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今回は【2019年→2020年 年末年始 小笠原の旅】その1をお届けします。
地獄の定期船・おがさわら丸乗船
2019年12月31日、2019年最後の日にやって来たのは東京・竹芝桟橋です。
11時出港のおがさわら丸に乗船し、小笠原諸島・父島へ向かいます。
竹芝桟橋の入口には、お正月らしく門松が置かれていました。父島までの所要時間は24時間。つまり、年越しの瞬間をおがさわら丸の船内で過ごします。
元旦の父島と母島の天気は晴れ予報。翌朝は船の上で水平線から昇る初日の出を見られるかもしれません。一方で海の状態は悪く、特に伊豆大島周辺の波の高さは4mを超える予報が出ていました。
冬の伊豆諸島周辺の海は荒れることが多く、伊豆諸島航路では欠航も頻発しますが、この日もおがさわら丸は通常通り、11時に竹芝桟橋を出港しました。父島・二見港までは996km。果たしてどんな24時間の船旅となるでしょうか。
■ 参考:欠航しない船 おがさわら丸
天気が良かったので、デッキには多くの人が出ていました。初めて小笠原に行く人も多いのでしょう。晴れていても風は冷たいので、リピーターの人はわざわざ外に出ていないはずです。
間もなくおがさわら丸はレインボーブリッジの下を通過。少しずつ東京のビル群が遠ざかっていきます。この時はまだ多くの人が、おがさわら丸を襲う地獄のような揺れを想像していなかったことでしょう。
揺れる船での過ごし方
出港してしばらくは穏やかな航海でしたが、事前にチェックしていた波予報の通り、東京湾を出る辺りから船が大きく揺れ始めました。
相変わらず天気はいいものの、船の揺れと猛烈な風で、デッキに立っているのがやっとの状態。出港時には多くの人がいた屋上デッキへの階段は昇降禁止となりました。
しばらくデッキに立っていると、風に乗って飛んでくる波しぶきで全身ずぶ濡れに。 普段は「黒潮」の影響を受ける、御蔵島や八丈島付近で船の揺れが大きくなりますが、まだ東京湾を出たばかりです。
■ 参考:伊豆諸島周辺と黒潮の関係
東京から父島に向かうおがさわら丸に乗船するのはこれが7回目ですが、こんなに早くから揺れ始めたのはこれが初めて。まもなくデッキも閉鎖されてしまいました。
■ 参考:初めてのおがさわら丸は台風でした
せっかく旅をしているのに寝るのはもったいない!ということで、デッキからラウンジへ移動。パソコン作業をしていたら、すぐに気持ち悪くなってきました(笑)窓の向こうにうっすら見えているのは伊豆大島。そう、まだ船旅は始まったばかりです。
船酔い注意
父島は遥か彼方。あと20時間近くこの状態が続くとしたら本当に地獄です。ちなみに、酔い止めは飲んでいません。島旅好きとして、こういう時こそ「慣れてるんで余裕です」という顔をしていたかったのです。
さらに揺れが大きくなるおがさわら丸。「ガシャーン!」という音ともに、ビンや缶がラウンジの床を転がります。スタッフの方が「台風のときみたい」と話している声も聞こえました。私は「立ったら吐く…」という状態。トイレまで歩くのも厳しいところまで追い込まれていました。
イスに深く腰を掛け、足を投げ出し、天井を見上げた状態で目をつぶります。船酔いは一度リバースしてしまったら終わり。身体のリミッターが外れてしまうのでしょう。吐いても吐いても吐き気が収まらず、ついにはトイレに駆け込んでも何も出ない状態になります(経験談)。
少し船の揺れが落ち着いたのか、慣れただけなのか、吐き気が落ち着いてきたので、ようやくイスから立ち上がり、気分転換に船内を少し散歩。
時刻は16時、おがさわら丸は三宅島付近まで来ていました。通常はここからが黒潮の影響で一番揺れる海域ですが、それほど揺れず。今回のピークはやはり伊豆大島付近でした。
私は何とか揺れに耐え、リバースを回避し、船酔いに対する自信を付けることが出来ましたが、揺れるおがさわら丸での正しい過ごし方は、酔い止めを飲んで寝ること。間違いありません。眠くなくても、画面や本を眺めるのは危険です。
海に沈む夕陽を見る
もうすぐ日の入の時刻。
引き続きデッキは封鎖されたままなので、船内から夕焼けを眺めることとなりました。
こちらはおがさわら丸の船内に流れている電子公告。「一瞬の景色は永遠のお土産」というフレーズとともに、夕陽に染まるおがさわら丸のイラストが書かれています。
デッキで夕焼けに染まる海の景色を見たかったですが、今回のような揺れる船旅の体験もまた永遠のお土産になるはず。
それまで閑散としていたラウンジ(恐らく皆さんやられていた)にも、夕陽の時間には多くの人が集まっていました。あと少しで2019年が終わります。
夕方から夜になり、船の揺れも落ち着いて、船内各所で忘年会が行われていました。おがさわら丸はもともと、船内のあちこちで宴会が行われている船。その宴会は、必ずしも知り合い同士ではなく、船内や島で初めて知り合った人たちで呑んでいる場合が多いです。
かくいう私も、ラウンジで近くに座っていた人たちと忘年会。私の横に座っていた人の飲み物が、船の揺れで倒れてしまったことをきっかけに、近くの人と会話が発生し、このような流れになりました。
「人と人が繋がっていく」のは、まさに小笠原旅行の魅力のひとつ。皆さんで小笠原や旅の話をしていたら、あっという間に20時になったので、ここで一旦お開き。年越しの瞬間に備え仮眠を取ります。
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今回はここまで。本日もありがとうございました。
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