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今回は「繁忙期の小笠原諸島へ行くための手順とコツ」について解説します。
予約が取れないおがさわら丸
2019年8月12日、小笠原海運から重要なお知らせが発表されました。
台風の影響で、おがさわら丸が出港を1日延期するとのことですが、台風が通過してから1日経ったところで、海がすぐに回復するわけがありません。
こちらがおがさわら丸が父島に到着し、折り返し東京へ向けて出港する8月15日の波予報。伊豆諸島~小笠原諸島周辺は、しばらく波が高そうです。
果たして本当に船は出るのか… と思っていましたが、8月14日、おがさわら丸は予定通り、父島へ向けて竹芝桟橋を出港しました。さすが「日本一欠航しない定期船」です。
きっと、船内はかなり揺れたはず。しかし、小笠原諸島へ行くための交通手段はおがさわら丸しかありません。「船酔いが心配だから今回は飛行機で」ということが出来ないのです。
■ 参考:揺れるおがさわら丸乗船記
ただ、この時期(お盆の繁忙期)のおがさわら丸に乗船している人の多くは、こうした揺れをも「小笠原旅行の醍醐味」と楽しんでしまうヘビーリピーターなので、それほど心配する必要はないでしょう。
『この日のおがさわら丸にはヘビーリピーターの方が多く乗船している』と言える理由… それは、繁忙期のおがさわら丸の乗船券を手に入れる(船の予約を取る)のが、かなり難しいからです。
連休に小笠原諸島へ
繰り返しになりますが、日本本土から小笠原諸島(父島)へ行くための交通手段は【おがさわら丸】という船しかありません。
そもそも、離島へ向かう船は予約の必要がない場合がほとんど。おがさわら丸も、当日空席があれば、予約なしでも乗船することは出来ます。しかし、当日ふらっと乗船した場合、危険なのは帰れなくなる可能性があることです。
こちらは2023年3月末時点の、おがさわら丸の空席状況。ゴールデンウイーク最終日の5月6日に父島を出港する便はすでに満席となっています。この状況を知らず、ゴールデンウイーク休みにふらっと船に乗った場合、5日後の5月11日まで、島から出ることは出来ません。
こちらがとある月のおがさわら丸の運航スケジュール。島まで片道24時間かかることもあり、毎日運航しているわけではなく、月に5便~10便程度しか出ていません。
父島に到着したおがさわら丸は、島に数日停泊するため、私たち旅行者も島に宿泊しなければなりません。小笠原旅行は一般的に合計5泊6日【片道24時間(往路)+島で3泊+片道24時間(復路)】となる場合が多く、このスケジュールを「1航海」といいます。
小笠原諸島へ行くためにはまず、おがさわら丸の運航スケジュールに合わせて休暇を取らなければなりません。しかし、会社に勤めていると、いきなり6連休を取るのは困難な方が多いはず。
その結果、ゴールデンウイークやお盆、年末年始など、会社が長期休暇に入る時期(観光地や交通機関の繁忙期)は、おがさわら丸の予約が殺到し、乗船券の争奪戦が発生します。2019年お盆の乗船券も、予約開始日(5月)に完売。最大10連休となった2019年ゴールデンウイークの便は、乗船券をゲットするため、販売開始の2日前から窓口で並んでいた人もいたようです。
こうした過度なおがさわら丸の乗船券争奪戦を受け、小笠原海運は繁忙期の予約開始日は東京の窓口を閉鎖。電話とインターネット、そして父島の窓口だけで予約受付をするようになりました。
■ 参考:おがさわら丸 最新の空席情報
宿泊施設の予約も争奪戦
さらに、争奪戦が起こるのは宿泊施設も同じ。
おがさわら丸の運航スケジュールに合わせて、島に宿泊しなければなりませんが、小笠原諸島はキャンプ禁止。必ず宿の予約が必要です。
宿はそれぞれ独自に繁忙期の予約開始日を設けており、おがさわら丸の一斉販売日より前に予約開始となっている宿もあります。そしてこちらも、受付開始数分で予約が埋まる宿泊施設が多いようなので、各宿の予約開始日も確認しておかなければなりません。
なお、船だけ予約が取れて、どうしても宿が見つからない場合は、観光協会に相談すると、空いている宿を紹介してもらえるようです。その結果、繁忙期のおがさわら丸に乗船しているのは、こうした状況や予約の術を知っていたり、島に知り合いがいたりするヘビーリピーターの方が多くなります。
ヘビーリピーターの方は、島の知人に頼んで、繁忙期の乗船券販売日に父島の窓口で並んでもらったり(東京の窓口は閉鎖されているが、父島事務所は営業している)、リピーター同士で連携したりと、小笠原上陸のため様々な作戦を取っています。
おがさわら丸の予約に挑戦してみた
ここからは実際に、私が2019年年末~2020年年始、つまり繁忙期におがさわら丸を予約した時の様子をご紹介します。
これまでは年越しの時、おがさわら丸は父島に停泊しており、1月1日になった瞬間に汽笛を鳴らすのが定番となっていました。しかし、おがさわら丸の運航スケジュールを確認すると…
12月31日:東京出港
1月1日:11時父島入港→15時父島出港
1月2日:東京入港
おがさわら丸船内で年越し&洋上から初日の出を見ることが出来るスケジュールになっていたのです。
1月1日に父島へ到着した後、おがさわら丸はその日のうちに東京へ向けて折り返します。今回は島に宿泊せず、4時間半の滞在計画で小笠原(父島)へ行くことにしました(笑)そのため、宿の予約は気にせず、往復の船だけ予約が取れればOKです。
通常おがさわら丸の予約は乗船2か月前の朝10時からですが、繁忙期の乗船券は事前に一斉販売日が発表され、販売当日は9時から電話が繋がります。
■ 参考:『一斉発売日』の予約方法に関する大切なお知らせ (小笠原海運より)
ただしネット予約は10時スタート。そのため、販売開始日の9時から電話をかけ続け、10時からは電話と並行して、ネットからの予約も試みるのがスタンダード。そのため、一斉販売日は基本的に「午前休」が必要です。
2019年年末~2020年年始の乗船券の一斉販売日は10月29日9時。私も午前休を取り、朝9時から電話をかけ続けましたが、電話が繋がったのは12時半頃(ちなみにネットは繋がらず)。12月28日出港便はすでに満席でしたが、東京発・大みそか便と父島発・元旦便にはまだ空きがあり、無事予約を取ることが出来ました。
2019年当時、私は沖縄に住んでいたので、続いてはおがさわら丸が出港する、東京・竹芝桟橋までの交通手段を確保しなければなりません。
おがさわら丸が11時出港である理由
これを調べると、おがさわら丸が11時に出港するありがたさが分かります。
おがさわら丸出港日の朝に沖縄出発しても、飛行機やモノレールが遅れず、かつ走って移動すれば、10時40分には竹芝桟橋へ到着し、乗船することが出来ます。
北海道・新千歳空港からでも間に合います。
福岡・新大阪・仙台からも、おがさわら丸の出港時刻に間に合うのです。
一方帰りは、おがさわら丸の到着が4時間以上遅れることもあるので、東京に1泊したり、新幹線の切符は当日に買ったりするのが無難です。
小笠原諸島に行くための手順とコツ まとめ
- (半年前)おがさわら丸のスケジュールをチェック!日程を決める
- 宿泊施設の候補を探す
- おがさわら丸と宿泊施設の予約開始日を確認
- 仕事を午前休にする
- (予約開始日)電話をかけ続ける
- (船の予約が取れたら)竹芝桟橋までの交通手段を確認
- (1か月前までに宿が取れなかったら)小笠原村観光協会に相談する
東京都心から南へ1,000kmの太平洋に浮かぶ小笠原諸島。普通に人が暮らしている島へ向かう定期船の乗船券が、予約開始日に完売するというのは、他ではありえません。あまり知られていませんが、実は小笠原はこんなにもファンが多い島なのです。
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今回はここまで。本日もありがとうございました。
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