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今回は【2019年→2020年 年末年始 小笠原の旅】その4をお届けします。
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さらば小笠原諸島・父島
日本一盛大で感動的な小笠原諸島・父島から東京・竹芝桟橋へ向かうおがさわら丸の見送り。港には多くの人たちが集まり、安全航海を祈る小笠原太鼓の勇壮な調べが響きます。
港から聞こえるのは「さようなら」ではなく「いってらっしゃい!!」の声。船からも「行ってきます!!」という声が響きます。おがさわら丸から父島へ上陸したときに「おかえりなさい」という言葉を掛けられる理由はこれです。
さらに、おがさわら丸に並走してお見送りをしてくれるのはツアー業者の船。まるで映画のワンシーンのようですが、基本的にこのお見送りが毎便で行われています。
こちらは『見送る側』の景色。いわゆる「見送り船」は、出港のタイミングで声を掛けると、誰でも乗ることが出来ます。乗船料などはかかりません。父島に長期滞在する人の特権です。
おがさわら丸に乗る人が少なくても、動画のような天気の時でも、見送り船は出ます(船の数の多い少ないはあります)。見送り船の事業者にインセンティブは無く、自発的なサービスとして行われている取り組みです。
小笠原に住んでいるのは、島で生まれ育った人よりも、島に魅力に惹かれて移住した人がほとんど。こうした光景を見て、島に帰りたくなる気持ちが分かってるからこそ、船の燃料費が赤字でも、見送り文化は続いているのでしょう。
■ 参考:小笠原は移住者の島
光通信でお見送り
二見湾を出ると見送りの船もいなくなりますが、それでもまだ島からの見送りは続いています。
父島出港後、晴れている日のおがさわら丸からウェザーステーションの方面を見ていると、何かがキラッと光る様子を見ることが出来ます。これは「光通信」と呼ばれる、小笠原ユースホステルが行っているお見送りです。
一方、こちらはウェザーステーションから見たおがさわら丸。鏡に太陽の光を反射させて船に届けます。そして、おがさわら丸に乗っている人も、手鏡を持って甲板に出ているので、ウェザーステーションに光が帰ってくるのです。
こうした一連のお見送りが終わると、電波も繋がらなくなり、東京まで約24時間、およそ1000kmの船旅が始まります。
2020年1月1日15時半、私が乗るおがさわら丸は東京に向けて小笠原諸島・父島を出港しました。
いつもは感動するおがさわら丸の見送りシーンですが、今回は日帰りなので、「マジで帰るのか」と思わずニヤけてしまいます。
小笠原諸島には何度か足を運んでいますが、滞在4時間で帰るのは初めてのことです。
運航スケジュールを見ると、2020年の年末年始は元旦着発便はありません(2021年~2024年もありませんでした)。元旦に着発便が運航されることは今後もあるのでしょうか。
揺れるおがさわら丸に乗船
冬は海が荒れているため、おがさわら丸の東京到着が遅れがちです。
2017年の年明けに父島からおがさわら丸に乗船した時は28時間近くかかりました。今回は父島へ向かう時も大揺れで、なかなかの地獄でしたが、果たして帰りは何時間の船旅になるでしょうか。
しばらくすると夕焼けの時間になりました。しかし、デッキは爆風が吹いており、立っているのもやっとの状態。綺麗な景色に見惚れる余裕はありません。
16時46分、2020年元旦の太陽が沈み、1日が終わりました。 2020年の元旦、私の1日を振り返るとこんな感じ。
- 0時~11時半:おがさわら丸
- 11時半~15時半:父島
- 15時半~24時:おがさわら丸
20時間近くおがさわら丸の船内で過ごした元旦となりました。
おがさわら丸のデッキは通常22時まで開放されているため、美しい星空の下、島で知り合った人たちと語らうのが帰りのおがさわら丸の楽しみ方のひとつです。しかし、早々に船が揺れ始めてデッキは封鎖。当然、思い出を語り合う知り合いもいません。
夕食も食べず寝てしまい、目が覚めると2020年1月2日朝6時。父島を出港してから14時間以上が経ち、おがさわら丸は八丈島付近まで来ていました。
朝陽を見るためデッキへ。ちょうど水平線から太陽が昇ってきました。
夕陽の時はデッキに出ている人がほぼいませんでしたが、この時は多くの人がいました。
波に船がぶつかるたびに、ドォオン!という大きな音が船内に響き、船が揺れると横になっている身体も勝手に動いてしまいます。そのため、ぐっすりとは寝た感じはありません。
24時間の船旅の様子
朝陽を見た後は、また横になって、寝たり覚めたり。
9時半の時点でおがさわら丸は1時間遅れ。東京到着予定は16時29分、まだ10時間以上あります。
もう寝るのにも飽きました。ネットは繋がりません。食べたり、画面や文字を見たりしていると船酔いしそうになります。ぼーっと遠くを眺めることしか、やることがありません。
12時半になりました。
見えている島は利島と伊豆大島。そして写真から分かる通り、いつの間にか海は穏やかになり、船の揺れも落ち着いてきました。
もう船酔いも大丈夫そうです。思えば元旦は1食も食べていなかったので、ここでカップラーメンを食べました。
横浜市街地が見えてくると竹芝桟橋到着まで約1時間。この辺りまで来るともう電波もサクサクです。
15時を過ぎました。おがさわら丸はちょうど東京湾アクアラインの上を通過するところです。こちらの画面には「41分遅れ」と表示されています。
海の色は青から茶色へ。そしてついに、父島を出港してから24時間を超えました。
結局、竹芝桟橋には30分遅れで到着。ここから新幹線や飛行機で遠方に帰る人は大変です。
今回は30分遅れで済みましたが、冬はさらに遅れる可能性も高いので、おがさわら丸で東京に到着した日は、新幹線や飛行機の予約はしない方がいいでしょう。
果たして次はいつ小笠原へ行くことが出来るでしょうか。
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今回はここまで。本日もありがとうございました。
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