観光アイデアノートvol.9では、旅行者が沖縄に「のんびり&リゾート感」を求めていると分かりました。しかし、せっかく沖縄までやって来て、ずっとのんびりしていては退屈です。レンタカーを借りる旅行者が多いこともあり、もっと何かしら求めているはず…
そこで今回はアンケート調査第2弾!予め30の選択肢を用意し、「沖縄旅行でやりたいこと」を5つ選んでいただく調査をTwitterで実施しました。その結果、210件の回答(年齢・性別・居住地は問わず)をいただいたので、人気上位から順にご紹介します。
■ アンケートフォームは こちら (引き続き回答をお待ちしております)
沖縄旅行でやりたいことは何か
1位 ビーチに座って何もしない 42.4%
1位は予想通りの結果となりました。やはり沖縄の海を見ながら、のんびりと過ごしたい人は多いようです。しかし、ぼーっとしているのも1時間が限度だと思います。日焼けを嫌がる人も多いです。
2位 沖縄そばを食べる 40.0%
沖縄そばの人気が高いのは、『旅先のグルメを楽しみにしている人』が多いことの裏付けと言えるでしょう。沖縄には様々な郷土料理がありますが、沖縄そばほど知名度が高い料理はありません。
3位 ダイビング 38.6%
海の体験の選択肢は他にも用意していましたが、ダイビングの人気が高いのは意外でした。ダイビングのライセンスを持っていなくても、「せっかくの沖縄だから挑戦したい」「沖縄の海の美しさを存分に堪能してみたい」という欲求から、この選択肢を選んだ人も多かったのではと考えられます。
4位 珍しい自然の景観を見る 31.4%
こちらは有名観光地・万座毛。他にも古宇利島のハートロックなど、定番の観光スポットになっている珍しい自然景観は沖縄各地に点在しています。こうしたスポットを巡るドライブ旅は、沖縄旅行の定番の楽しみ方です。
5位 リゾートホテルで何もしないでまったりする 28.1%
前回の調査結果から、この選択肢が1位or2位に入ると予想していましたが5位。やはり皆さん、沖縄旅行に「のんびり」だけを求めているわけではなさそうです。これが分かっただけでも、今回の調査は実施した価値がありました。
人気の体験を調査してみた結果
しかし、せっかくなので引き続き全ての選択肢のランキングをご紹介します。
6位はガイド付きのシュノーケル体験(24.8%)。ダイビングよりもシュノーケルの方が上位に入ると予想していました。『ガイド付き』というのが理由でしょう。ダイビングと比べたシュノーケルの魅力は自由度の高さですが、ガイド同伴だとなかなか自由に泳ぐことは出来ません。
7位は琉球ガラスの見学・体験(23.8%)。沖縄旅行のお土産として人気の琉球ガラス。棚に並ぶ色とりどりのグラスなどを眺めているだけでも楽しい体験です。琉球ガラス村のように、自分でガラス作品を作ることが出来る観光施設もあります。
8位はホエールウォッチング(23.3%)。個人的にもおすすめしたいアクティビティがトップ10に入りました。冬の時期、沖縄本島周辺に子育てと繁殖ためにやって来るザトウクジラを船から観察する体験です。那覇からもツアーが出ているので、手軽に楽しむことが出来ます。
9位はシーカヤック(22.9%)。カヤックなら全身濡れずに、沖縄の美しい海をのんびりと楽しむことが出来ます。知る人ぞ知る沖縄の海の楽しみ方と言えるでしょう。
10位はマングローブカヤック(21.9%)。こちらはマングローブの森をカヤックで漕ぐ体験です。沖縄本島中北部や西表島で楽しむことが出来ます。ちなみにこちらは奄美大島で撮った写真です。
11位は戦跡ツアー(19.5%)。沖縄ではあまり紹介されることがなく、ツアーもほとんどありません。しかし、小笠原諸島や海外では行われており、今回の調査でも11位なので、一定の関心は集めていることが伺えます。
■ 参考:沖縄と戦争の歴史
11位は三線で1曲弾けるようになる体験(19.5%)。沖縄を代表する楽器・三線。やはり興味がある人が多いようです。
13位は亜熱帯の森のトレッキングツアー(18.6%)。恐らく「亜熱帯」を「やんばる」に変えたら、世界遺産ブランドのパワーで、より多くの票が集まったと思います。海の自然が人気である一方、沖縄の陸の自然はまだまだ注目度が低いです。
「亜熱帯の森のトレッキングツアー」と同率の13位は赤瓦の古民家で過ごす体験(18.6%)。赤瓦の古民家は沖縄を代表する景観のひとつ。昔懐かしいとはまた違う、沖縄の独特な雰囲気が感じられます。
15位はカフェ巡り(17.1%)。アメリカンや海辺を感じられるお洒落なカフェがあちこちにある沖縄。そうしたカフェをまとめた雑誌や記事も多く、人気の高さが伺えます。
カフェ巡りと同率の15位はグスク巡り(17.1%)。沖縄では「城」と書いて「グスク」と読みます。日本本土にあるお城とは異なり、琉球王国以前の沖縄に建てられた石積みの構造物です。
■ 参考:沖縄のグスクとは何か
17位は地元の人の家に泊まる沖縄生活体験(16.7%)。沖縄を訪れる修学旅行生が体験する『民泊』がこれに該当します。
18位はローカルスーパーの見学(15.7%)。旅先で地元の人との交流を楽しみにしている人もいると思いますが、今回の調査ではローカルな沖縄体験はあまり人気が無いという結果になりました。
■ 参考:ファーマーズマーケットが面白い
19位は海釣り(15.2%)。私は沖縄で海釣りを体験したことがありません。こちらは高知県の鵜来島で海釣りを体験した時に撮った写真。ちなみにこの時は船酔いをして、途中でノックアウトしました。
■ 参考:2018年 鵜来島旅行記
20位はアメリカンな体験(14.8%)。沖縄では琉球王国時代からの独特な文化だけでなく、アメリカンなカルチャーも至る所で見られます。札幌は「締めパフェ」であるのに対し、沖縄は「締めステーキ」です。
■ 参考:米軍基地にあるレストランに行ってみた
ディープな沖縄の楽しみ方
ここまでは30人以上の人が「やりたい」と選んだ体験でした。ここからは選んだ人が29人よりも少ない体験をご紹介します。
21位は沖縄の「昭和レトロ」な体験(12.9%)。沖縄では昭和に販売されていた商品が今も販売されていたり、レトロなバスが走っていたりします。『昭和』を随所に感じることが出来ることはあまり知られていません。
22位は泡盛酒造の見学(11.9%)。トップ5に入るかと考えていましたが、今回の調査で最も予想外の結果になった体験です。沖縄のお酒といえば「オリオンビール」が定番ということでしょうか。
■ 参考:オリオンビールの工場見学へ
23位は夜の密林散策体験(10.0%)。ハブが出現する可能性が高いことから、沖縄ではナイトツアーがほとんどありません。おきなわワールドではナイトツアーが行われていますが、どうやらハブよりも「渋滞」が課題となっているようです。
■ 参考:https://agenda-note.com/brands/detail/id=3558&pno=1
夜の密林散策体験と同率の23位は雑貨・古着屋巡り(10.0%)。雑貨や古着を通じて、沖縄らしさやアメリカンな雰囲気を楽しむことが出来る体験です。
さらに同率の23位は沖縄風のお弁当を食べる体験(10.0%)。朝の沖縄の市街地を歩いていると、どこかしらでお弁当が販売されています。ボリュームがあり、お値段も安いのでおすすめです。
26位はフクギ並木を歩く体験(9%)。台風の風や火事の延焼を防ぐため、昔ながらの沖縄の家は周囲をフクギに囲まれています。沖縄らしい景観を楽しむことが出来る体験で、美ら海水族館の近くにある「備瀬のフクギ並木」には多くの観光客が訪れています。
26位は沖縄の海底から採れた泥で石けんを作る体験(9%)。沖縄南部の海底でしか取れない泥「クチャ」。ミネラルが豊富に含まれていることから、その美容効果が注目されています。最近国際通りにもクチャの専門店が出来ました。
28位はガイド付き集落散策(7.4%)。「まち歩き」は日本各地で開発されている観光コンテンツですがこれが現実です。
29位はバナナの収穫体験(7.1%)。全国各地で人気のフルーツ狩り。バナナは日本人に人気の果物である一方、ほとんどが外国産であるため、収穫作業は珍しい体験です。しかし、人気は得られませんでした。ちなみに、愛知県でもバナナ狩りが行われており、そちらは大人気となっているようです。
そして、今回の調査で最も人気が無かったのは「シーサー巡り(6.2%)」でした。宮城県鳴子温泉では「こけし」が人気なので、それと同様に沖縄のシーサーも人気かと思ったのですが…
その他の回答で最も多かったのが「やちむん」です。やちむんとは「焼き物」のこと。途中から選択肢としても追加し、合計13人(シーサーと同じ数)の方がやちむんに関連する体験をしたいと答えています。
ご協力ありがとうございました!
今回はアンケートにご協力いただきありがとうございました!結果を見ていかがだったでしょうか。魅力的な地域資源を発掘するためには、外からの視点が不可欠です。
上の写真に映っているものが、ある地域では価値があるとされていても、旅行者からしたら「え、ごみじゃん」となります。どんなにその価値を説明しても、旅行者からしたら「へぇ」で終わり。 観光に取り組む人の旅行経験が少ないためと、こうしたズレが日本各地で起きているのです。
★こちらのアンケートもご協力お願い致します★
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