感動!夜の沖縄で野生ウミガメの産卵と涙を見る 観察のルールを徹底解説

南国日記~沖縄移住の記録~

ブログをご覧いただきありがとうございます。

今回は「沖縄でウミガメの産卵を見学する」後編をお届けします。

★前回の記事★

アカウミガメの産卵に立ち会う

5月下旬から8月にかけて、沖縄本島のビーチには、ウミガメが産卵のため上陸します。

ということで、夜のビーチにやってきました。

もちろん、野生の生き物なので、必ずしもその姿を見ることが出来るとは限りませんが、この日はラッキーでした。

写真は、砂浜に残されたウミガメの足跡です。砂浜に上陸したウミガメは、少し歩いてから、頭を上げて大きく息をして、また歩いて産卵場所を探します。

この際、産卵に適した場所が見つからなければ、上陸しても産卵せず、海に帰ってしまいます

参考:環境省自然環境局 ウミガメ保護ハンドブック

沖縄の浜に上陸するウミガメは、アオウミガメ・アカウミガメ・タイマイの3種類

砂浜に残された足跡が、左右揃っていればアオウミガメ、人間の歩いた足跡のように、左右が交互になっていればアカウミガメがタイマイです。

アオウミガメは体が大きく、片ヒレで体重を支えることができないので、左右の前ヒレを同時に動かして進むのです。

砂浜に残された足跡を辿ると、産卵中のアカウミガメがいました。

といっても、これは私が自力で発見したわけではありません。

「夜、あのビーチにウミガメが産卵にくるらしい」という噂を聞いたら、ライトを持って、砂浜を探す人がほとんどのはず。

実際、この日以外にも何度か、夜にこの砂浜を訪れましたが、それらしき人たちの姿がありました。

ウミガメは警戒心が強く、波打ち際で十分に安全を確かめてから上陸します。

ウミガメは動く光にとても敏感なため、砂浜を照らして歩いている人がいると、ウミガメは上陸することが出来ず、また、上陸しても産卵せずに海へ帰ってしまいます。

一方、暗闇の中で砂浜で、素人が砂浜に落ちている岩と、ウミガメを見分けるのは困難です。

この日は偶然、県からも許可を得て、この浜に来るウミガメの観察・保護活動を行っているという方々に出会えたので、ウミガメの場所を教えてもらうことが出来ました。

ウミガメの保護活動や観察会についてのルールは、全国の浜で異なるので、現地でのルールを確認し、それに従うようにしましょう

ウミガメの涙 そして海へ帰る

この浜では、満潮のタイミングで、1人が暗闇の砂浜を歩いてウミガメを探します。

その間、観察で訪れた人たちは陰で待機し、スマホの明かりや会話もNGです。

そして、ウミガメが砂浜に穴を掘り、産卵を始めたのを確認してから、皆さん明かりを付けて、静かに見学をするという流れです。

産卵のため、砂浜へ上陸したウミガメは、植物が生えている場所(=海水の影響を受けにくい場所)まで進み、四股を使って、体がすっぽり埋まる程の大きさの穴を掘ります

次に、後足(ヒレ)を使って、直径20~30cm、深さ50~60cmの穴を掘り、そこに卵を産み落とします。

参考:環境省自然環境局 ウミガメ保護ハンドブック

今回は教えていただいたのでアカウミガメと分かりましたが、実際は暗かったり、体中に砂を被っていたりで、パッと見で種類を見分けるの難しいです。

ただ、沖縄本島でタイマイの産卵を見ることが出来るのは非常に珍しいため、基本的には「アカかアオか」の判断になります。

足跡以外で一番分かりやすいのは「頭の大きさ」。アカウミガメはアオウミガメに比べ頭が大きいです。

そして、ウミガメの産卵で有名なのは、カメが「涙を流す」こと。確かに、こちらのカメも目を潤ませています。ただこれは人間のように、カメが感情的になって泣いているのではありません。

ウミガメが普段口にしている、海の生き物や海藻、海水の塩分濃度はウミガメの体液の約3倍。過剰に摂取してしまっている塩分を、常に出すことで、体内の塩分濃度を一定に保っているのです。

つまり、海にいる間もウミガメは泣いています

産卵を終えると、後足を交互に使って穴を埋め、次に激しく前足を動かして前方の砂を後方に飛ばしながら、徐々に前進し、それを終えると海へ向かって歩き出します。

上陸から海に戻るまでは1時間以上を要します。

産卵を終えたウミガメを海へ帰す様子@沖縄本島

ただ、沖縄の場合、陸に上陸している1時間のうちに潮が引いてしまうと、サンゴ礁の岩が露出し、ウミガメがうまく海へ戻れなくなります

この時がまさにそうで、動画のように、観察していた人たちで人間の壁を作り、岩がない場所へとカメを誘導しながら、何とか海へ帰すことが出来ました。

産卵をするウミガメは、シーズン中に2~5回上陸をするため、1つのウミガメが500~600個の卵を産むとされています。翌年に再び産卵に訪れる個体もいますが、多くの場合は数年の間隔をあけます

その後、保護活動をされている人たちが、記録のため一度砂を掘り起こし、卵の個数を調べます

卵は、太陽の光と地面の熱で温められて、約60日でふ化。地中で卵からふ化した子カメたちは、地上を目指してもがき、その動きを通じて、穴の底に砂がたまります。

そして、ふ化から2、3日後の夜、子ガメたちは地上へ出てきます。

ちなみに、ウミガメの性別はふ化したの地面の温度で決まり、29℃より高いとメス、低いとオスになります。温暖化が進むと産卵場所の温度も高くなり、結果メスばかり増えることが懸念されています。 .

ウミガメの保全 砂浜を守ることはなぜ大事?

日本は北太平洋で唯一の、アカウミガメの産卵地です。日本のアカウミガメの産卵回数は、1990年代に全国的に大きく減少しましたが、97~98年頃に底を打った後は、徐々に回復に向かっています。

日本で生まれたアカウミガメは、まず黒潮に流されるように太平洋を横断し、多くはカリフォルニア半島の沖合にたどり着きます。

そこで十分に成長したアカウミガメは、再び太平洋を横断し、日本を目指します。

アカウミガメが産卵するまでには、早くても30年を要すると考えられています。カメといえば長生きのイメージがありますが、ウミガメの寿命はまだはっきりとは分かっていないそうです。

ウミガメは自分が生まれた浜で産卵する」という説が正しければ、今回出会ったアカウミガメは30年以上前の沖縄で生まれ、太平洋を旅した後、沖縄に帰ってきたと考えられます。

ウミガメを保全する上で最も重要なことのひとつは、産卵に適した砂浜を維持し、卵の安全を確保することです。

しかし、最近のキャンプブームもあり、現在の沖縄本島の状況では、今後こうした環境を維持することは難しい思われます。

ちなみに、観光の人で、わざわざ沖縄にキャンプ道具を持ってくる人は少ないです。逆に、わざわざ沖縄にキャンプ道具を持ってくる人は、こだわりを持った人だと思うので、環境への配慮も出来るはず。

というわけで、課題となっているのは、沖縄に住んでいる人の行動と、環境に対する関心の低さといえるでしょう。

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日本最大のアオウミガメの産卵地小笠原諸島のビーチでは、「この下にウミガメの卵があります」の目印となる枝が立てられており、それを案内する看板もあります。

しかし、今回訪れた浜では、そうした対策はなされておらず、保護活動をされている方々によると、「卵の場所を知られるといたずらされる」とのこと。

こうしたことをするのもまた観光客ではなく、沖縄に住む人です。

沖縄で「あるある」なのは、悪いことをしているという意識がないということです。日本の法律的には犯罪でも、その行いが犯罪であると認識している人が少ないため、一向に改善されません。

これは、沖縄の人というよりも、教育レベルに問題があるように感じます。

だから、私は今回、この記事を作りました。

では、なぜウミガメの保全が大事なのか。

それは、数の変化を定量的に評価できる海洋動物は少ないからです。

ウミガメの産卵回数減少は個体群の減少と考えられ、海の生物群集、あるいは生態系の健全度の指標となるとされています。そのため、ウミガメとその生息環境を保全し、産卵回数の回復をはかることは、今後の国や地方行政の課題にもなっています。

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今回はここまで。本日もありがとうございました。

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■参考
https://www.env.go.jp/nature/kisho/guideline/SeaTurtle_Handbook.pdf 環境省自然環境局 ウミガメ保護ハンドブック

http://www.pref.kagoshima.jp/ad04/kurashi-kankyo/kankyo/yasei/umigame/documents/umigamepanhuh22.pdf 鹿児島県 守ろうウミガメ

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