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今回は【2019年 糸満大綱引】に行ってきたときの様子をお届けします。
★参考:与那原大綱曳★
★参考:那覇大綱挽
綱引きの前の伝統行事
綱引きは沖縄の伝統を感じることが出来るイベント。
糸満の綱引きは沖縄三大綱引きのひとつです。
2019年は旧暦の8月15日に行われ、市内外から約3万人が訪れました。
会場となるのは県道256号線の糸満ロータリーから白銀堂までの区間およそ500m。
駐車場は用意されていないので、徒歩かバスでのアクセスとなります。

私が到着したのは綱引きが始まる1時間前。

そしてこちらが糸満ロータリー。
いわゆる環状交差点(ランドアバウト)というものです。
その歴史は古く、戦後、米軍統治下の時代に導入された、沖縄県内に唯一残るロータリーで、道路マニアにとっては有名な場所なのだそう。

こちらが白銀堂。
立派な鳥居が設けられていますが、ここは沖縄の人々が拝みをする「御嶽」です。お堂の中にある自然の石筍が氏神として祀られており、本殿と言われるものはなく、岩穴に拝みのための石が置かれているだけです。

中ではちびっ子たちがエイサーの練習をしてました。
沖縄ではこうして、小さいころから地域の伝統に触れる機会があるのです。

会場では綱引きの前に「道ズネー」という、いわゆるパレードが行われています。
この写真ですが、綱引の綱が少年の腰掛になっていますね(笑)

大きなのぼり旗(旗頭)をひとりで持っています。頭にのっけたりもしていました。
秋田県の「竿灯まつり」にも近いものを感じます。

他にも地域の様々な演舞が披露されていました。
ここでの地域とは、糸満市内の様々な集落のこと。
集落ごとにこうした演舞があるというのは、さすが「沖縄は芸能が盛んだな」と改めて気付かされます。
沖縄県内最大級の綱

こちらが綱の末端です。
ここから中心に向かって徐々に太くなります。

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もう手では握ることが出来ない太さになっていますが、先端はもっと太くなります。

こちらが綱の先端です。
身長174cmの私の目線と同じ高さに綱があります。綱の隣に立っている女性と比べても、その大きさ分かります。
綱引き当日の朝8時半から小綱をまとめ、雄綱・雌綱合わせて総重量およそ10トン、全長約180mにもなる沖縄県内最大級の綱を手作りするのです。

与那原大綱曳は綱を担いで会場まで運びますが、糸満大綱引きは当日の朝から会場となる県道が封鎖され、その場で綱が作られるので、重い綱を担ぐ必要はありません。
そのため、道端には写真のように、綱を作るときに出たカスが散乱しています。

歩道に置かれた巨大な「カナチ(カヌチ)」棒。
この棒で雄綱と雌綱を繋ぎます。
異国の雰囲気 綱引きが始まる!

開始時刻の17時になりました。
まずは開会の言葉が読み上げられます。
道ズネーが行われている間は、雨が降ったり止んだり、やや不安定な天気でしたが、幸いこの時には止んでいました。

優勝旗の返還です。
糸満大綱引では、北組(ニシカタ)と南組(へーカタ)に分かれて綱を引き合います。2018年は北組が勝利したそうです。

ここで再び旗頭が一斉に並びます。
爆竹が鳴り響き、ここが日本であることを忘れさせるような雰囲気です。

いよいよ歩道の柵に括りつけられていたひもが解かれ、糸満大綱引が始まります。

綱は皆さんの力で道路の真ん中まで引きずります。
このときにその場にいれば、誰でも綱引きに参加することが出来ます。

雌雄の綱を近づけます。

雌雄の綱がカナチ棒で結ばれました 。

与那原大綱曳はこの時点で勝負が始まりますが、糸満の綱引きはここで一呼吸。

シタクと呼ばれる、伝説上の人物に扮した地元の中学生が登場。
綱の中央でにらみ合い、会場のボルテージは最高潮に。

審判の旗が振り下ろされるとスタートです!
糸満大綱引の特徴:休憩がある

皆さん勢いよく綱を引っ張ります。
糸満大綱引のルールは以下の通りです。
・10m引いたほうが勝ち
・30分で10m引けない時は、2m以上引いたほうが勝ち
・双方2m以上引けない場合は引き分け
『10m』は結構な距離です。そして『30分』という競技時間も長いです。
そのため、こんなユニークな光景を見ることが出来ます。

休憩です。
リーダーの方の合図で、皆さん一斉に綱の上に座ります。
サッカーのハーフタイムのように、お互いのチームが一緒に休憩を取るのではなく、休憩の間も、もう一方のチームは綱を引っ張っています。

電話するのもOKです。
勝負事ですが、このゆるさがとてもいいなと思いました。
開始から30分、勝負の結果は

そしてまた引っ張ります。
綱引きが始まる前に「何時に終わるか分かりませんが、皆さんぜひご参加ください」とアナウンスがされていましたが、その意味がようやく分かりました。

大体1分引いて1分休むという感じです。
最初から30分という制限時間内に、10mを引くつもりはないようです。
休憩の時間を利用して、カメラマンさんも綱の上から写真を撮ることが出来ます。

それでも少しずつですが綱は引っ張られています。

この方はどうやら名物おじさんのようです。場が盛り上がっていました。

そして30分が経ちました…

今年の糸満大綱引は30分で4m30cmを引いた北組が優勢勝ち。
通算成績は北組が38勝20敗6引き分けになったそうです。
糸満大綱引は五穀豊穣・大漁祈願・家内安全・無病息災を願い、勝負の結果で吉凶を占う行事。勝敗よりも融和と調和を図り、絆を深めることが目的です。
それを表しているのがまさに「休憩」の時間だなと思いました。

最後には綱を切って持ち帰るのもOKです。
のこぎりを持参している人のところに人だかりができます(銃刀法…笑)。
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今回はここまで。本日もありがとうございました。
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