沖縄と海洋ゴミの問題を考える~ナガンヌ島ビーチクリーンに参加してきた|2021 沖縄旅行記

南国日記~沖縄移住の記録~

ブログをご覧いただきありがとうございます。

今回は「ナガンヌ島のビーチクリーン」に行ってきたので、その様子をお届けします。

■ 参考:ナガンヌ島旅行記

ナガンヌ島のビーチクリーンに参加

2021年3月20日、この日は那覇から船で約30分の場所にある無人島・ナガンヌ島で行われたビーチクリーン(海岸清掃)に参加してきました。

ナガンヌ島には定期船がないため、ナガンヌ島を管理する業者の船で渡ります。ビーチクリーンはボランティアの場合が多いですが、今回は参加費(乗船料)1,500円がかかりました。さらに申込方法も電話だけです。

ナガンヌ島到着

それにも関わらず、4日間・各日40人の定員が設けられているうち、私が電話で申込みをした時点で、空いていたのはこの日1日だけ。海洋ゴミやボランティアへの関心の高さが伺えます。

ナガンヌ島ビーチクリーンは、ここ数年毎年行われているそうです。ビーチクリーンの後には自由時間(泳いでもOK)もあり、知る人ぞ知るお得な楽しみ方と言えるでしょう。

普段は立ち入りが制限されている「鳥獣保護区」へ行くことが出来るのも、楽しみのポイントです。

ビニール袋と軍手が配られて、ゴミ拾いスタート。美しい海に囲まれたこの小さな島に、どれだけのゴミが落ちているのでしょうか。

沖縄と海洋ゴミの問題を考える

地面に落ちているゴミを探しながら歩いているので、普段よりも発見が多いです。

こちらは「タカラガイ」という、昔の中国でお金として用いられた貝。今でも「購入」「貯金」「財産」など、お金にまつわる漢字に貝辺が付いているのはこのためです。金運アップのお土産としても販売されています。

こちらは冬の沖縄本島のビーチによく漂着しているコウイカの骨。サンゴや貝殻、生き物の骨などが粉々になり、沖縄のビーチの白砂が作られます。こちらは回収せず、そのままにしておくのが正解です。

そしてこの日最初に見つけたゴミはリップクリームでした。ここから怒涛のゴミ拾い。初めに配られた大きな2枚の袋は、あっという間に満杯となりました。

ナガンヌ島に滞在しているスタッフの方や観光客が、ビーチに大量のゴミを捨てている訳ではありません。ナガンヌ島に落ちているゴミのほとんどが、海から打ち上げられたものです。

沖縄のビーチにゴミが多い理由

ドイツの研究チームが行った調査によると、川から海へ流れ込むプラゴミのうち、9割の汚染源はアジアとアフリカの計10河川。日本から比較的近い長江・珠江・メコン川からも、大量のプラゴミが海へ流出しています。

出典:気象庁

そして北半球には、時計回りの大きな潮の流れ、いわゆる「海流」があります。海へ流れ出たゴミは海流に乗り、沖縄をはじめ、日本各地の砂浜に打ち上がるのです。

★参考:海流について★

この日落ちていたゴミで一番多かったのはペットボトルのキャップ。軽くて丈夫なので、漂着しやすいのでしょう。

ペットボトル本体も多かったです。ラベルを見ると、外国からやってきたものと分かります。

釣り具や漁具は、海でも使える丈夫な作りになっていることから、海上を長く漂流し、ビーチへ打ち上がることが多いようです。

マスクが落ちているのは、このご時世ならではでしょうか。

日本のゴミも多い

一方で、日本語が書かれたゴミも多く見られました。

せっかく漬けた梅干しを捨ててしまうとは勿体ない… こうしたものは、東日本大震災で流された可能性もゼロではありません。 震災ゴミも太平洋の海流に乗って、アメリカ西海岸から赤道付近を経由し、沖縄までやってきます。

朝日新聞の記事より

東日本大震災で海へ流れ出たコンテナなどが沖縄で見られるようになったのは2020年以降。海流や日本本土と沖縄の距離を考えると、例えば東京湾に流れ出たごみが、まっすぐ沖縄へやってくることは基本的になく、沖縄へ流れ着くには相当時間がかかります。

泡盛の紙カップは恐らく沖縄で出たゴミ「

沖縄本島のビーチに打ちあがっているゴミは、沖縄で出たものも多いのです。沖縄に移住してから、「指定日以外のごみ出し」と「ポイ捨て」をよく見かけるようになりました。本島中南部のサトウキビ畑をよく見ると、実はゴミだらけだったりもします。

嵐のような雨が突然やって来るのは沖縄あるある。こうした雨が降ると、街中のゴミが一気に川、そして海へと流れ込みます。

サンゴ礁による自然の防波堤に囲まれている沖縄本島では、ゴミが外洋へ流れ出るのに時間がかかるため、波風の影響を受けて、海上を漂流するゴミがビーチへ打ち上がるのです。

野球ボールもたくさん落ちていました。川沿いの野球場で放たれたホームランボールが川に落ちて、海までやって来ているのでしょうか。

沖縄県資料より

こちらは少し古いデータですが、沖縄各島に漂着したゴミは、日本製のものが多いという結果が出ています。

砂に混ざるマイクロプラスチック

こちらはプラスチックの板。太陽の日差しを浴びると、とても割れやすくなります。

これらが少しずつ細かくなって、5mm以下になったものがマイクロプラスチックです。沖縄のビーチの砂の中にも、よく見るとマイクロプラスチックが混ざっています

プラスチックには有害物質が付着しやすいため、魚などを通じて人体へマクロプラスチックが入り込むと、健康に悪影響を与える可能性もあるそうです。

2050年には、世界の海で魚よりもごみの数が多くなると言われています。漁業への影響はもちろんですが、ゴミ処理に税金と手間がかかるだけでなく、観光への影響も計り知れません。

■ 参考:サステイナブルツーリズムの事例

美しい海を求めて訪れる観光客が多い沖縄。そこでゴミが多いと、満足度が下がる要因になります。

約1時間・40人以上でゴミ拾いをした結果がこちら。海外から流れ着くゴミを、すぐには止めることは出来ません。まずは沖縄のビーチに落ちている、日本語が書かれたゴミ(=沖縄から出ているごみ)が減ればいいなと思いました。

ビーチクリーンの後は自由時間

昼食はカレー。こちらは参加費に含まれているので、別途料金を支払う必要はありません。

そして午後の自由時間は海へ。シュノーケルセットはレンタル(有料)のものを借りました。

日差しは眩しくてもまだ3月下旬。海水はまだ冷たいです。ウェットスーツを着ていなかったので、寒さに凍えながらも、透明度の高い海を楽しむことが出来ました。

ということで、さらばナガンヌ島。海洋ゴミの問題について考えさせられる、貴重な機会となりました。

.

今回はここまで。本日もありがとうございました。

★こちらもおすすめ★

コメント

タイトルとURLをコピーしました