ワーケーションで地域活性化!観光地や地方が受け入れ体制を作るのがおすすめな理由 ~観光アイデア教科書 vol.1~

観光アイデアノート

ブログをご覧いただきありがとうございます。

早速ですが「ワーケーション」という言葉を聞いたことはありますか?

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ネットを見ていると、批判的な声が多く見られるワーケーションですが、すでに取り組みを進めている企業や観光地も見られます。今回はそんなワーケーションを、観光地や地方からの視点で解説したいと思います。

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結論からいうと、旅行者を呼びたい観光地や地方はワーケションの受け入れ体制を作ることをおすすめします。

そもそもワーケーションって?

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ワーケーションとは「ワーク(work)」と「バケーション(vacation)」を合わせた造語のこと。簡単に説明すると『旅先で働く』という、アメリカでコロナ前から提唱されていた働き方のことです。

  • 「休暇中でも休まらない」
  • 「旅しながら働かないといけない」

など、ネットなどでは批判的な意見が散見されますが、そもそもワーケションには「働く」という前提があります。コロナの影響で、在宅ワークという会社以外で働くという考えが急速に広まりました。

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せっかく働く場所を変えるなら、自宅だけでなく、たまには宿泊前提で遠くのホテルなどで働いて、そのまま休暇も取って、旅行気分も味わおうというのがワーケションなのです。

ワーケーションと似た言葉に「ブリージャー」があります。こちらは「ビジネス(Business)+レジャー(Leasure)」の造語で、「出張先で有給を使う」という意味です。

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ワーケションは働く場所が変わることなので、そもそもテレワークの環境や制度が会社に無いと実践するのは難しいです。ただ、ブリージャーはテレワーク環境が無くても、会社の制度さえ整っていれば実践することが出来ます。

しかし、Expediaが2019年に行った調査結果を見ると、ブリージャーも日本では普及していないことが分かります。

そもそも「ブリージャー」って知ってましたか…?

日本ではこうした仕組みが知られていなかった、だから会社に制度がなかったり、実践例もないのです。

ワーケーションは政府も推進している

ワーケーションという言葉が日本で一気に広まったのは、コロナウイルスの影響により、働き方を変えざる負えなくなったからといえます。働き方改革はコロナ前から進められており、最近になって、働き方のひとつとして「ワーケーション」が提案されるようになりました。

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2020年7月末には、会見で菅官房長官もワーケーションの意義を強調してからは、ワーケーションの是非についての議論が熱を帯びています。

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また、環境省は「令和2年度(補正予算)国立・国定公園への誘客の推進事業費及び国立・国定公園、温泉地でのワーケーションの推進事業費に係る事業」を公募し、500以上の団体が採択され、各地で受け入れ態勢の整備が進められようとしています。

★採択された団体について★
http://www.eic.or.jp/eic/topics/2020/wkiv/003.html

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ワーケーションのメリットは?

ワーケションのメリットは3つの視点から語ることが出来ます。

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1つめの側面は企業の視点から。2019年から5日間以上の有給休暇義務化が開始されました。ワーケーションを通じて、企業は社員に有給取得を促しやすくことが出来ます。

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JTB総研が2020年3月に行った調査によると、7割近くがテレワークをしたいと答えており、「旅行先のホテルや旅館」でのテレワーク、いわゆるワーケーションをしたいと答えている人も17.9%いることが分かります。

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ワーケションに対する関心が見られる一方で、「そんなこと出来ない」という声が非常に多いのが実情です。そんな中でワーケーションを導入する企業は、社員のQOL(生活の質)や健康の向上に努めていたり、積極的に働き方改革を進めているような、いい会社だと見られるようになります。

2つめは社員の視点から。まぁ何より、リフレッシュになりますよね。普段とは環境を変えて、働く場所のそばに海や自然があったり、温泉に浸かったりすることも出来るのですから。

仕事のストレスって、職場の雰囲気や満員電車だったりしますよね。そのストレスが無くなると、新しいアイデアなどが浮かんで来る可能性も高くなるはずです。いわゆる生産性の向上が期待されるといわれています。

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また、旅行好きな人にとっては、長期休みが取れないと行けなかったような場所に行けたり、憧れの地に長期滞在出来たりも魅力です。さらに、地方移住に興味がある人は、『プチ移住』のような体験をすることも出来ます。

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ワーケーションが観光地や地方にもたらすメリット

そして、3つめが観光地や地方の視点から。ワーケーションは仕事の時間に、休暇の時間が加えられるため、旅行者の長期滞在が期待されます。さらに、どの地域も抱えていた、長年の課題である平日や繁忙期以外の集客手段にも繋がり、観光を通じた地域での消費を増加させることが出来ます。

特に、宿泊施設はデイユースやワーキングスペースの提供による、新しい収益源を確保することが出来ます。

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長期滞在を通じて、訪れる人が地元の人と交流したり、その地域を深く知るようになったりして、いわゆる「地域のファン」になり、地域の関係人口を創出することにも繋がります。これがこの記事のタイトルでもある『観光地や地方がワーケーションの受け入れ態勢を作るのがおすすめな理由』です。

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だから政府もワーケーションを推進しており、企業に制度作りを進めてほしいと促しています。

ワーケーションをまとめると、社員個人のメリットというよりも、【企業の働き方改革×地方創生】において、重要な役割を果たすのです。

日本のテレワーク事情

ヤフーニュースのコメントをみていると、ワーケーション関連のニュースにはネガティブな意見が並びます。批判が多い理由として「会社に制度がない」「他の社員に申し訳ない」というのが上げられるのではないでしょうか。

まぁ、それもそのはずです。ワーケションは制度どころか、まだ考えが導入され始めたばかり。日本ではテレワークですら、最近まで認知はされていなかったのです。

2019年春にエン転職が行ったユーザー調査によると、平均しておよそ3割がテレワークを知らず、4割が「聞いたことがあるが、よく知らない」と答えています。

繰り返しになりますが、ワーケーションは「テレワーク」という働き方が前提になってきます。しかし日本ではコロナ前まで、テレワークそのものの認知が進んでいなかったり、制度がなかったのです。

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一方で、東京都が行ったテレワークの調査をみると少し事情が異なります。

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都内の企業では、ここ数年でテレワークの導入や導入予定の企業が増加していることが分かります。そして、今回のコロナでテレワークの導入が一気に進んだことは明らかです。

政府はこれを機に『働き方改革』や『地方創生』を進めるため、個人ではなく企業に向けて、今後の制度としてワーケーションの導入を促しているのです。

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ワーケーションを通じた地域貢献

業務の性質上、当然テレワークが出来ない企業もあります。その場合は企業の地域貢献活動やCSR活動、またSDGsの取り組みとして、ワーケション制度を導入することも出来ます。

JALは2015年から働き方改革を進め、2017年にワーケーション、2019年にブリージャーを導入しました。2020年秋からは地域と連携し、ワーケーションを通じた社会貢献活動を行い、その効果を検証する取り組みを行うことを発表しています。

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地域の課題等を企業が取り組めるようにプログラム化し、観光地や地方から企業に向けた連携の提案がされれば、企業側も導入しやすいのではないでしょうか。こちらはワーケーションというよりも、ブリージャー(出張+休暇)という方が適切かもしれません。

環境省が進める国立公園・国定公園、温泉地などでのワーケション事業を通じて、こうしたプラグラムが今後増えてくることが考えられます。

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ワーケーションプランをまとめてみた

コロナ以降、様々な地位や企業からワーケションプランが発表されています。一体、どのようなプログラムがあるのか、少しご紹介したいと思います。

和歌山県と長野県

行政で先陣を切ってワーケーションの取り組みを始めたのが和歌山県と長野県です。両県は2019年に『ワーケーション・スタートアップ宣言』に署名し、 ワーケーション自治体協議会(WAJ) の立ち上げにも携わっています。

★ 和歌山県のワーケーションについてはこちら★
https://wave.pref.wakayama.lg.jp/020400/workation/index.html

★ 長野県のワーケーションについてはこちら★
https://shinshu-resorttelework.com/modelarea/

ただ、両県のホームページにワーケーションの予約窓口があるわけではなく、県内のコワーキングスペースなどを紹介するに留まっています。これだと少し分かりにくいですよね。結局自分で調べて手配をしなければなりません。

三菱地所

三菱地所では軽井沢と南紀白浜にある自社の施設を利用して、ワーケション需要を取り込もうとしています。こちらのプランでは、個人ではなく、チームをターゲットにしており、三菱地所が提供しているのは働く場所です。

こちらから予約をすると、JTBが飛行機や宿泊施設、体験などのコーディネートをしてくれるようです。ちなみに、こうしたコーディネートで手数料を取るには旅行業の登録が必要です。ワーケションをプログラム化するには、旅行会社との連携も視野に入れる必要があります。

★三菱地所のワーケーションはこちら★
https://workxation.mec.co.jp/

ANA

ANAでは、沖縄でのワーケーションを商品化しています。こちらの商品の特徴は個人向けということ。まずは、ホームページに紹介されている提携先のホテルを選び、予約の日程が決まったら、ANAの航空券を取るという流れです。

★ANAのワーケーションはこちら★
https://www.ana.co.jp/ja/jp/domtour/okinawa/workation/

ホテルニューオータニ

じゃらんなどの宿泊予約サイトを見ていると、ワーケーションプランをプランを販売する宿泊施設も増えてきていることが分かります。プランの主な特徴は、長期滞在割引や仕事がはかどるためのサービス、あとは当然、テレワークが出来る場所の提供というのが前提となっています。

その中でも話題になったのは、ホテルニューオータニが発表した『スーパーワーケーションプラン』。なんと30連泊で39万円!!宿泊以外にも様々な特典が付帯しているという内容です。

★ホテルニューオータニのワーケーションはこちら★
https://www.newotani.co.jp/tokyo/stay/plan/staytokyoeattokyo-long/

こうしたプランを販売するに至った背景には、ホテルニューオータニで今年3月から販売していた『デイユーステレワークプラン」の利用が、昨年のデイユースと比べて231%も増加したことがあります。

デイユースによって、宿泊施設は遊休スペースを活用しながら、新たな収益源を確保することが出来ます。 JTBとNECソリューションイノベータも、東京都心と郊外のホテルの遊休スペースを活用したシェアオフィス事業を開始する動きなども見られます。

wifiや複合機など、快適に仕事をするための環境整備への投資は必要ですが、 宿泊施設はワーケーションやテレワーク需要をうまく取り込むことで、長期滞在の増加・観光シーズンの平準化・遊休スペースの活用などにより、売り上げ増加が期待されます。

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また宿泊施設では、社会貢献に関わるような体験プログラムをセットにして販売することで、「ワーケーションで訪れる企業に地域貢献を促している」というような、『地域貢献活動』を対外的にPRすることも出来ます 。

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JOB HUB ワーケーション

株式会社パソナJOB HUBでは、提携する地方自治体と連携しながら、地域と企業を繋ぐ様々なプログラムの提案を行っています。こちらは、企業研修や人材育成、地域貢献、SDGsなどの取り組みにおいて、ワーケーションを活用するという仕組みです。

★JOB HUBのワーケーションはこちら★
http://mag.jobhub.jp/workation/

7月に同社が行ったワーケーションセミナーの参加者からも「地域課題・社会課題の理解を深めたい 」という声が多かったそうです。

このことからも、受入れ地域はテレワーク環境だけでなく、体験プログラムの提供も、ワーケーション先に選ばれる理由として重要な要素であることが分かります。

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観光地や地域に求められること

企業でのワーケーション制度がまだ十分には整っていない一方で、すでに様々なワーケーションプランがあり、そのプランを販売する主体も多様です。

ワーケーション需要を取り込むためには、地域の事業者が連携し、先に例として取り上げたプランを組み合わせたような、魅了的な内容を作ることが重要です。 点ではなく面としての商品化です。 こうした地域連携の仕組みづくりを誰が主体でやるのかも課題として挙げられます。

また、テレワーク時代における企業への営業方法もネックです。プランを作っても、売ろうとしなければ売れません。テレワークが出来るような企業に営業をするとなると、担当者がテレワークをしていて、なかなか連絡が取れないことが考えられます。

そこで力を発揮するのが旅行会社ではないでしょうか。地域とコネがあり、高い集客力を持つ旅行会社の『地域商材の営業代行』という、新しいビジネスモデルがここにあるとも考えられます。

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観光地や地方でワーケーションプランを作る際は、この記事を参考に提案資料を作成し、連携先を探してみてください!

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