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今回は「おきなわワールドに行ってきた」前編をお届けします。
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おきなわワールドにある玉泉洞へ
沖縄本島の南部・南城市にある沖縄県内で最大規模のテーマーパーク「おきなわワールド」へやって来ました。

キャッチコピーは「沖縄の魅力のすべてが一堂にそろう」。最近ではインバウンドにも人気のスポットで、年間100万人の観光客が訪れるそうです。コロナの影響で、2020年4月9日から休業となりましたが、その直前、4月5日に見学をしてきました。

おきなわワールドに到着したのは15時前。
15時~ 玉泉洞
16時~ スーパーエイサーショー
16時半~ ハブのショー
を順に見学するというプランでした。営業時間が通常よりも短く、この日の閉園は17時半。時間的な余裕はありません。

入園すると、まずは植物で作られたシーサーがお出迎え。シーサーはインドや中国の獅子と日本の狛犬の雑種。その歴史は、おきなわワールドの王国村にある「王国歴史博物館」で知ることが出来ます(今回は行きませんでした)。

現在は園内に様々な施設がありますが、その始まりは1972年にオープンした玉泉洞(鍾乳洞)です。沖縄が米軍統治下にあった1967年、調査により全長5000m、鍾乳石の数1000万本以上(国内最多)という全貌が明らかになりました。現在は890mが公開され、手軽に見学を楽しむことが出来ます。

入場するとまずは記念撮影があります。どうやらこれは「通過儀礼」のようで、断ることが出来ません(笑)私は1人でしたが、「はい、シーサー」のポーズで写真を撮られました。この写真は出口で購入することが出来ます(買いませんでした)。

玉泉洞が開業する1年前、1971年に運営会社・南都が設立されました。創業メンバーの方々が全国の旅行会社へ営業活動を行い、団体旅行を誘致することに成功。当時の国鉄が実施した沖縄PRキャンペーンポスターにも採用され、多くの人に知れらることとなりました。

そこで得た資金を投資に回し、1979年にハブ公園、1992年に南都酒造所をオープン。1994年には沖縄県博物館相当施設に指定され、1996年には玉泉洞王国村をオープン。施設名が「おきなわワールド」になったのは2002年のことです。

鍾乳洞の中へやって来ました!なかなか広く、写真では伝わらない迫力があります。また、本土の洞窟のようなひんやりと感じではなく、むわっとしているのも沖縄ならではです。
琉球石灰岩の鍾乳洞を歩く
沖縄本島を含む、沖縄の多くの島々が隆起したサンゴ礁が土台となっています。

海の中のサンゴ礁には、サンゴや貝殻など、硬い骨格を持つ生き物(=主成分は炭酸カルシウム)が生息しています。これらの生き物は死んだ後、海底で堆積・圧縮され、長い時間をかけて石灰岩となります。

そして、地殻変動により海底が隆起することで、炭酸カルシウムを多く含んだ石灰岩の台地が陸上に登場します。つまり、玉泉洞もはるか昔は海底にあり、壁面をよく見ると、サンゴや貝殻の形がそのまま残っていることも多いです。
★参考:サンゴとサンゴ礁の違い★

沖縄や奄美の石灰岩は通常の石灰岩よりも新しいため、琉球石灰岩として区別されており、沖縄県の面積の約3分の1が琉球石灰岩に覆われています。この石灰岩の台地に雨が降ると…

琉球石灰岩は溶けてしまい、炭酸水素カルシウムを多く含んだ水になるのです。
カルスト地形とは何か
岩石が雨水や地下水で溶かされる(溶食される)ことによって出来る特徴的な地形を「カルスト地形」といいます。

カルスト地形を作る岩石の代表が石灰岩です。玉泉洞内でも様々な地形を見ることが出来ます。

石灰岩の台地に雨が降ると、炭酸カルシウム成分を多く含む場所から溶食され、地面に窪地(=ドリーネ)が出来ます。

その後、ドリーネが拡大すると、隣り合ったドリーネが連結し、より大きな窪地(=ウバーレ)が出来ます。

ウバーレがさらに溶かされ広がって出来た窪地はポリエと呼ばれます。こうなると、窪地の底面積は数百平方キロメートルに及び、スロベニアでは人が住んでいることで知られています。

鍾乳洞もカルスト地形のひとつ。地下に染み込んだ水が石灰岩の台地を溶食し、地下に洞窟が作られるのです。

現在も鍾乳洞内には水が滴っており、窪地に溜まった水は写真のようにライトアップされ、とても美しくなっています。

石灰岩と雨水が混ざり、水には炭酸水素カルシウムが多く含まれているため、水が白っぽく濁っているのも特徴的です。

また足元をよく見ると、写真のような塊がぽつぽつとあります。こちらが水に含まれている炭酸カルシウムです。

これが基礎となり、写真のような鍾乳石(石筍)へと成長していきます。

天井からも無数のつらら石が伸びています。

玉泉洞は一般的な鍾乳洞よりも成長のスピードが早いそうです。と言っても、そのスピードは3年に1mm程度。

30万年前からの自然の営みによって、現在の姿にまで成長したのです。
★参考:東洋一美しいと言われる南大東島「星野洞」★
琉球石灰岩と沖縄の水
沖縄では昔から水不足に悩まされる地域が多かったと言われています。

現在の沖縄にはダムがあるので、水不足が問題になることは少ない一方で、屋根に水タンクのある家が多いです。
★参考:沖縄は雨の多い地域です★

四方を海に囲まれているため、海までの距離が近く、降った雨がすぐに海へ流れてしまいます。さらに石灰岩質の台地は水が浸透しやすく、降った雨が地中にすばやく浸透してしまうのです。

水が溜まらず、地中へ浸透してしまうため、琉球石灰岩の台地では川が出来にくくなります。川の流れは地面を削り、谷を作りますが、琉球石灰岩の台地上ではそれがないため、平べったい土地が広がります。

沖縄本島の米軍関連施設の分布は、琉球石灰岩の分布地と一致します。もともとは日本軍の基地だった場所も多いので、戦前の日本軍が、地形を考慮して場所を選んだことが分かります。

大きなものから小さなものまで、沖縄本島南部にはこうした鍾乳洞が点在しているため、沖縄戦(1945年)の時には、鍾乳洞(ガマ)が空襲などからの避難場所として活用されました。頑丈で水もあったため、多くの人々の命が救われました。

玉泉洞は大雨による増水の影響を受けやすく、戦時中は利用されることがなかったそうです。
水道水にも炭酸水素カルシウムが多く含まれる
沖縄に住む人々の飲み水は地下水、ということは、炭酸水素カルシウムが含まれています。

こちらはおきなわワールドの近くにある全国名水百選・垣花樋川。沖縄本島南部の水は硬度が高く、お腹を壊したり、シャンプーをしても髪がゴワゴワになってしまったりする場合があります。

浄水場内には硬度低減化施設が導入され、那覇市内の水道水には、硬度に配慮した水運用が行われています。それでも那覇市水道局のホームページには、水道水を沸騰させると白い沈殿物(炭酸カルシウム)が析出すると紹介されています。

そんなわけで、那覇市のミネラルウォーター支出金額は全国でもトップクラス(家計調査より)。ウォーターサーバー普及率も沖縄県が日本一と言われています。街を歩いていると、水の専門店も多く見られます。
見学に1時間かかりました

歩く道にこうした案内看板も設置されています。

ただ、ここは洞窟なので、ライトアップされていても全体的に暗く、じっくり読むことは難しいかもしれません。

こうした雰囲気をのんびりと楽しむのが一般的ですが、徹底的にこの鍾乳洞を学びながら歩くことで、沖縄の自然や文化を知ることが出来るのでおすすめです。

玉泉洞には生き物たちも暮らしており、出口付近の水槽で展示されていますが、野生の魚たちが泳いでいたりする様子は、見ることが出来ませんでした。

こちらは「大仏御殿」。いかにも縁起のいい場所のように思われますが…

お金の投げ入れなどはNGという案内がありました。ここは野生の生き物が泳いでいる場所です。

名前を付けられた鍾乳石が多く、「大仏御殿」も神聖な場所ではなく、単なる愛称なのです。

「古酒蔵」もあります。ここで保管されてるのは泡盛ではなく『泡盛をベースに、ハブのエキスと数種ハーブをブレンドした特性のハーブ酒』が保管されているそうです。

出口が見えてきました。1時間近くかかってしまい、16時からのエイサーショーの時間ぎりぎりになってしましました。急いでエイサー広場へと向かいます。
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今回はここまで。本日もありがとうございました。
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