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今回は【2020年 対馬旅行記】その5をお届けします。
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棹崎展望台から韓国は見えるか
2020年1月28日14時、姫神山砲台跡の次に向かうのは「対馬野生生物保護センター」です。
距離はおよそ60km。施設への最終入場時刻は16時なので、急いで向かいます。
和多都美神社に寄り道
と言いつつも、途中で和多都美神社に寄り道。
境内から浅茅湾に向かって5つの鳥居が並び、うち2つが海中に建てられているという、少し珍しい神社。
海や水の女神である「豊玉彦尊」が祀られており、漁業をはじめ、航海安全の神として信仰されてきたそうです。
境内には「テロ対策警戒実施中」という看板がありました。韓国人観光客とのトラブルが頻発していたようですが、私が訪れた時は誰もおらず、10分ぐらい滞在し、再び車を走らせます。
ツシマヤマネコ飛び出し注意
対馬南部・厳原と北部・比田勝を繋ぐのは国道382号線。対馬から海上区間を通過し、佐賀県・唐津まで続いています。
道路沿いには、「ツシマヤマネコ 飛び出し注意」の看板もありました。
15時40分、島の北部にある対馬野生生物保護センターに到着。こちらは無料で見学することが出来る施設です。
かつては対馬全域に広く分布していたツシマヤマネコですが、交通事故や生息環境の悪化などで生息数が減少。現在の推定生息数は70頭~100頭とされており、1971年には国の天然記念物にも指定されています。
韓国語での案内もありますが、日本語訳が付いていないので、何が書いてあるのかは不明です。
施設内では、ツシマヤマネコの特徴やそのルーツについて、パネルや映像で知ることが出来ます。私が訪れた時には、他に見学者がいなかったこともあり、スタッフ方に案内もしていただけました。
対馬野生生物保護センターを見学
日本では対馬にだけ生息するというツシマヤマネコ。約10万年前の氷河期、陸続きだった大陸から渡って来たそうです。
ツシマヤマネコは「ベンガルヤマネコ」の亜種になります。その特徴は以下の通り
- 耳の後ろに斑点がある
- 胴長短足
- しっぽが太くて長い
- 耳の先が丸い
- 眉間に縦縞が入っている
ネコには「野生ネコ」「イエネコ(ペットのネコ)」という種類分けがあり、日本に生息する野生ネコはツシマヤマネコと、沖縄・西表島に生息する『イリオモテヤマネコ』の2種類のみとなっています。
こちらが飼育・展示されている、ツシマヤマネコの「かなた」さん。木箱の中でお昼寝中だったので、その全形や動いている姿を見ることは出来ず。どうやらツシマヤマネコは、日本全国の動物園でも飼育・展示されているようで、かなたさんの生まれも福岡市動物園です。
韓国展望所から韓国は見えるか
私が野生生物保護センターを訪れた本当の目的はツシマヤマネコではありません。
『日本最北西端到達証明書』、これをゲットしたかったのです。対馬のパンフレットや野生生物保護センター内にも案内などはなく、センターの受付で確認すると発行していただけました。
こちらが野生生物保護センターの裏、棹崎(さおざき)展望台ある日本最北西端の碑です。
センター内には【韓国情報】もあります。日付が前日のままになっていますが、前日は韓国が見えなかったようです。
対馬から韓国までは約50km。対馬からは博多よりも、アジア大陸の方が近いのです。
展望台に看板などはないので、どの方角に韓国が見えるのか分かりません。直感的にこちらではなさそうです。
水平線をよく見ると、沖に船がいます。そしてその背後にうっすらと島影が見えるような… いや、この天気だと韓国を見ることはきっと難しいです。
これだけ見渡しがいい場所なので、昔は砲台が置かれており、今もその跡が残されています。
野生生物保護センターと棹崎展望台には合計20分ほど滞在。せっかく国境までやって来たからには、海の向こうにある異国の景色を見てみたいものです。
わずかな可能性に期待して、続いては韓国・釜山の夜景が見えると言われる韓国展望所へ移動します。ちなみに、この日の対馬の日没は17時49分です。
出発前に車のラジオをいじっていたら、韓国のラジオが入りました。国境の地ならではの体験です。
韓国のラジオを流しながら、カーナビで指定された道を走っていたら、あと少しで到着というところで、通行止めになってしまいました。
GoogleMapを頼りに、別のルートから韓国展望所に到着。
こちらが展望所。相変わらず曇っており、私以外誰もいません。
こちらは韓国展望所にあった写真。天気などの条件が揃うと、このように韓国・釜山の夜景が見られるようです。
国防の最前線・海栗島
水平線を眺めていると、対岸の島から一艇のボートが対馬にやって来ました。
対馬の北には「海栗島(うにしま)」があります。島の周辺で良質なウニが獲れることが島名の由来です。航空自衛隊の分屯地(レーダー基地)となっており、年に一度のお祭りの時以外、一般人は立ち入ることが出来ません。
ちなみに、さらに北には「三ツ島(みつしま)」という無人島があり、そこが日本で一番韓国(大陸)に近い島です。
比田勝港周辺を散策
結局、韓国展望所から釜山の夜景は見えず。最後に比田勝港周辺を散策して、厳原港まで戻ります。
こちらが『比田勝港国際線ターミナル』。韓国と対馬を結ぶ高速船が発着する港です。
比田勝↔釜山間の所要時間は約1時間。時期によっては、約7,000円で往復することが出来てしまいます。
港周辺は韓国風の雰囲気。
スーパーも日本語よりもハングルの表記が多いです。
こちらはカフェ兼お土産屋さんでしょうか。お店の看板に日本語が書かれていないので、何のお店なのか分かりません。
ただ、韓国っぽい感じはこれくらい。こうした「ザ・日本の食堂」もあります。
昭和の雰囲気を残すビジネスホテルにも、ハングルの表記などはありません。もっと異国の雰囲気があるかと思っていました。日本最北端・稚内の方がロシア語表記が多いような気がします。
厳原で車中泊 さらば対馬
比田勝から厳原までは約75km、1時間半ほどかかるようです。
寄り道なしで、雨降る暗い道を走り続け、厳原に到着したのは20時半過ぎ。改めて大きな島であることを実感します。途中、1匹のネコが私の車の前を猛ダッシュで横断していきました。あれはツシマヤマネコだったのでしょうか…
港の駐車場に車を停めて厳原の市街地へ。居酒屋など、飲食店も並んでいますが…
私がやって来たのはファミリーマートです。
ファミマのイートインスペースで夕食を済ませました。
そして、この日は車中泊。寝袋も持参していましたが、寒さと車体に打ち付ける雨の音で、なかなか寝ることは出来ませんでした。
翌朝7時、レンタカー屋さんのオープンと同時に車を返却。滞在時間約20時間で走行距離は228km。島旅の割にだいぶ走りました。ガソリン代は約3,000円です。
厳原港で博多までの乗船券をゲット。
平日ですが結構な人が乗船するようです。この日は2020年1月30日。この2日前、日本で初めて中国・武漢市への渡航歴がない方が新型コロナウイルスに感染しました。この写真を見ると、すでに多くの方がマスクをしています。
8時50分、フェリーちくしは対馬・厳原港を出港。島旅の魅力は自然や絶景だったりするので、天気が悪いと退屈するものです。今回は終始曇りと雨でしたが、十分楽しむことが出来ました。
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今回はここまで。本日もありがとうございました。
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