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今回は【初めての小笠原諸島旅行記】その2をお届けします。
★前回の記事★
台風の海へ出港
2016年9月7日11時。台風が接近しているにも関わらず、おがさわら丸は父島に向けて、東京・竹芝桟橋を出港しました。

色気のない灰色をした東京のビル群、黒い海、そして東京タワー。そこに「東京」と聞いて思い浮かべるような、煌びやかさはありません。

まるで、そこで働いている、多くの人々の心模様を映し出しているかのよう…笑 果たして24時間後には、どのような景色が広がるのでしょうか。

竹芝桟橋を出港して10分もせずに、レインボーブリッジの下を通過。その向こう側には、フジテレビも見えています。
船の航路はグーグルマップでも表示されています。幸い、雨は降っていなかったので、しばらくデッキから東京の景色を眺めます。

ガントリークレーン(愛称:港のキリン)が並ぶこちらは大井ふ頭。世界中のコンテナ船が接岸する、東京港最大、世界でも有数のふ頭の横を通過していきます。

突然「ゴォォオ」という轟音がしたと思ったら、船のすぐ上を飛行機が通過してきました。

羽田空港の近くを通るので、日時や風向きによっては、船からたくさんの飛行機を見ることが出来ます。一方で、運が良ければ、飛行機からもおがさわら丸が見えるはずです。
東京湾を抜ける頃から揺れ始める
出港から45分ほどで、船は大きく右に曲がります。

こちらは、東京湾アクアライン・海底トンネル部の真ん中あたりに設置されている「風の塔」。海面下60mに通っているトンネルの換気が行われています。また、風の塔の住所は川崎市なので、東京都から神奈川県に入りました。

横浜市街地が見えてきました。見えている橋が横浜ベイブリッジ、煙突のような細い建物がランドマークタワーです。

都市の街並みから山の景色に変わりました。鎌倉の東、横須賀や三浦半島のあたりでしょうか。
出港直後は、多くの人がデッキに出て、景色を楽しんでいましたが、ここまで1時間半以上、デッキに出ている人はほとんどいません。

小笠原まで残り929km、22時間ほどの船旅。もうすぐ東京湾から外洋へ出ようというところで、少しずつ船が揺れてきました。

デッキに吹く風も強くなる一方で、その風が雲を動かしているのか、青空が見えてきて、海も青くなりました。

波を砕いて進むおがさわら丸、そしてそこから飛んだ波しぶきを太陽が照らし、虹が掛かっていました。しかし、この写真も傾いている通り、ゆったりと海を眺めていられるような状況では無くなってきたので、船内へ避難しました。
ちなみに、この辺りまではスマホの電波も繋がりますが、ここから先はしばらく、圏外となります。
利用するのは二等和室
私にとって、24時間の船旅というのは人生初。
台風の影響で、船が揺れることは想定内でしたが、これまで乗り物酔いをしたことが無かったので、酔い止めは飲んでいませんでした。

こちらがおがさわら丸で最も安い等級・二等和室です。写真の様に、二等和室の部屋はいくつかあり、その部屋ごとにコンセントが付いています。確実にコンセントを確保したい人は、延長コードを持参するのがおすすめです。

こちらが私の区画。マットレスと薄い掛布団、枕が付いており、また、共同のシャワー(シャンプー・ボディソープ付)は24時間無料で利用することが出来ます。
船内に入ってからは、特にやることもないので、こちらでパソコンを開き、写真の整理などをしていました。
俺氏、ついにやられる…
出港から3時間が経過しました。

繁忙期や乗船客数が多い時の船内で開催されている「小笠原を120%楽しむために」 というレクチャーに参加してみました。しかし、座って話を聞いているうちに、船の揺れが大きくなってきました。
そして、私はこのレクチャーの途中で、ノックダウンしました。

こちらは、私のカメラのデータで、船内レクチャーの写真の次に残っていた写真です。
2016年9月8日 4時35分
朝になってしまいました。船内レクチャーを途中で退席してから、何も飲まず食べず、ずっと横になって、船酔いと戦っていました。
こちらは2016年9月における、八丈島の風速の記録です。父島へ向かうおがさわら丸の24時間で、最も揺れるのは八丈島付近を通過する頃。私が船酔いにやられていた9月7日、八丈島の最大瞬間風速は20mを超えており、なかなかの嵐だった様子が、数値からも分かります。

寝ても覚めても、なかなか時計の針が進まず、辛かった記憶があります。まあ、散々寝た?おかげで、早朝から目が覚めて、この綺麗な朝焼けを見ることが出来たのはよかったです。海は穏やかで、船の揺れもいつの間に収まっていました。
パソコンを見たり、船内レクチャーに参加したりで、じっと画面を見続けていたのがよくなかったのでしょう。また出発前日も、「船で寝ればいいや」と思い、ほとんど寝ていなかったことも影響していたと思います。
おがさわら丸で船酔いをしないための対策は、前日もしっかり寝て、朝ご飯を遅めに食べて、酔い止めを飲んで、寝てしまうことです。
★参考:酔い止めといえばアネロン★
午前9時 小笠原諸島が見えてきた
朝焼けを見てからは、自分の布団に戻って寝ていました。
おがさわら丸が、小笠原諸島最北に位置する無人島「北之島」の横を通過しているという、船内放送で目が覚めました。いよいよ、東京都小笠原村の海域に入ったのです。

2016年9月8日 8時57分
水平線の先に見えているのが北之島。小笠原諸島にある約30の島々のうちのひとつです。ちなみに、それらの島々のうち、一般人が立ち入ることが出来るのは父島と母島のみとなっています。

父島までの船旅も、残り2時間となりました。事前の天気予報に反して、青空が広がり、海は「ボニンブルー」と称される、濃紺な色に変わりました。

2016年9月8日 9時36分
船の先にうっすらと父島が見えてきました。達成感はありますが、いまいちテンションが上がりません… 今回は完全ノープランなので、島に着いても、何をしたらいいのか分かりませんでした。

2016年9月8日 10時
電波も復活し、いよいよ父島が見えてきました。皆さんスマホをチェックしたり、下船準備で荷物をまとめたり、シャワーをしたり、船内が少し慌しくなります。

父島に飛行場はないため、アクセス手段は、今回乗船したおがさわら丸だけ。

つまり、小笠原諸島に行く場合、誰もがこの24時間の船旅を乗り越えなければならず、しかも、島から出れるのは、船のスケジュール上、早くても4日後になります。
※知事や官僚、天皇陛下などが小笠原へ行く場合の手段は、こちらの動画で紹介されています。

母島に行く場合は、写真にも写っているははじま丸に乗り換えて、父島からさらに2時間かかります。

さあ、いよいよ小笠原諸島・父島に到着です。あら、先ほどまでの青空はどこへ行ってしまったのでしょうか。
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今回はここまで。本日もありがとうございました。
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