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今回は【初めての小笠原諸島旅行記 】その17をお届けします。
★前回の記事★
天然記念物・南島へ
世界自然遺産に登録されている小笠原諸島。
自然保護の観点から、立ち入りには東京都認定ガイドの同行が必要なエリアも多いです。
南島もそのひとつ。
天然記念物にも指定されている、大変美しい無人島で、初めて小笠原諸島へ行く人にとっては、外せないスポットです。

認証を受けた事業者が実施する、ツアーに参加するのが一般的な上陸方法。
今回私も、ドルフィンスイムと南島上陸がセットになった半日ツアーに参加しています。
ツアーの船は、おがさわら丸が停泊する父島・二見港を出港し、イルカを探しながら南島へ。上陸後は、またイルカを探しながら、二見港へ戻るというような流れです。

南島への上陸方法は大きく3つ。
- 船で鮫池に接岸
- カヤックで扇池から上陸
- 泳いで扇池から上陸
カヤックまたは泳ぎの場合は、写真のトンネルを通過し、南島・扇池からの上陸となります。しかし、なかなかハードなので、鮫池から、船で上陸する方がほとんどです。
なお、いずれの上陸方法でも、認定ガイドの同行は必要です。

船は、南島・鮫池の岩場に接岸しました。
鮫池の入口は非常に狭いことが、この写真からも分かります(写真中央右)。
このため、海が波立っている日は、南島に上陸することが出来ない場合が多いです。

鮫池には、ネムリブカという、人を襲うことも滅多にない、大人しいサメが多く生息しており、陸上からもその影を見ることが出来ます。

ガイドの方を先頭に、なかなか急な石灰岩の丘を登ります。
ゴツゴツして、鋭く尖った岩も多いです。
岩場を歩くのに慣れていない人は、サンダルではなく、濡れてもいい靴や、マリンシューズを履いた方がいいでしょう。

鮫池(左)から、丘を越えて扇池(右)へ。
南島は、石灰岩という「岩」から出来た島ですが、ここまでの写真からも、緑に覆われていることが分かります。
この緑を守るため、様々な取り組みが行われており、ツアー参加者にも、ルールの順守が求められています。

このツアーでも、南島上陸前、船上で靴底を洗う時間がありました。
これは、土に含まれる種子や虫の卵などの流入を防ぐための取り組み。
さらに、人が南島に入ることによる植物への負担を減らすため、毎年11月から2月までは、船を接岸しての入島は制限されています。
小笠原を代表する景色
丘を登ると、眼下に絶景が広がりました。

パンフレットやポスターなどにも使われる、小笠原諸島を代表する景色です。

写真ではなかなか伝わりませんが、真っ白な砂と真っ青な海が、太陽の光に照らされて、眼下の景色がキラキラと輝いて見えます。

あまり注目されることはありませんが、反対(背中)側の景色も美しいです。

ハートロックも綺麗に見ることが出来ます。

南島や、対岸のジニービーチ・ジョンビーチ周辺は、地表に形成されたカルスト地形が海中に沈んだ「沈水カルスト地形」が広がる、日本でも珍しい場所として知られています。

カルスト地形の「ドリーネ」にあたる、扇池まで降りてきました。
こちらは泳ぐこともOKです。
産卵の時期になると、この浜にもウミガメが上陸します。

ちょうど、砂浜へ上陸したものの、海へ戻ることが出来なくなってしまったと思われる、ウミガメの亡骸を見つけました。
★参考:ウミガメの産卵について

ウミガメの他にも、南島では様々な生き物を見ることが出来ます。
南島は生き物たちのオアシス

砂浜をよく見ると、化石化したカタツムリの殻がたくさん落ちています。

これらは、ヒロベソカタマイマイという、数百年前に絶滅したカタツムリ。
化石記録から、約1~4万年前には、南島に31種のカタマイマイが生息していたそうです。

ドリーネ部分には、扇池ともうひとつ、「陰陽池」があります。
こちらは台風の際に発生した海水の水たまりで、その後は雨水が混ざっているため、いわゆる汽水湖となっています。
準絶滅危惧種の「カワツルモ」も見つかっています。

何もなかったはずのこの岩の島に、植物の種子を運ぶのが渡り鳥です。
2012年、2013年に行われた調査では、総計6目9科27種の渡り鳥が確認されています。
■参考 南島モニタリング調査報告書

渡り鳥だけでなく、カツオドリ・オナガミズナギドリ・アナドリは、南島で繁殖活動を行っています。

岩陰に巣を作って、子育てをしている様子も見ることが出来ました。

戦前はヤギが放牧されていたため、植生などは荒らされていたようです。
現在もまだ、回復の途上と言えるかもしれません。
きっとこれからもっと、美しい島になるはずです。
とにかく美しい島でした

南島には、最大2時間しか滞在することが出来ません。また、1日に上陸できる人数も限られています。
半日ツアーだと1時間程度の滞在ですが、大満足でした。
南島には、日差しを遮るものがなく、一方で、地面からの照り返しもあるので、日焼け対策は欠かせません。

南島から父島へ戻る途中の景色もまた美しいです。

日焼けで火照った身体を冷やすため水中へ。

しかし、水が綺麗すぎるせいか、魚は1匹もいませんでした。
その代わり、白砂が広がる海底でも、数十m先の様子が分かるほどの透明度を体験することが出来てよかったです。
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今回はここまで。本日もありがとうございました。
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