北海道・稚内で野生のゴマフアザラシの越冬を見る!駅から歩いて抜海漁港へ|2020 旅行記7

北海道

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今回は【2020年→2021年 年末年始の旅】旅行記その7をお届けします。

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抜海駅(稚内市)から歩いて抜海漁港へ

2020年12月29日、旭川から宗谷本線に揺られること約6時間、いよいよ日本最北端の地が近づいてきました。

運賃表が凄いことになっています。1つの路線の普通列車で、乗り換えなしで、始発から終着まで5,000円以上かかるというのは、他ではなかなか見られません。

稚内の2つ手前の駅・抜海駅(稚内市)で列車を降りました。

1924年開業の日本最北に位置する木造駅舎かつ日本最北の無人駅。タロ・ジロ・高倉健が出演する「南極物語」にも登場するそうで、ファンが多く、稚内市長によるクラウドファンディングによって存続が決まった駅です。

駅に置かれているノートに「沖縄から来た」ことを記しておきました。今回私が抜海駅で降りた目的は「アザラシ」。ネット上の噂によると、駅から2.5kmほど歩いた先にある抜海漁港で、越冬で訪れているゴマフアザラシの大群を見ることが出来るようです。

アザラシがいるのは冬の時期だけ。路線バスも無れば、駅前にタクシーがいるわけでもありません。雪道を運転出来れば、抜海漁港まで車で行くことも出来ますが、そうでない場合、抜海駅が無くなると野生のアザラシを見に行くのは困難になります。

抜海駅や宗谷本線はいつ廃止になってしまうか分かりません。「駅から雪道を歩いて、アザラシを見に行った」ということも、きっと貴重な体験になることでしょう。

歩きながら恐れていたのが「ホワイトアウト」。地吹雪で前が見えなくなる現象です。ホワイトアウトが発生すると方向感覚が失われるため、事故や寒さなどで死に至る可能性もあります。たかが2.5kmですが、されど2.5kmです。

抜海駅到着前に天気予報は入念に確認。天候が急変する可能性が低かったので、駅から歩いてアザラシを見に行くことに決めました。海は荒れて、刺すように冷たい風が吹いていますが、雲の切れ間から青空も見えています。

スマホを確認するために手袋を外すと、手がビリビリと痛くなるような寒さ。歩いている人は誰もおらず、歩道の除雪はされていません。ただ、車はたまに通るので、除雪されていない歩道を普通のスニーカーで歩いていたら、足の感覚はあっという間に無くなりました。

こちらは抜海小中学校。1899年に開校した学校で、ドラマのロケにも使われたことがあるそうです。外観は綺麗ですが、2007年に閉校となりました。

野生のゴマフアザラシの越冬を見る

駅から20分ほど歩いて、抜海の集落に到着。

知る人ぞ知る宿「ばっかす」もここにありますが、コンビニや商店、カフェなどはありません。

そして、抜海漁港までやって来ました。漁港は広く、さらに相手は野生の生き物。この日どこにアザラシがいるのかは分かりません。果たしてアザラシを見つけることは出来るのでしょうか。

漁港の入口から海沿いまでは道なき道。雪の上に足跡があったので、「ここは歩いても大丈夫」と分かりましたが、もしこの足跡が無かったら、これ以上先に行くのは諦めていたと思います。

膝くらいまで埋まる雪道を抜けて、海沿いに出ました。私の他にアザラシの見学に訪れている人はいないようです。アザラシの姿も確認することが出来ていません。

しばらく港を見回していると、対岸の岩場(写真の中央右)が何だか動いているような気がします。

カメラをズームして確認すると、やっぱりアザラシでした。

この日アザラシたちが居たのは上の図の丸印のエリア。どうやら浅瀬になった砂地の上や消波ブロックの上で休んでいることが多いようです。

ネットで見た噂の通り「大群」で、しかも皆さん同じ色でじっとしているため、何も知らなければ「岩場」にしか見えません(笑)

日本で野生のアザラシを見ることが出来るのは北海道だけ。以前は「アザラシ観察小屋」も設置されていたそうですが、現在は閉鎖されています。

北海道とアザラシの関係

一般にこのアザラシたちは「流氷に乗ってやって来る」と紹介されていますが、12月はまだ流氷が北海道に到着していないので、長い距離を泳いで来たのでしょう。

普段はサハリンや千島列島に生息しているようですが、ソビエト崩壊以降は十分な調査が行われておらず、詳しいことは分かっていません。

■ 参考:北海道アザラシ管理計画より

海に浮かんでこちらを見つめてくるアザラシ

北海道沿岸に回遊・生息するアザラシ類はゴマフアザラシを含め5種類。北海道開拓以前から肉は食料、油は燃料、皮はカバンや服、スキー板裏の滑り止め等の皮革製品として利用されてきたそうです。

この地域の人間活動と密接に関わってきたアザラシですが、サケやタコなどを食べてしまうため、最近では漁業に影響を与える「害獣」として扱われています。上の表は北海道庁から出ている海獣類による漁業被害状況。年間を通して抜海漁港に定着している個体もいるため、追い出しなどの対策が取られているそうです。

手袋をしていても、ポケットから手を出していられるのは30秒が限界というレベルの寒さだったので、10分程度で退散。

抜海漁港にて

1人で歩いて行くのは結構危険です。風にあおられて海に落ちる可能性もあります。天気予報のチェック(晴れるか、雪雲がないか、風向きはどうかなど)は入念に行う必要があります。

しかし、本当の戦いはここからでした。こちらは抜海駅の時刻表。私は11時49分の稚内行に乗ってきました。次の列車は18時過ぎまでありません。周辺には時間をつぶせるようなお店もなく、6時間近くこの小さな無人駅で凍えながら待つのも辛いです。さて、どうしましょう。

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今回はここまで。本日もありがとうございました。

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