ブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は【2016年 小笠原諸島旅行記】その8をお届けします。
★前回の記事は こちら ★
天然記念物の島・南島上陸
世界自然遺産&国立公園に登録されている小笠原諸島。自然保護の観点から、立ち入りには東京都認定ガイドの同行が必要なエリアも多いです。
南島もそのひとつ。大変景色の美しい島で、初めて小笠原諸島を訪れる方には外せないスポットですが、ツアーに参加しなければ上陸することは出来ません。
今回私は、ドルフィンスイムと南島上陸がセットになった半日ツアーに参加し、船は南島・鮫池の岩場に接岸しました。
他にも南島には、カヤックや泳ぎで写真のトンネルから上陸する方法があります。しかし、なかなかハードなので、鮫池から船で上陸するのが一般的です。
しかし、鮫池の入口は非常に狭いため、海が波立っている日は南島に上陸することが出来ない場合が多いです。なお、いずれの上陸方法でも、認定ガイドの同行は必要です。
鮫池にはネムリブカという、人を襲うことが滅多にない、大人しいサメが多く生息しており、陸上からもその影を見ることが出来ます。
鮫池からはガイドの方を先頭に、急な石灰岩の丘を登ります。岩場を歩くのに慣れていない人は、サンダルではなく、濡れてもいい靴や、マリンシューズを履いた方がいいでしょう。
※最近は階段が設置されました※
そして、丘を登りきった先に広がる景色がこちら。パンフレットやポスターなどにもよく使われる、小笠原諸島を代表する絶景のひとつです。
小笠原を代表する絶景
島そのものが天然記念物に指定されている南島。
写真ではなかなか伝わりませんが、真っ白な砂と真っ青な海が、太陽の光に照らされてキラキラと輝いて見えます。
あまり注目されることはありませんが、反対(背中)側の景色も美しいです。
南島周辺は、地表に形成されたカルスト地形が海中に沈んだ「沈水カルスト地形」が広がり、日本でも珍しい場所として知られています。
ハートロック(千尋岩)も見えました。
カルスト地形の「ドリーネ」にあたる扇池まで降りてきました。こちらは泳ぐこともOK。写真にはカヤックを漕ぐ人たちも写っています。
産卵の時期になると、この浜にもウミガメが上陸します。
砂浜へ上陸したものの、海へ戻ることが出来なくなってしまったと思われる、ウミガメの亡骸も見つけました。
■ 参考:ウミガメの産卵について
ウミガメの他にも、南島では様々な生き物を見ることが出来ます。
南島にいる生き物たち
砂浜をよく見ると、化石化したカタツムリの殻がたくさん落ちています。
こちらはヒロベソカタマイマイという、数百年前に絶滅したカタツムリ。約1~4万年前の南島には、31種のカタマイマイが生息していたそうです。
ドリーネ部分には、扇池ともうひとつ「陰陽池」があります。台風の際に発生した海水の水たまりに雨水が混ざった汽水湖で、準絶滅危惧種の「カワツルモ」が見つかっています。
何もなかったはずの南島に種子や卵を運ぶのは、海を渡る鳥たち。2012年~2013年に行われた調査によると、南島では総計6目9科27種の渡り鳥が確認されているそうです。
■ 参考:南島モニタリング調査報告書
南島は石灰岩という「岩」で出来た島ですが、今ではすっかり緑に覆われています。しかし戦前は、放牧されていたヤギによって、この緑も荒らされていたようです。
現在はカツオドリ・オナガミズナギドリ・アナドリなど、南島で繁殖活動を行っている鳥たちもいます。
岩陰に巣を作って、子育てをしている鳥もいます。
こうした自然を守るため、様々な取り組みが行われており、ツアー参加者にもルールの順守が求められています。
南島上陸にはルールがある
今回のツアーでも、南島上陸前に船上で靴底を洗う時間がありました。これは土に含まれる、種子や虫の卵などの流入を防ぐための取り組みです。
さらに、毎年11月から2月上旬までを植生回復期間としてて、船を接岸しての入島が制限されています。南島は1日の上陸人数も限られており、最大2時間しか滞在することが出来ませんが、1時間程度の滞在で大満足でした。
日差しを遮るものがなく、地面からの照り返しもあるので、日焼け対策は欠かせません。
日焼けで火照った身体を冷やすため、ツアー最後のシュノーケルタイムで水中へ。水が綺麗すぎるせいか、魚は1匹もいませんでした。
.
今回はここまで。本日もありがとうございました。
★こちらもおすすめ★
コメント