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今回は「2025年 小笠原諸島に育休移住してみた」その13をお届けします。
★前回の記事は こちら ★
父島 夜明道路を歩いて観光
2025年4月25日、育休移住12日目は、ベビーを抱っこしながら、父島の夜明道路を歩いて観光しています。
長崎展望台の次は旭平展望台へ。引き続き坂道を上っていきますが、その途中に興味深いスポットがあります。
日本最南端のループ線

それがこちらの「長崎トンネル(全長70m)」です。一見すると何の変哲もない小さなトンネルですが、地図で拡大してみると…

トンネル通過後、道が大きく左にカーブした後にトンネルの上を通る、いわゆる「ループ線」となっているのです。長崎トンネルは日本最南端のループ線と言えるでしょう。

GoogleEarthで見るとこんな感じ。小笠原支庁の資料によると、現在の長崎トンネルが完成したのは1981年とのこと。夜明道路自体は戦時中からありますが、それ以前からループしていたのでしょうか。
長崎トンネルがループ構造になっていることは、今この記事を書いているときに発見したので、上からの写真はありません。GoogleMapのストリートビューを確認すると、しっかり『上の道から下の道』を確認することが出来ます。

トンネルを抜けた先に現れるのが枕状溶岩。枕状溶岩とは、溶岩の形態を示す名称で、水中に噴出した溶岩が海水によって急速に冷やされることで形成されます。つまり海底火山の噴出物ということです。岩石学的には「ボニナイト」と呼ばれ、世界で初めて小笠原で発見されたことから、その名称は「無人島(ぶにんじま)」が由来となっています。
■参考:小笠原諸島の成り立ち
ガイドなしで小笠原の固有種を見る
長崎展望台から歩くこと約20分、続いての展望スポットである「旭山」に到着しました。

旭山という名前は、1861年に咸臨丸で来島した幕府の巡検隊が、山頂に国旗を掲げたことに由来するそうです。欧米系島民の定住が始まったのは1830年とされており、この時代には夜明道路もまだ整備されていなかったはず。そうした状況を踏まえると、当時の巡検は相当な困難を伴うものだったと想像されます。
■参考:咸臨丸とは

夜明道路から展望スポットまでの遊歩道は途中で2つに分かれ、旭山山頂(標高267m)までは800m、旭山南峰までは700mとのこと。ガイド不要で森を歩くことが出来る貴重な場所です。まずは旭山山頂へ。

歩道沿いには、小笠原村の花であるヒメツバキをはじめとした高木林や、父島を象徴する乾性低木林、さらには戦時中に築かれた壕などがあると紹介されています。ただ、陸の自然は専門的な知識がないと違いを捉えにくく、何気なく通り過ぎてしまいがちです。

こちらは「ムニンヒメツバキ」です……が、実際に見てもそれだけで終わってしまいがちです。小笠原の固有種で、「ROSE WOOD」が訛って島では「ロースード」と呼ばれています。ただ、調べても情報が少なく、そもそもなぜROSE WOODなのかは分かりません。

こちらも固有種の「マルハチ」。沖縄や奄美で見られる「ヒカゲヘゴ」に似ていますが、茎の表面にある葉柄の落ちた跡が「八」を逆さまにしたように見えることから、この名が付けられています。
■参考:沖縄のヒカゲヘゴはこちら

「オガサワラビロウ」も固有種。島内各地に自生しており、小笠原開拓以来その葉が建物の屋根や壁材料として利用されるなど、島の生活に身近な木と言えるでしょう。小笠原伝統の南洋踊りの腰巻きにも使われています。

こちらも固有種の「ムニンシラガゴケ」。小笠原の固有種には、大抵「ムニン」や「オガサワラ」が付いています。

そして、いよいよ視界が開けましたが、さっきまで晴れていたはずなのに、青空が見えません。

どうやら山頂は、雲の中に入ってしまっていたようです。恐らく、南峰に行っても何も見えないので、夜明道路へと戻ります。
■参考:島は低い場所に雲ができやすい

その途中で、これまた固有種で絶滅危惧種の「アカガシラカラスバト」を発見することが出来ました。小笠原の陸の自然をサクッと楽しみたい方には、旭山がおすすめかもしれません。
旭山の近くにある旭平展望台
旭山から夜明道路を5分ほど歩いた場所にある旭平展望台にやって来ました。

旭平という名称は、旭山に由来するものでしょう。展望台から父島の東側に広がる海の景色を見ることが出来ますが、長崎展望台とそれほど変わりません。

時刻は11時。出発から2時間半が経過しましたが、まだ全体の4分の1にも達していないようです。引き続き坂道を上っていきます。
国立展望台VERA小笠原局(オレンジペペ)
続いてやって来たのは、国立展望台VERA小笠原局。

VERAとは「VLBI Exploration of Radio Astrometry」の略称で、天文学辞典では「広域精測望遠鏡」と紹介されています。基本的にいつも門は空いているので、自由に見学することが可能です。

こちらが広域精測望遠鏡。同様のアンテナは国内にあと3か所あり、岩手県奥州市・鹿児島県薩摩川内市・沖縄県石垣市に設置されています。離れた望遠鏡同士を一体として機能させることで、直径約2300kmにおよぶ観測網を構築し、天体の位置や距離を非常に高い精度で測定できる仕組みです。
■参考:1

夜間には、アンテナがオレンジ色にライトアップされ、その姿は小笠原で知られる緑色に光る小さなキノコ「グリーンペペ」になぞらえられ、「オレンジペペ」の愛称で親しまれています。直径は20メートルに達し、父島最大の建造物だそうです。

夜明道路沿いに森へと入っていく遊歩道がありました。ここからは「ムスタング」「ノボタン」「ロラン展望台」という3地点に行くことが出来ますが、入林許可得た方(ガイド等)の同行が必要となっています。ちなみに、3地点がどんな場所かというと…
- ムスタング:戦時中にアメリカの戦闘機・ムスタングが墜落し、今も残骸が残っている
- ノボタン:絶滅危惧種のムニンノボタンが人工的に植栽されている場所
- ロラン展望台:東側の海を臨む展望スポット。途中に戦跡もあるらしい

また、こちらの空き地は防衛省の管理用地となっているため立入禁止。小笠原では、こうした立入制限区域のほか、立入禁止となっている場所や、そもそも道が整備されていないエリアも多く見られます。
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今回はここまで。本日もありがとうございました。
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