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今回は「2022年 与路島・請島旅行記」その2をお届けします。
★前回の記事は こちら ★
西郷隆盛銅像がある国道58号線の起点へ
2022年8月11日、大阪・関西空港へやって来ました。

11時20分発のPeach MM193便に搭乗し、向かう先は鹿児島空港です。

飛行機までは歩いて搭乗します。

関西空港から鹿児島空港までは1時間15分の空の旅。

到着しました。この日は夕方に鹿児島を出港する船に乗るため、それまで少し鹿児島市内を観光します。

ということで、空港から高速バスに乗り、鹿児島市街地にあるバス停「金生町」で降車。

そこから歩いてやって来たのは、鹿児島を代表する偉人・西郷隆盛の銅像がある交差点です。この銅像の写真を撮るために、多くの観光客が訪れる場所ですが…

私の目的はこちら!西郷さんの像の前にある国道58号線です。国道58号線は、ここ西郷隆盛銅像前交差点(鹿児島県鹿児島市)を起点に、種子島・奄美大島を経由し、沖縄県那覇市の明治橋まで続いています。海上区間を含めた総延長は879.6kmにもなる日本一長い国道です。
ただ、鹿児島市内区間はそのうちの約700mしかありません。ここからはその700mを歩いてみます(これが鹿児島市内観光です)。
■ 参考:沖縄本島で国道58号線を歩く旅
鹿児島市内区間の700mを歩く

国道58号線の起点周辺は公園や公民館、鹿児島県文化センターなどがあり、綺麗に整備されています。

標識によると、国道58号線を歩いた先には鹿児島港があり、そこから種子島・屋久島フェリーが出ているようです。

この先は少々道が狭くなり、朝日通り交差点では路面電車が国道58号線を横切ります。そして、街路樹の向こうにちらりと見えているのが、鹿児島のシンボル・桜島です。

国道58号線の道端には、桜島から降ってきた火山灰を回収する「宅地内降灰指定置場」が設置されていました。

こちらは道沿いの鹿児島県産業会館にあった鹿児島ブランドショップ。

鹿児島の名物・名産品が並ぶアンテナショップのようなお店で、なかなか見ごたえがありました。なお、現在は国道58号線沿いから移転しているようです。

桜島がより大きく見えてきました。次の交差点「泉町」のそばにあるのが三島村役場です。

薩摩半島の南南西に浮かぶ竹島・硫黄島・黒島から成る三島村。村発足から現在まで、三島村役場は三島村内ではなく鹿児島市内に置かれている非常に珍しい役場(役所)です。

ちなみに、三島村役場の近くには十島村役場もあります。また、沖縄県竹富町も役場は石垣島にありますが、かつて十島村は村内の中之島に、竹富町も町内の竹富島に役場が置かれていました。

三島村役場を通過したところで標識を見ると、「58」の数字が消えています。現在の国道58号線は港まで続いていないのです(鹿児島市泉町17番の8まで)。

現在の北埠頭旅客ターミナルや南ふ頭旅客ターミナルがある「本港新町」は、1986年以降の再開発(埋め立て)によって出来た地区。1966年の地図を見ると、現在の国道58号線は海沿いまで続いています。

ただ、国道58号線が制定されたのは沖縄県が本土復帰を果たした1972年5月15日のこと。鹿児島市内の国道58号線区間は昔から「朝日通り」と呼ばれ、現在もその名が普及しています。
朝日通りが国道58号線になった理由
それではなぜ朝日通りが国道58号線に選ばれたのでしょうか。ネットを調べる限り、明確な理由は出てこなかったので、その歴史的背景を考察します。

まずは国道の定義からです。1952年の新道路法改正により、国道は「一級国道」と「二級国道」に分けられ、前者には1桁もしくは2桁の番号、後者には3桁の番号が付けられました。一級国道と二級国道の違いは以下の通り。

つまり、国道58号線は都道府県庁所在地(鹿児島県鹿児島市と沖縄県那覇市)その他政治上、経済上又は文化上特に重要な都市を連結する道路ということです。しかし、1964年の道路法改正時により、一級国道と二級国道の分類は廃止。一般国道に統合され、それ以降に追加された一級国道には3桁の番号が付けられています。

国道57号線が制定されたのは道路法改正前の1963年。国道58号線は道路法改正後、特例として2桁が付けられたのでした。その後、2桁の国道の追加は無く、59号から100号は欠番となっています。
■ 参考:1

ここからが本題。鹿児島県鹿児島市と沖縄県那覇市を結ぶ国道58号線の鹿児島市内区間に朝日通りが選ばれたのは、やはり西郷隆盛銅像があったからでしょうか。銅像が作られたのは、国道58号線の制定よりもはるか昔の1937年。鹿児島市出身の彫刻家・安藤照氏により、8年かけて制作されたそうです。

西郷隆盛銅像が置かれる前、1902年の地図を見ると、銅像の場所には鹿児島県庁があり、県庁から港まで「旭通」が真っ直ぐに伸びていることが分かります。明治時代からこの道は鹿児島のメインストリートだったのでしょう。

実は国道58号線よりも先に、朝日通りは国道224号線の一部となっており(1953年制定)、鹿児島市内を通る国道58号線は全区間が国道224号線との重複区間です。新しく道路を国道に格上げするよりも、この方が手続き等が楽なことに加えて、国道10号線(一級国道)に接続しているのも都合が良かったのかもしれません。

ただ、国道58号線の海上区間を担う鹿児島ー沖縄航路を結ぶフェリーが出ているのは、国道58号線制定前の1968年から鹿児島新港です。
■ 参考:2
国道58号線の末端(三島村役場)と鹿児島新港の位置関係はこんな感じ。少々距離が離れているので、綺麗な一筆書きをすることは出来ません。ちなみに重複している国道224号線もまた海上区間を経て、桜島と繋がっています。
■ 参考:鹿児島ー沖縄航路の歴史

また、鹿児島ー沖縄航路は国道58号線が通る種子島には寄港せず、鹿児島の次の寄港地は奄美大島です。種子島行きの船は、南ふ頭旅客ターミナルから出ています。
■ 参考:フェリーはいびすかすで種子島へ

これにて鹿児島市内の観光は終了!桜島が見える海沿いのマクドナルドでしばし休憩。

マックの近くの歩道には、桜島の火山灰が降り積もっていました。

続いては北ふ頭旅客ターミナルから奄美喜界航路のフェリーに乗り、奄美大島・古仁屋港へと移動します。
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今回はここまで。本日もありがとうございました。
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