ブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は「沖縄の海に野生のイルカはいるか」前編をお届けします。
沖縄の海に野生のイルカはいるか
2021年7月、原付で国道58号線を走り、沖縄北部・名護市へやってきました。
名護市に入ってから、少し走ると「真謝川」を渡る橋があります。そこに設置されているのが【イルカ】のモニュメントです。
さらにその先、名護市街地の手前にも、道路沿いに「イルカの里」と書かれたイルカの石碑が置かれています。
名護警察署の看板にも「イルカの街」という文字があります。しかしこれまで私は、沖縄のイルカについて、ほとんど話を聞いたことがありませんでした。沖縄にイルカはいるか…
こちらは私が小笠原諸島でドルフィンスイム・ウォッチングツアーに参加したときに撮影した映像。沖縄はマリンアクティビティの宝庫。本当にイルカがいるのであれば、「イルカと泳ぐ」という体験があってもあっていいはずです。
■ 参考:小笠原諸島でイルカを見る
実際、沖縄の冬の海にやって来るザトウクジラは、ホエールウォッチング・スイムツアーに参加することで、野生の姿を見ることが出来ます。しかし、沖縄で「ドルフィンウォッチング・スイム」のツアーを探しても、全く情報が出てきません。
名護がイルカの街である理由
日本で野生のイルカと泳ぐことが出来るのは、小笠原諸島・利島(伊豆諸島)・御蔵島(伊豆諸島)・能登島(石川県)の4か所だけと言われています。
沖縄本島でイルカを見たり、一緒に泳いだりすることが出来る場所は、もとぶ元気村・海洋博公園・ルネッサンスリゾートオキナワの3か所。海洋博公園では無料でイルカショーを見ることが出来ます。
■ 参考:海洋博公園のイルカショーを見物
今回私が知りたいのは、沖縄に「野生のイルカ」がいるかです。飼育されたイルカがいて、「イルカの街」を名乗ることが出来るのであれば、日本全国に「イルカの街」が乱立する事態になりかねません…と、言いたいところでしたが、沖縄でイルカを見ることが出来る3施設があるのも、名護市ではないのです(笑)
それではなぜ名護が「イルカの街」と言われているのか。その背景には、明治以降から1988年まで、名護漁港を拠点に大規模なイルカ(ピトゥ)の追い込み漁が行われていた歴史があります。
昔の名護湾にはハンドウイルカなどもいたそうですが、捕獲されていたのはほとんどが「コビレゴンドウ(クジラ)」か「ゴンドウクジラ」。つまり、クジラ漁が行われていたのです。ちなみに、イルカはクジラの一種。4~5m以下のクジラをイルカと呼びます。
海洋博公園のイルカショーでも、「オキゴンドウ」というクジラが活躍しているので、その辺の定義はケース・バイ・ケースと言えるでしょう。まとめると、名護湾ではクジラ漁が行われていましたが、人々はそのクジラを「イルカ」と呼んでいたのです。
名護湾がイルカの血で真っ赤に染まった
名護漁港にある謎の建物「ニライカナイ」にもイルカがいました。ニライカナイとは、沖縄の海の彼方にあると信じられている理想郷の名称。イルカもまた海の彼方の神からの贈り物として意識されました。
イルカの到来を祈願するため、毎年旧暦の1月末か2月初めにノロ(沖縄の女性神職)が名護城にお神酒をあげて、御願をたてていたそうです。この御願が始まると同時に、皆さん漁の道具の手入れを始めていました。
イルカ漁は自給や商売というよりも、盛大な集落行事だったのかもしれません。イルカ漁の時期は、名護湾がイルカの血で真っ赤に染まり、イルカの肉は神に授けられた恵みとして、集落全員に平等に配られたそうです。
しかし、名護湾でイルカの自由捕獲が禁止される直前の1980年代前半には、名護湾でイルカの姿が見られなくなっていたそうです。その理由について、1985年の名護市議会では『海に向かって置かれたシーサーが原因ではないか』という、議員と市長による沖縄ならではの答弁が行われています。
■ 参考:1
議会ではイルカの観光化についても、維持が難しいとして同意されませんでした。ということで、現在の名護湾で野生のイルカを見ることは難しいことが分かりました。しかし今でも名護には、イルカを食べることを出来るお店があるので、後編ではそちらをご紹介します!
.
今回はここまで。本日もありがとうございました。
★続きはこちら★
コメント