二宮金次郎の首がない?父島 初寝浦展望台から中央山を歩く!戦跡と景色|2025 旅行記14

島旅

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今回は「2025年 小笠原諸島に育休移住してみた」その14をお届けします。

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初寝浦展望台からの景色

2025年4月25日、育休移住12日目は、ベビーを抱っこしながら、父島の夜明道路を歩いて観光しています。

11時30分、旭平展望台の次にやって来たのは初寝浦展望台です。

ここにはバイオトイレが設置されています。これが夜明道路沿いにある唯一のお手洗いなので、徒歩や自転車で観光している人にとっては貴重なスポットです。

こちらが展望台からの景色。眼下に見えているのは初寝浦海岸です。この砂浜は緑色の「うぐいす砂」で知られていますが、ここからだと白砂にしか見えません。

砂浜が緑色になるのは、小笠原諸島の基盤となっている「無人岩(ボニナイト)」という岩石が理由。これが風化していく過程で、硬い鉱物(古銅輝石)だけが残り、海岸に集まることで緑色の砂浜になるそうです。こうした「うぐいす砂」の海岸は、世界でも小笠原でしか見られないとされています。

■参考:1

遊歩道は展望台から徒歩20分ほど(約1.5km)離れた場所にある

しかし、初寝浦はあまり人気がありません。夜明道路から砂浜までは約1.2km。森の中に整備された遊歩道を歩き、標高差200mを一気に下ります。道中では固有種も見られますが、帰りは同じ道を登らなければなりません。このハードさが理由でしょう。

2016年 初寝浦海岸

私は初めて小笠原を訪れた時に海岸まで下りましたが、あいにくの雨で景色は微妙。砂の色もまったく分かりませんでした。

■参考:2016年 初めての小笠原旅行記

初寝浦展望台付近の戦跡

戦時中はこの辺り一帯に要塞が築かれており、夜明道路はこうした施設へアクセスするための軍道だったと考えられます。

こちらは、夜明道路から展望台へ向かう短い遊歩道沿いにある、戦時中のものと思われる廃墟。通信所の跡のようです。

なお、この建物は立入禁止。看板には「防空壕」と書かれており、そのメッセージが「大蔵省(現在の財務省)」から出されている点も興味深いです。こうした戦跡が自然と同化しながらあちこちに残っており、戦跡ツアーに参加すると見ることができます。

■参考:日本各地にある要塞について

展望台にある施設

初寝浦展望台にも戦跡らしきものが残っていますが、案内板などはなく詳細は不明。ちなみに戦時中、父島には初寝浦(夜明山)ともうひとつ、旭山にも無線通信施設がありました。そして、1944年9月2日、後に米国大統領となるジョージ・H・W・ブッシュ氏が、この施設への攻撃に雷撃機のパイロットとして参加したというエピソードがあります。

防空壕もあった

なお、ブッシュ氏が乗る雷撃機は日本軍の対空砲火を受け、父島北東の海上に墜落。同乗していた2名は行方不明となりましたが、ブッシュ氏は米国の潜水艦に救助されました。そうした縁もあり、ブッシュ氏は2002年に父島を訪れています。

■参考:2

二宮金次郎の首がない!?

初寝浦展望台の向かい側、夜明道路を挟んだ茂みの向こうに石像がありました。近づいてみると…

!? 首から上がありません。こちらは名物「首無し金次郎」。もともとは戦前、大村尋常小学校に設置されていた二宮金次郎像とされています。戦時中に島民の強制疎開が行われると、夜明山一帯に建設された通信施設の敷地へ移設されました。さらに小笠原返還前、駐留していた米軍兵士によって頭部が切り取られ、そのまま持ち帰られたと伝えられています。

■参考:小笠原諸島と戦争の歴史

JAXAの小笠原追跡所

初寝浦展望台の次に向かうのは中央山です。

傘山はガイドの同行が必要なので通過。

こちらは宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小笠原追跡所。1975年に開設された施設です。種子島宇宙センターや内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられたロケットの飛行経路・飛行状況の確認、および異常飛行の監視といった飛行安全の確保が目的とされています。

■参考:2023年 種子島旅行記

施設内にはロケットを電波で追尾するテレメータ受信設備などが整備されているそうですが、基本的に施設内を見学することは出来ません。

ところで、ひとつ気になることがあります。小笠原では自然環境への懸念から飛行場の建設が見送られています。にもかかわらず、この貴重な自然が多く残る山の中にVERAやJAXAの施設がある理由です。

JAXA周辺も自然保護エリアになっている

自衛隊や気象庁の施設は集落内にありますが、やはり宇宙関係施設は少しでも宇宙に近い(標高が高い)方がいいのでしょうか。もしかしたら、旧日本軍の施設があった場所なのかもしれません。個人的には小笠原の不思議のひとつだと思っています。

こちらは、初寝浦展望台と中央山の間にある「アカガシラカラスバトサンクチュアリー」の入口。ノヤギやノネコの侵入を防ぐための柵が厳重に設置されています。ガイドツアーに参加すれば見学可能ですが、カラスバトの繁殖期にあたる11月〜3月は人間も立入禁止です。

■参考:カラスバトに注意の標識もある

父島最高峰・中央山からの景色がおすすめ

初寝浦展望台から歩くことおよそ45分、中央山に到着しました。

「山」とはいえ、すでに夜明道路でかなり標高を稼いでいるので、山頂までは5分もかかりません。道も歩きやすく、ガイド無しで入山することが出来ます。

ということで、山頂に到着。ここは360度見渡せる絶景スポットで、個人的にもおすすめの場所です。なお、中央山の標高は319mですが、父島の最高地点はここではなく、中央山の南東にある標高326mのピークとされています。

そしてここにも戦跡がありました。どうやら電波探信儀(日本海軍でのレーダーの呼称)の台座のようです。

三角点も設置されていました。点が旧字の「」であることから、かなり古そうですが、詳しいことは分からず。

こちらは西側の景色。二見湾口と港周辺の集落が見えています。

南西側はこんな感じ。緑の間から見えているのは天然記念物の島・南島です。

■参考:南島に上陸

南側は深い緑で覆われています。小笠原は海がフォーカスされがちですが、世界自然遺産に登録されているのはこの陸の自然です。

東側は東島とその向こうに広がる水平線の景色。

中央山にて

周囲に遮るものがなく、集落からも離れているため、夜は星空も美しいことでしょう。中央山からは朝陽も夕陽も望むことができます。

時刻は13時。出発から4時間半が経ちましたが、島一周のまだ半分にも達していません。ただ、ここが最高地点ということは、この先は下りが多くなるはずです。

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今回はここまで。本日もありがとうございました。

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