徳之島が子宝と長寿の島である理由~徳洲会との関係と島の産業をご紹介|2022 旅行記2

旅の思い出

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今回は「2022年 徳之島旅行記」その2をお届けします。

★前回の記事★

徳之島が子宝と長寿の島である理由

2022年5月19日、奄美大島から船で徳之島・亀徳新港に上陸。港からは路線バスで徳之島空港へやって来ました。

徳之島空港の愛称は「徳之島子宝空港」。徳之島は合計特殊出生率が高いことから、『子宝の島』として知られています

合計特殊出生率とは15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの。少し古いデータですが、平成25年~平成29年人口動態保健所・市区町村別統計の概況で公表されている合計特殊出生率が高い市町村のランキングがこちら。

徳之島3町(伊仙町・徳之島町・天城町)が上位10以内にランクインしており、子供が多い様子が伺えます。一方で徳之島3町を合わせた人口ピラミッドがこちら。

2020年国勢調査より

子供たちだけでなく、75歳以上の高齢者の方も非常に多いことが分かります。

厚生労働省の資料によると、人口10万人当たりの100歳以上人口数の全国平均は72.13人。47都道県の中で最も多い島根県でも142.41人です。これに対し、徳之島3町における人口10万人当たりの100歳以上人口数は197.22人にもなります。

一時期、長寿世界一としてギネスに認定されていた泉重千代さん(享年120歳)と本郷かまとさん(享年116歳)も共に徳之島出身。このことから徳之島は「子宝と長寿の島」と言われているのです。

RESASより

一方こちらは徳之島3町を合わせた人口の推移。子供と高齢者が多いにも関わらず、人口は減少し続けています。島内には高校まであるため、大学進学を機に島を出て、帰って来ない人が多いということでしょうか。

徳洲会と徳之島の関係

長く生きるためには健康が不可欠です。

こちらは亀徳新港から歩いて30分ほどの場所にある「徳田虎雄顕彰記念館」。徳田氏は国内最大級の民間医療グループ・徳洲会の創設者で。1938年に兵庫県高砂市に生まれ、2歳の時に徳之島へ移住してきました。

小学校3年生のとき、弟が病に倒れたことが徳田氏の転機となります。当時の徳之島には満足な医療が出来る施設や設備はなく、弟さんはそのまま亡くなったそうです。そこから徳田氏は医師を志すようになり、徳之島高校在籍中に大阪の高校へ転校。その後、大阪大学医学部へ進学しました。

大学卒業後は「生命だけは平等だ」を理念に掲げ、1973年、大阪府松原市に「徳田病院」を設置。さらに1975年には、医療法人徳洲会を設立しました。徳洲は「徳之島」を指すそうです。

記念館では、こうした徳田氏の生い立ちを知ることが出来ます。

記念館設立の発起人は2017年当時の徳之島3町長。徳洲会グループの施設がある徳之島3町(徳之島町・天城町・伊仙町)、沖永良部島2町(知名町・和泊町)、与論町、瀬戸内町、屋久島町で、徳田氏は名誉町民にも選ばれており、地域医療に大きく貢献してきたことが伺えます。

75歳以上の徳之島町民はバス無料

徳之島が子宝と長寿の島である背景には、少なからず徳洲会グループの影響があるはず。島で生まれて、島で最期を迎えることが出来る医療体制があるのは、暮らす上での安心材料であることは間違いありません。

記念館の敷地内には、木花咲耶姫(家庭円満・安産・子安・水徳の神)を御祭神とした徳洲神社も併設されています。

こちらは富士山の溶岩を積んで作られた『富士塚』。頂上に立つ小さな赤い鳥居の向く方向に、富士山(木花咲耶姫を主祭神とする富士山本宮浅間大社)があるそうです。

島の産業(仕事)の中心は農業

島で子育てをして、そして長く生きる上では、健康だけでなく仕事も重要です。税金を納めるための現金収入が必要となります。

2020年国勢調査より

こちらが徳之島3町を合わせた産業構成。『医療・福祉』よりも『農業・林業』に従事している人が多いことが分かります。

島の道路を走るトラクター

島の総面積のうち約28%が農地。温暖な気候を生かして、様々な作物の栽培と畜産を組み合わせた農業が営まれています。

亀徳新港には「島の基幹作物」として、さとうきびが置かれていました。

島を歩いていても、あちこちでさとうきび畑が見られます。収穫されたさとうきびは、島内にある2つの製糖工場(南西糖業の徳和瀬工場・伊仙工場)で加工・抽出され 、主に分みつ糖として島外へ出荷されています。

しかし、さとうきびよりも農業産出額が多いのは畜産(令和3年度)です。他の鹿児島や沖縄の離島と同様に、徳之島でも肉用牛の繁殖が行われており、写真のように、放牧された牛の姿を見ることが出来ます。

★参考:人より牛が多い島もある★

道端にあったバレイショ現金買取所

徳之島町と天城町では、農業産出額のトップが肉用牛となっていますが、伊仙町ではさとうきび・肉用牛よりも、ばれいしょ(じゃがいも)の産出額が多いです。お隣の沖永良部島とともに、鹿児島県のブランド産地にも認定されています。

★参考:沖永良部島とじゃがいも★

そして、徳之島の農業産出額ランキングで、肉用牛・さとうきび・ばれいしょに続くのがマンゴーです。写真は島内にあった直売所ですが、ネット通販やふるさと納税などでも購入することが出来ます。

こちらは道端に生えていたドラゴンフルーツ。他にも徳之島ではたんかんやパッションフルーツなど、様々な熱帯果樹の栽培が行われています。

島内で収穫された農作物や牛は船で出荷されます。鹿児島~沖縄航路の船内にある「農作物出荷のピーク時期は船が遅れるかもしれない」という注意書きは、この地域の経済活動を象徴するものです。

このように農業が盛んな一方で、周囲を海に囲まれているにも関わらず、漁業に従事している人の割合は0.2%。これも畜産と同様、鹿児島や沖縄の島々に共通している特徴です。

★参考:沖縄県の産業について★

ということで、徳之島子宝空港から『ウンブキ』と呼ばれる観光スポットまで歩いて来ました。ウンブキを見学した後は平土野まで歩き、再び路線バスに乗車します。

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今回はここまで。本日もありがとうございました。

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