冬の北海道!雪道のオロロンラインを歩いて稚内へ ホワイトアウトの危険も|2020 旅行記8

2020年→2021年 年末年始の旅

ブログをご覧いただきありがとうございます。

今回は【2020年→2021年 年末年始の旅】旅行記その8をお届けします。

★前回の記事は こちら

雪道のオロロンラインを歩いて稚内へ

真冬の抜海漁港(稚内市)で野生のゴマフアザラシに出会うことが出来ました。

しかし、この日のメインイベントはここから。抜海漁港の最寄り・抜海駅を出る次の列車は6時間後。極寒の無人駅で待っているのも退屈なので、15km以上先の稚内駅まで歩くことにしました。

今回歩く道道106号線は「オロロンライン」という愛称で親しまれており、海沿いの風光明媚な景観を楽しめることから、ドライブやツーリングで人気のルート。ネットでは『北海道で最も有名な道』とも紹介されています。

歩き始めてすぐに「利尻礼文サロベツ国立公園」のエリアに入りました。

以前の旅先で、自転車で日本一周をした方から「オロロンラインが一番よかった」という話を聞いていたため、「いつか行きたい」と思っていた場所です。

しかし、真冬にこの道を歩いたことがある人はほとんどいないはず。自転車も走ることは難しいと思われます。

若いうちしか出来ない貴重な体験であることは間違いありません。雪に映った自分の影を記念に撮影をしました。

時刻は午後1時前。稚内駅から旭川方面に向かう宗谷本線が18時発なので、それまでには到着しなければなりません。この雪道を1時間に3km進むのがノルマとなります。

ホワイトアウトの危険も

ただこれは本当に命がけの挑戦です。

こちらは歩いている途中に前方からやって来た除雪車。

車道に積もった雪を歩道の方へと吹き飛ばしていきます。海沿いなのでもともと雪は少なめで、こうして除雪もされていますが、歩道にはすね当たりまで積雪があります

そのため、基本的にはかろうじて見えている白線と歩道の間を歩きながら、たまに車が来たら歩道で待避するというような進み方です。

歩く距離が長いため、歩きやすさを重視して、靴は沖縄で普段履いているスニーカーのまま。抜海駅から抜海漁港に向かう時点で、靴の中に雪が入り込んでおり、すでに足先の感覚は失われていました。

持参したカイロを靴下の中に入れて温めようとしましたが全く発熱せず。どうやら気温が低いと反応が遅くなるそうです。服装はトレーナーにダウン2枚、スパッツの上にウィンドブレーカー。さらにネックウォーマーを装着し、ニット帽の上にフードを被って歩いていました。

海からの強い風が吹き、稚内駅に到着するまで「身体が温まってきた」という感覚はありませんでしたが、歩きながら寒さで震えることも無かったので、発生した熱が一瞬で奪われていたのだと思います。

稚内の市街地に入るまで10km近く、写真のような景色の中を歩きます。大自然すぎてコンビニはもちろん民家もありません。疲れたと思っても、立ち止まって休むには寒すぎます。歩き続けるしかないのです。

一方で、青空も見えており視界は良好。写真を見ても分かる通り、雲の流れが速く、明るくなったり暗くなったりを繰り返していますが、雪や雨も降っていません。

水平線の先も明るいです。今回はこうした天候状況が続くことを事前に確認した上で歩いています。さらに私は以前、-17度の北海道・美瑛を10km近く歩いた経験もあり、真冬の北海道を歩く感覚も分かっていました。

動物の足跡を見つけました。キツネでしょうか。様々なリスクがある一方、この時期は「クマ」に出会う可能性は低いので、そこは安心して歩くことが出来ます。

シカに注意の標識もありますが、私が何より恐れていたのは地吹雪によるホワイトアウト。視界が悪い中で歩いていると、交通事故の危険性もあります。

出発から1時間が経過残り11km。1時間で5kmというなかなかのハイペースです。

稚内駅を出発する列車は18時で、先ほどはそれまでに間に合えばいいと綴りましたが、日没の時間も気にしなければなりません。暗い道を歩くのも危険です。

冬の北海道を歩く旅はおすすめしません

寒さ・体力・時間・天気、そしてたまに通過する車を気にしながら歩くことが出来る自信が無ければ、真冬の北海道を歩く旅はおすすめしません。

難易度は非常に高いですが、この雄大な大自然の中を歩く感動は、言葉で表現するのが難しいほど特別なものだと思います。

歩き始めてちょうど1時間半。稚内市街まで残り9kmとなりました。

本当は写真もたくさん撮りたかったですが、極寒の環境では充電が一瞬で無くなってしまうので、1枚1枚を大事にしなければなりません

残り8km。抜海漁港と稚内駅のちょうど中間地点で、まだ距離があるように思えますが、これはあくまで道道106号線の起点がある稚内駅前までの距離

間もなく稚内半島の先端・ノシャップ岬との分岐点が現れ、ここからは稚内市街地へ入っていきます。

ということで、海沿いを歩くのもここまで!家もちらほら出てきました。かなり神経を使って歩いていたので、家があるだけでほっとした気分になります。

歩道もしっかり除雪されています。もうここまで来れば安心です。

道路標識も「シカに注意」から「子どもに注意」に変わりました。

こちらは稚内名物・ロシア語が書かれた道路標識。

そして、セイコーマートがありました。少し休憩しようかと思いましたが、せっかくなので稚内駅周辺を観光する時間も欲しいです(まだ体力にも気力にも余裕がありました)。

結局休憩なしで歩き続け、抜海駅のお隣・南稚内駅に到着しました。宗谷本線を使うと約15分ですが、歩くと3時間45分かかりました。

旭川から稚内まで続く国道40号線に合流。旭川からの距離が248kmもあることを考えると、私が歩いた距離は大したことありません。

国道40号線は、稚内駅から天塩町にある天塩大橋までの約60kmが国道232号線との重複区間となっています。国道の重複区間としては恐らく日本最長です。

抜海漁港を出発してから約3時間半、ちょうど暗くなる頃に稚内駅へ到着しました。

ここまで飲まず食わずで歩き続けてきたので、とりあえず休憩。旭川のホテルから持ってきた水は、すっかり凍ってしまっていて、飲むことが出来ませんでした(笑)背中に背負って歩いていたので、ずっと揺れていたはずなのに凍るという… それだけ気温が低かったということでしょうか。

まだ列車の時間まで1時間以上あるので、少し稚内駅周辺を散策します。

.

今回はここまで。本日もありがとうございました。

★続きはこちら★

コメント

タイトルとURLをコピーしました