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今回は2016年「トカラ列島旅行記」その3をお届けします。
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宝島上陸!財宝伝説がある洞窟へ
2016年12月、トカラ列島最南端の有人島・宝島に到着しました。
島の名前の由来については、調べてみても分かりませんでしたが、イギリスの文豪・スティーブンソンが書いた小説「宝島」のモデルとなった島と言われています。
17世紀後半のイギリスの海賊・キャプテンキッドが財宝を隠したという伝説のある鍾乳洞(観音洞)へやって来ました。
洞窟の入口に置かれている観音様は島の信仰の中心になっており、島の人々はこの観音様を「カミサマ」と呼んで崇めているそうです。
いざ鍾乳洞の中へ。奥行きは500mもあり、また岩と岩の間にハブが隠れている可能性もあるので無理は禁物。
スマホのライトで足元を照らしながら、隠された財宝を探します。国内外から多くの探検家や賞金稼ぎの人たちも、ここを訪れているそうです。結局この日、私は財宝を見つけることが出来ませんでした。
宝島の土台となっているのは「琉球石灰岩」。島内には鍾乳洞がいくつか点在しており、地上でも琉球石灰岩が織りなすワイルドな自然景観が広がっています。
トカラ列島で地震が多い理由
この日の宿は「宝コーラル・ビーチ 夢ハウス」。
正確には宿ではなく、アイランダーの十島村ブースで紹介していただいた海の家です。コンセントや調理器具、さらに畳もありましたが、シャワーは屋外にある水シャワー。冬の夜にはなかなか厳しいものでした。
翌日の船は朝6時。さっさと寝ようとしたところ、海のほうから「ゴォォーッ」という音が聞こえた数秒後、建物がガガッと揺れました。地震です。
トカラ列島の東側には、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に潜り込むことで出来た「琉球海溝」があり、西側では「沖縄トラフ(海底盆地)」が東西に拡大を続けています。
こうした海溝とトラフの相互作用により、悪石島と小宝島の間に生じた水深1000m以上の海峡がトカラギャップです。
何らかの作用によって、トカラギャップに沈降を起こす断層が生じると、それと同時に横ずれ断層型の群発地震が発生することから、トカラ列島は地震が多い地域として知られています。
悪石島には東京大学地震研究所のアンテナと、鹿児島大学の地震観測点が設置されていました。ちなみにネットでは、トカラ列島での群発地震が発生すると、日本列島で大きな地震が発生するという「トカラの法則」が噂されていますが、これに科学的根拠は無いそうです。
また、トカラ列島の地震は、火山噴火との関連も危惧されています。トカラ列島には口之島・中之島・諏訪之瀬島に活火山があり、悪石島も火山島です。
■ 参考:2022年 諏訪之瀬島旅行記
さらに、約150km北方には「鬼界カルデラ(薩摩硫黄島)」があり、この火山で起きた約7,300年前の噴火と火砕流は、南九州縄文文化を壊滅させたとも言われています。
■ 参考:2017年 薩摩硫黄島旅行記
ひと晩で25回の地震を観測
このとき泊まっていたのは「海の家」ということで、もちろん海は目の前。1回の揺れは一瞬ですが、これが何度も続いたので、津波の可能性も考えて、避難した方がいいのか本気で迷いましたが、もう歩く気力が残っておらず、そのまま寝てしまいました。
後日発表された気象庁の資料によると、2016年12月8日夜から9日未明にかけて、震度1以上の地震が25回も発生していたようです。
そして、何事もなく朝を迎えることが出来ました。 しかし、何事もなかったのは私がいるトカラ列島の話で、ソロモン諸島では12月9日2時半過ぎにM7.8の大地震が発生していたのです。
日本への津波の心配はないということでしたが、念のため東海汽船の運航状況を確認すると、その日の船は全便一時運航見合わせとなっていました。ここでなぜ、東海汽船の運航状況を確認したのかというと、当時はフェリーとしまの最新の運航状況を知る術がなかったのです。
とりあえず港へ向かうと、フェリーとしまは定刻通り、宝島にやってきました。船内のスタッフの方に「地震・津波の影響とかないんですか」と確認してみると、「え、何のことでしょうか?」というまさかのお返事。さすがは日本最後の秘境を支える強い航路です。
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今回はここまで。本日もありがとうございました。
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