県境は設定されていません。
間もなく船は東京湾の最狭部「浦賀水道」を通過。
潮流の影響か少々海面が波立っており、おがさわら丸は大した揺れではありませんが、周囲の船は揺れている様子が伺えます。
いよいよ船は外洋へ。おがさわら丸が揺れるのはここからです。
太平洋上では船のスピードもアップし、22ノット(時速40km)前後で1000km先の父島を目指します。
東京湾から外洋の太平洋へ
出港から約3時間、皆さん昼食を終えてまったりタイム。天気が良く、揺れもそれほどなかったので、デッキで過ごしている人も多かったです。
船内では、初めて小笠原へ行く人向けに観光案内の講座も行われていました。なお、この催しは常に乗客が多かったり、イベントがあったりするときに開催されるようです。
講座を聞いた後は、船内にある小笠原の歴史を紹介するコーナーを見物し…
展望ラウンジ母島へ。ここにはコンセントもあるので、海を見ながら作業をしていると、隣に座っていた方に声を掛けられました。
そして乾杯!乗船客の多くが旅行者である一方、船内では暇をしている方が多いので、見ず知らずの人と交流が起こりやすいのがおがさわら丸の特徴です。船内各所で宴会が行われていました。
ちなみにこちらは展望ラウンジのメニュー。ここでもアルコールや飲食物が提供されています。
宴を楽しみながら過ごしているうち、あっという間に夕焼けの時間となりました。生憎雲とガスの影響で、水平線に沈む夕陽を見ることは難しそうです。
昼過ぎからだらだらと飲んだり食べたりだったので、夕食は食べず。翌朝の朝陽を見るため、この日はシャワーを浴びて早めに就寝。シャワーは24時間利用することが出来て、シャンプーとボディソープも備え付けられています。
小笠原諸島とカツオドリ
2023年6月30日、この日の日の出時刻は4時39分予定。目覚ましもセットしていましたが…
起きたのは5時50分。寝坊です。おがさわら丸から見る朝焼けはとても美しく、楽しみにしていましたが、すっかり外が明るくなっていました。父島までは残り229kmもあるので二度寝。
■ 参考:おがさわら丸から見る初日の出
朝7時に再び起きると、この船が20分遅れであることを告げる船内放送が流れました。おがさわら丸の父島到着が遅れることは珍しいです。それほど揺れているようには感じませんでしたが、何かあったのでしょうか。
外へ出ると、やはり海はとても穏やか。波が立っていないので、海面におがさわら丸の影も映っています。そして、船に並走する1羽の鳥がカツオドリです。
離島や岩礁の上に巣を造っている海鳥で、日本では伊豆諸島南部や、小笠原諸島、硫黄列島、薩南諸島、琉球列島などに生息しています。ということは、近くに陸地があるということです。
見えました!こちらは小笠原諸島最北に位置する無人島・北之島。父島まではここから2時間近くかかります。
『カツオドリ』という名前は、カツオなどの大きい魚に追われて海面に上がってきた小魚を狙って集まる鳥(=カツオなどの魚群の存在を知らせてくれる鳥)というのが由来。
北ノ島~父島の海域にいるカツオドリたちは、カツオではなく、おがさわら丸に驚いた小魚(トビウオ)を待ち構えています。おがさわら丸にカツオドリが並走する光景は、小笠原名物のひとつです。
父島・二見港到着
そしてこちらが父島(とカツオドリ)。30余ある小笠原諸島の島々の中で2番目に大きな島で、約2,000人が暮らしています。
小笠原諸島にあるもうひとつの有人島で、約400人が暮らす母島までは、父島から出ているははじま丸で約2時間。同じ東京都内でありながら、都心から行くことの出来る世界で最も遠い場所のひとつと言えるでしょう。
スマホの電波も復活し、二見湾に入ると24時間の旅ももうすぐ終わり。何度経験しても、長いような短いような不思議な時間です。
おがさわら丸に向かって手を振り、「おかえりなさい!」と声を上げる人々がいました。「おかえりなさい」で始まり、「行ってらっしゃい」で終わるのが小笠原の旅。これもまた小笠原ならではの光景のひとつです。
おがさわら丸は20分遅れで父島・二見港に到着しました。東京へ戻るおがさわら丸が出港するのは4日後。飛行機は無いので、それまで父島や母島から出ることは出来ません。
大きな荷物を抱えたゲストを迎えるため、二見港には宿の皆さんが勢ぞろい。しかし、この日私には宿がありません。数時間後に再びおがさわら丸へ乗船し船内で1泊。さらに南に浮かぶ「硫黄島」を目指します。
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今回はここまで。本日もありがとうございました。
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