ブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は「与勝諸島を巡る旅」旅行記その3をお届けします。
★前回の記事★
250人が暮らす伊計島
沖縄本島から海中道路を渡り、平安座島・宮城島を経て、伊計島に上陸しました。

草木に覆われた小型の船。沖縄本島まで道路で繋がった島ですが、2つも島を超えてくると、本島とは全く違う、離島らしい雰囲気が感じられます。
伊計島は昔から「イチハナリ(一番離れた島)」と呼ばれています。

伊計島の中心にあるのが「仲原遺跡」。ここでは、縄文時代後期から弥生時代前期に作られた、沖縄県内最大の竪穴式住居が見つかりました。

1978年、サトウキビ畑として使われていた土地を調査した際に発掘され、現在は復元されたものが残されています。


古くから人が住んでいる伊計島ですが、国勢調査のデータによると、2020年はおよそ250人が暮らしており、高齢化率も高いです。

ほとんどの人が島の南部にある集落で暮らしています。フクギに囲まれた細い道は、いかにも沖縄らしい景色です。

ガジュマルのトンネルがありました。その根元にはベンチが置かれており、皆さんここに集まったりするのでしょう。

海へ出ました。砂浜もありますが、人は誰もおらず、プライベートビーチ状態です。

海の向こうに見えているのは宮城島。とても近い場所にあることが分かります。

桟橋がありました。海中道路と橋で繋がる前の時代、沖縄本島からの船はここに接岸したと思われます。

現在は、沖縄本島から車(私は原付)で訪れる人がほとんどですが、公共交通機関として路線バスの運行もあります。
島の産業は農業がメイン

GoogleMapを見ると、こちらは伊計島漁港のようですが、船は1隻しかありません。

人口250人で就業者数は76人。統計上、漁業を営んでいる人は4人しかいません。

こちらは集落にあった山根清義翁之像。
像の下に紹介文が書かれていましたが、写真を撮り忘れてしまったので、どんな人か調べるため「山根清義 伊計島」でヤフー検索をすると結果は9件。あまり有名ではないようですが、経済面で島に多大な貢献された方のようです。

伊計島共同売店が、島で唯一の商店です。
入口ドアに書かれている商品をみると、「食料品」よりも上に「黄金芋」が書かれています。約20年前に茨城から沖縄に持ち込まれた糖度の高い芋で、沖縄では伊計島と伊江島だけで栽培されています。

また、店先にはN高生作品なるものが置かれています。
もともと島にあった伊計小中学校は、2012年をもって109年の歴史に幕を閉じました。その後、2017年からは、ドワンゴが運営する通信制高校「N高」が、伊計小中学校の廃校舎に置かれたそうです。
その影響か、2015年から2020年の人口を見ると、増加傾向が見られます。

N高生が作った看板の中に、「ここに駐車すると、おじぃが耕運機でぶっけちゃいます」と書かれたものがありました。
これはいったい、どういうことでしょうか。

伊計島には、こんな感じで、多くの農耕車が道路を走っています。畑から突如、先端のシャベルの部分が道に飛び出してくるので、道路を走るときは本当に注意が必要です。

道路標識にも「農耕車に注意」というものがあります。

農耕車が多く走るせいか、道路に土が被り、赤茶色になっています。

そんなわけで、伊計島の産業の中心は農業です。
地図で伊計島を見ると、周囲およそ7.5kmの小さな島の大部分が、畑として整理されていることが分かります。

実際に島内を走っていても、カーブがあまりなく、直線と十字路ばかり。そして草の背が高いので、わき道からやって来る農耕車の姿も見えません。
そして恐らく商店にも、島民の皆さんが農耕車でやって来るので、車を止めておくのは危険ということです。

集落には「伊計島産小麦粉販売中」の案内もありました。
2018年、伊計島で50年ぶりに小麦栽培が復活し、農薬や化学肥料を使わない栽培が行われているそうです。

こちらの建物は「伊計島パパイヤ組合」。パパイヤの生産も盛んなようです。

サトウキビ畑が多いのはもちろんですが、伊計島で多く見られたこちらの作物。
恐らくこれは「葉タバコ」です。
沖縄県は、葉タバコの耕作面積が熊本県に次いで全国第2位。この葉っぱを収穫し、茶色くなるまで乾燥させ、タバコ製造業者に出荷するそうです。

こうして写真を撮ると、一面に葉タバコ畑が広がっているようにも見えます。
リゾートホテルもある

サトウキビ畑にずらっと電柱が並んでいます。
この電線は島の北端部にある、AJリゾートアイランド伊計島まで続いています。

元々は、1989年にオープンした「ビッグタイムリゾート伊計島」でしたが、2012年に閉館。
全面改装の後、2014年からAJが開業しました。沖縄では珍しく、地下1135mから湧き出る天然温泉を楽しめる場所でもあります。

他にもビーチがあったりするので、夏は観光客も多く訪れるようです。

こちらは少し離れたところからみた伊計ビーチ。
というのも、駐車場は無料ですがビーチへ入るのに施設利用料としてお金がかかります。その分、トイレやシャワーはもちろん、レンタルなども充実しています。

「大泊ビーチ」は、昭和レトロを感じさせる看板がお出迎え。こちらは駐車場が有料で、原付もお金を取られそうな雰囲気だったので、スルーします。

道端に倒れていた看板。砂や木、小鳥などを取ってしまう観光客に向けて「我身をつねて人の痛さを知れ」とのこと。こうしたメッセージが自治会から出されているのが凄いです。

ということで、伊計島はここまで。
宮城島 果報バンタからの絶景

伊計島から橋を渡って、宮城島へ戻ってきました。
ここで少し寄り道。道路沿いにある【ぬちまーす】の看板を曲がります。

こちらがぬちまーすの工場。「ぬちまーす」は「命の塩」という意味。宮城島の太平洋側の海水を原料にした塩が製造されており、空港などにも販売されています。
見学は無料ですが、以前も見学したことがあるので、今回はパス。
★参考:ぬちまーす工場★

ぬちまーす工場の駐車場からは、沖縄本島周辺でも屈指の絶景スポット・果報バンタへ行くことが出来ます。寄り道したのは、この景色を見ることが目的です。

「バンタ」は、沖縄の方言で「崖」という意味。英語では「HAPPY CLIFF」と言われています。
この絶景です!水中に見えている黒い部分はサンゴ。全国各地に海を見渡す展望台がありますが、その中でもトップクラスに美しい眺望だと思います。

午前中は、太陽の光が海に反射して逆光になり、午後は陰になるので、お昼前後の時間がおすすめです。さらに、潮が引き始めたタイミングがベストです。

椅子などはなく、展望台のスペースも狭いですが、人が少なかったので、のんびり過ごすことが出来ました。

続いては、宮城島から平安座島へ。

道端で野菜が売られていました。
【■ナあります】と書かれていますが、何があるのでしょう。2つの袋が置かれていたので、中を覗いてみると…

何も入っていませんでした(笑)恐らく正解はバナナですが、この日の分は全て売れてしまったのでしょう。

時刻は13時半過ぎ。そろそろお腹が空いてきたところで平安座島上陸。
こちらの看板に書かれている『アバサー』は、ハリセンボンのこと。せっかく島を旅しているので、こうした島グルメも気になるところですが…

昼食は平安座島のローソンで買った菓子パンとなりました。島にコンビニがあること自体、全国的に珍しいので、これはこれでありでしょう。
.
今回はここまで。本日もありがとうございました。
★続きはこちら★
コメント