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今回は「2018年 宮古島旅行記」後編をお届けします。
★前回の記事は こちら ★
観光客急増の宮古島が抱える課題
池間島から原付で市街地へ戻る途中、道端に「水」と書かれた石碑を見つけました。
こちらは2003年に完成した圃場整備と灌漑排水の事業の記念碑。宮古島の年間平均降水量は2076mm。東京よりも約500mm多いですが、島に山や川がなく、透水性の高い琉球石灰岩の大地であるため、地下ダムが出来るまでは水不足に悩まされることも多かったそうです。
■ 参考:琉球石灰岩と透水性について
一方、綺麗な海が保たれているのは、山や川から土砂が海に流れ出ることがないから。そしてこの海を求めて、最近は非常に多くの観光客が訪れています。
宮古島の観光客数は2015年から2018年にかけて急増。クルーズ船の寄港も増加し、2018年の宮古島(平良港)への寄港回数は、博多・那覇・長崎・横浜に次いで国内で5番目に多い数でした。
宮古島の中でも多くの観光客が訪れるのが「与那覇前浜ビーチ」。沖縄の綺麗なビーチ○選というような記事では、いつも登場するようなスポットです。この日も多くの人で賑わっていました。
水不足と人材不足の懸念
観光客増加により、宮古島の宿泊施設も増加。もともとはシャワー文化の沖縄県ですが、新しく出来たホテルは基本的にお風呂やプールも付き。当然、島に滞在する人口も増えるため、今後は慢性的な水不足が懸念されます。
地域経済循環図を見ると、2010年から2018年にかけて第2次産業付加価値額が大幅に増加。これは宿泊施設の建設ラッシュの影響と考えられます。
雇用者所得もまた増加しており、観光客増加は島の経済へ好影響を与えていると数字上は見えますが…
宮古島市の産業別人口を見ると、数が増えているのは「公務員」。これは推測ですが、雇用者所得増加の背景にあるのは観光客増加よりも、公務員の増加であるかもしれません。また、観光客の増加に対し「宿泊業、飲食サービス業」に従事している人は420人しか増えておらず、人材不足が伺えます。
この人手不足を補うのが「リゾートバイト」と言われる雇用形態ですが、教育が出来ないため、「リゾートホテル」としての質を維持できるのかは疑問です。ホテルマンの激務も心配されます。ネガティブな口コミが拡散しやすい現代において、宮古島の観光は非常にもろい状態と考えられます。
高齢化も進んでいる
宮古島と橋で繋がった島のひとつ「来間島」へやって来ました。
草っ原の校庭が広がる来間小学校。120年以上の歴史があるそうですが、2019年度で廃校となりました。ちなみに、伊良部島にある伊良部高校も、2018年度で廃校となっています。
人口減少・高齢化が進んでいる離島や沖縄本島中北部。地域活性化の起爆剤として「観光」を取り入れる地域も多いですが、観光客がたくさん来るようになった宮古島でも学校が無くなる状況です。
2010年から2020年にかけて、宮古島では人口も増加。しかし、若返りは出来ていません。ちなみに宮古島で「公務員」の次に増えているのは「医療・福祉」に従事する方の数です。
この日は宮古島の砂山ビーチで夕陽の時間を過ごします。観光で訪れたことをきっかけに、「島に住みたい」と思う人は少なからずいるはずですが、実行する人はほとんどいません。
その大きな理由はやはり「仕事」と、その先にある「収入」でしょうか。島内の人手不足は、雇用条件が魅力的(稼げる)ならば解消されるはず。薄利多客で休みなし状態になっているのは、沖縄の観光全体の問題でもあります。
夜はゲストハウスでBBQ!他のゲストの方との交流の中で、今回ご紹介したようなお話を聞くことも出来ました。翌朝はオーナーさんに空港まで送っていただき、これにて2泊3日の宮古島滞在は終了です。
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今回はここまで。本日もありがとうございました。
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