昭和レトロ?奄美観光ハブセンターを見学!ハブとマングースの闘いを見る|2024 旅行記14

島旅

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今回は「2024年 鹿児島県の離島を巡る旅」その14をお届けします。

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奄美観光ハブセンターを見学

2024年3月14日、この日はバス&徒歩で奄美大島を観光します。

時刻は9時過ぎ。まずは、Googleマップで見つけた奄美観光ハブセンターへ。名瀬港から歩いて10分ほどの場所にあります。

昭和レトロな施設

到着しました。外観は古い民宿のような雰囲気。1974年に設立された施設だそうです。公式ホームページもなく事前情報はほとんどありませんでしたが、港から近く、「ハブが見られるだろう」と思い立ち寄ってみました。

入場料500円を支払い、中へ入るとまずはハブ酒がお出迎え。その隣には、瓶に漬けられる前の、生きていた頃のハブと思われる写真も添えられています。

続いて地下の「ハブ飼育展示場」へ。看板のフォントからも分かるように、昭和レトロな雰囲気が色濃く残されており、ハブそのものだけでなく、この独特のレトロ感もまた施設の魅力だと感じました。

レトロ感を演出したものではなく、また資料館のように保存された展示でもなく、当時のまま残る展示から自然にレトロを感じられるのは貴重です。こちらは年ごとのハブ被害をまとめた表で、明治32年(1899年)から昭和43年(1968年)までの数字が、すべて手書きで記されています。

生きたハブを間近で見ることが出来る

そしてこちらが本物のハブ。夜行性のためほとんど動きはありませんが、確かに生きています。ちなみに沖縄や奄美に生息するハブは冬眠をせず、むしろ高温に弱いそうです。

■ 参考:1

鹿児島県では年間およそ40件、沖縄県では年間60件前後の咬症被害が報告されているとのこと(各県のホームページより)。とはいえ、私自身が沖縄に3年半暮らしたなかで、生きたハブを目にする機会は一度もありませんでした。国内の動物園などでもあまり飼育されておらず、実際に生きたハブを観察できる場所はごく限られています。

こちらはトカラハブ。トカラ列島の宝島と小宝島にのみ生息するヘビで、ハブの仲間の中では最も北に分布することから「北限のハブ」と呼ばれています。体長は70~120cmほどで、奄美や沖縄に生息するハブに比べると小型です。

■参考:小宝島でトカラハブを見る

鹿児島県のホームページによると、奄美群島に生息するハブは「ハブ」と「ヒメハブ」の2種類。ヒメハブは体長がおよそ80cmと比較的小さく、毒性も弱いため、咬まれても重症化する例は少ないとされています。

こちらはハブ飼育展示場に設けられている「奄美ハブ神社」。小さな鳥居の横には「旅の安全・健康・金運祈願」と書かれたお賽銭箱があり、ハブ皮を使った御守護(お守り)も1枚330円で販売されているそうです。

ちなみにこの「奄美ハブ神社」、ChatGPTに聞いてみたところ「情報が確認できません」との返答。どうやら公式には存在しない“幻の神社”らしく、訪れた人だけが出会える隠れスポットのようです。

情報量が多いこちらの写真。1つずつ簡単にご紹介すると…

  • 奄美の人々を救った「ハブ血清生みの親」澤井芳男博士:1913年生まれ ハブの血清造りに尽力した医学者
  • ハブの交尾:100円を支払って覗くと、ハブの交尾が見られるらしい
  • 6本足の動物?:100円を支払って覗くと、1976年に奄美大島で捕獲された6本足の動物が見られるらしい

他にも「ライオンの性器」「キングコブラ・ニシキヘビの性器」「牛の奇形」という、もはや誰に需要があるのか分からないラインナップの覗き箱がずらり(各100円)。

水槽には「入荷待ち」の張り紙が貼られていました。何の入荷を待っているのか調べてみると、どうやら本来はこの水槽にウミヘビが入っているようです。

こちらは『ハブにのまれた奄美の小動物たち』が展示されたショーケース。奄美市のホームページによると、ハブの餌は80%以上が野ネズミで、この他に鳥類やトカゲ、カエルなどを食べているとのこと。

その展示の中には、奄美大島と徳之島にのみ生息する固有種「アマミノクロウサギ」いました。特別天然記念物に指定されている希少なウサギで、かつては奄美大島全域に分布していたものの、現在は絶滅危惧種とされています。その数を大きく減らした原因のひとつが、外来種の「マングース」です。

ハブとマングースの闘いを見る

ハブは琉球列島固有種であり、琉球王国成立以前から各島々に生息していたと考えられます。

そんなハブや毒蛇の駆除を目的として、ガンジス川河口(現在のバングラデシュ)から沖縄本島にマングースが持ち込まれたのは1910年のこと。奄美大島には、1979年に沖縄から数十頭が移入されたそうです。

しかし当初の想定に反して、マングースはハブの天敵としての役割を果たさず、代わりにアマミノクロウサギやアマミイシカワガエルをはじめとする奄美大島の貴重な生物を捕食するようになりました。その結果、マングースは分布域を拡大し、生態系に深刻な影響を及ぼすこととなったのです。

■参考:2

『ハブとマングースは実際には戦わない』という皮肉を逆手に取り、かつては両者を戦わせる観光施設まで登場しました。現在は動物愛護の観点から対決は行われていませんが、ここでは当時の映像を見ることが出来ます。

■参考:おきなわワールドでハブとマングースのショーを見る

上映時間は特に定められておらず、数名が集まるとスタッフの方が映像を再生してくれるようです。また、撮影禁止といった案内も見当たりませんでした。

いきなり戦いが始まるのではなく、まずはハブの生態解説からスタート。解説しているのは、奄美観光ハブセンターを開設した中本英一氏でしょうか。その独特な語り口は施設の雰囲気と絶妙にマッチしており、つい笑ってしまいそうになります。ただ、内容は笑いを狙ったものではないため、客席側には『ここで笑っていいのか?』という不思議な空気が流れていたのが印象的でした。

解説は約10分間続き、ついにハブとマングースの戦いがスタート。ちなみに、一時期はハブの撲滅を目指していた奄美大島ですが、2000年から環境省が本格的にマングースの駆除に着手。2024年に根絶が宣言されたため、奄美大島で本物のマングースを見ることは出来ません。

ネタバレになるため、戦いの結末についてはここでは触れませんが、一瞬で決着がついた後、約20分にわたるハブとマングースのショー映像は終了しました。

ハブ関連のお土産もある

最後はお土産を見物。なお、施設内は導線が決まっているようで、順序通り見学するよう案内されます。

こちらは乾燥させたハブの皮。この皮を使った小物入れなども販売されています。

ハブの粉末が入った飴も試食させていただきました。ここでのスタッフの方(島のマダム)とのやり取りも、この施設ならではの雰囲気を味わえるひとときだと思います。

奄美観光ハブセンターには約50分滞在。昭和レトロな雰囲気とユーモアが詰まった、とても面白い観光スポットでした。ハブについて詳しく学べる施設というわけではありませんが、だからこそハブにあまり興味がなくても、この独特の施設の雰囲気を十分に楽しめると思います。

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今回はここまで。本日もありがとうございました。

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