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今回は「2025年 小笠原諸島に育休移住してみた」その6をお届けします。
★前回の記事は こちら ★
小笠原諸島・母島を日帰りで観光
2025年4月22日、育休移住9日目は、父島の南約50kmに浮かぶ母島を日帰りで観光します。

父島を7時30分に出港するははじま丸に乗船。母島までは約2時間の船旅です。
■参考:ははじま丸の船内の様子

9時半、母島の沖港に到着しました。

まずは船客待合所にある観光協会でははじま丸の御船印をゲット。恐らく最も入手するのが難しい御船印のひとつです。

船客待合所には「クジラのぼり」が置かれていました。ははじま丸のお見送りをするときに、自由に使っていいようです。しかし、今回は日帰りなので、お見送りを楽しむことが出来ません。
都道最南端の地を目指して歩く
帰りの船が出港するのは14時。それまでの約4時間半、母島を歩いて観光します。

こちらは「ガジュ下」という愛称で親しまれる、母島のシンボルともいえる島民・リピーターにとって憩いの場所。母島を日帰りで歩く場合、一般的には4つの観光パターンが考えられます。
- 港周辺の集落を散策
- 乳房山(標高462.4m)に登る…港から登山口までは約10分。
- 北を目指す…北端部までは約10km。
- 南を目指す…都道最南端まで約4km。
母島は縦に長い島で、島を一周する道路はなく、公共交通もありません。レンタカーを借りることも出来ますが、チャイルドシートの有無が分からなかったため、今回は0歳児を抱っこしながら、島の南へ向かって歩くことにしました。

母島を南北に貫く道は「一般都道沖港北港線(241号)」。沖集落を起点に北進線と南進線に分かれており、私たちが目指すのは南進線の終点、つまり「都道最南端の地」です。

さっそく「オカヤドカリに注意」の標識が登場しました。小笠原諸島での個体数減少を受けて、1970年に天然記念物に指定されたヤドカリですが、現在は沖縄や奄美など南西諸島でもよく見られます。天然記念物だった当時、沖縄はまだ米軍統治下だったというのがポイントです。
■参考:小笠原と沖縄の違いは?

小笠原諸島には30余の島々がありますが、一般人が暮らしているのは父島と母島だけ。2020年の国勢調査によると、母島の人口は447名で、ほとんどの島民が港周辺に暮らしています。個人的な印象としては、父島のような賑やかさとは無縁の静かな島です。
■参考:父島と母島の違い

平地が少なく、道路のアップダウンは激しいです。集落を離れると、お店や自動販売機は無くなるので、歩いて観光する時は水分を忘れないようにしましょう。

母島の主産業は観光ではなく農業。2023年の農作物生産額は、父島が23,730千円であるのに対し、母島は113,433千円とおよそ4.78倍。農家戸数や耕地面積も母島が父島を上回っています。特に、冬の時期に出回るミニトマトは人気が高いです。
■参考:1

戦前の母島では、温暖湿潤な気候を活かし、冬季を中心にトマトやキュウリ、カボチャなどを内地へ出荷。いわゆる促成野菜の産地として市場を席巻していました。さらに熱帯果実や観葉植物の栽培も盛んで、1900年には約3,000人の島民が生活していたといいます。
■参考:2

しかし太平洋戦争で全島民が疎開し、さらに終戦後もしばらくは帰島が認められず、戦後20数年の間に母島はジャングル化。返還に先立ち、日本政府が行った調査によれば、島は全域が山林原野に還り、かつての集落も完全に埋没していたそうです。
ジャングルのような景色
「1島1集落」の方針のもと、沖港周辺を中心とした母島の復興が始まったのは1972年のこと。最初に122名が母島に移り住んだとされています。

道路沿いに放置されたショベルカーからは、サボテンのような植物が生えていました。緯度的には、沖縄本島北部の「やんばる」と呼ばれる地域と同じ北緯26度に位置していますが、アクセス難易度は段違い。母島はしばしば、『日本で最も遠い場所(アクセスに時間がかかる場所)』と紹介されます。

この景色はジャングルそのもの。気象庁の観測地点が母島にないため、正確なことは分かりませんが、父島と同様に沖縄よりも降水量は少ないと考えられます。ただ、父島と母島で天気が異なるというのもよく聞く話です。
■参考:小笠原諸島の天気について

なお、以前にご紹介した通り、地理学的にも生物学的にも「亜熱帯」という気候帯はそもそも存在しません。正確には以下の通り。
- 地理学的な気候帯:モンスーン気候または温暖湿潤気候
- 生物学的な気候帯:オセアニア区
■参考:亜熱帯海洋性気候とは

こちらは巨大化したタビビトノキ。マダガスカル原産ということで、外来種ですが、駆除されないのでしょうか。

山の緑の中を歩くため、途中で海が見える場所はほとんどありません。こちらは南進線で数少ない、海を望めるスポット。向こう側に見えているのは「向島」という無人島です。

そして、つい忘れがちですが、ここも東京都。ちなみに母島は、一般の旅行者が訪れることのできる場所の中では、日本で最も早く初日の出が見られる場所としても知られています。
■参考:初日の出を地理学的に解説

茂みの中に放置された謎の果実を発見しました。戦争による全島民疎開の影響で、小笠原には不在地主が多く、このように土地が放置され、以下のような問題が発生しているそうです。
- 相続により土地所有者が細分化し、農地の売買・貸借が困難になっている
- 不在地主の消息不明
- 農地法が適用されていない=転用の制限がない→農業以外の用途と需要が競合し、土地の取引価格が高額になる
- 規模拡大や新規就農希望など農地の需要は多いが、供給がほぼ見込めない
- 外来種の駆除を進めることも困難
■参考:3
都道最南端の地には何がある?
アップダウンの激しい道を0歳児を抱っこしながら歩くこと1時間15分、ついに南進線の終点が見えてきました。

「オカヤドカリに注意」と並んだ「道路終点」の標識。ここが都道最南端の地です。

道路があるのはここまでですが、ここから先も遊歩道が整備されており、さらに南へ行くことも出来ます。

しかし、時間が無いので今回はここまで。そして、「都道最南端」という看板と駐車場、バイオトイレがあるだけです。少し休憩をしてから、来た道を戻ります。
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今回はここまで。本日もありがとうございました。
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